明快な文章

明快な文章

阿部紘久[著]

定価
1,540円(1,400円+税)
ISBN
978-4-87424-379-4 C1081
発売日
2007/6/1
判型
四六
ページ数
272頁
ジャンル
初年次教育 ― スタディ・スキルズ
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誰にも書きたい思いがある。その想いをどうしたら的確に、効果的に、明快に伝えられるのか。広告・国際ビジネス・経営の現場に長年立ち、その後大学で文章指導に携わった著者が書き下ろした、生きた文章論。

関連情報

目次
まえがき

序章
 1 文章を書く三つの喜び
 2 文章力とは何か

◇第1部 発想
 ■第1章 誰にも書きたい思いがある
 (コラム)書くことが一番自由でマイペース
 (コラム)半覚半睡の時が、一番創造的
 ■第2章 思索ノート(日記)の勧め
  1 さまざまなタイプの文章を書いてみよう
  (タイプ1)身近な事象
  (タイプ2)風景
  (タイプ3)人間模様
  (タイプ4)読んだり、観たり、聴いたりしたことの感想
  (タイプ5)心情
  (タイプ6)衝撃的体験
  (タイプ7)見た夢
  (タイプ8)評論
  2 何をきっかけに人は書き始めるか
  (コラム)書きたいから書く日記
  (コラム)スポーツ選手の日記

◇第2部 表現
 ■第3章 文章の幹を明らかにする
  1 誰が(何が)、どうなのか
  2 誰が(何が)、誰に(何に)、何をしたのか
  (コラム)「です・ます調」と「だ・である調」
 ■第4章 相互の関係を明らかにする
  1 文頭と文末を対応させる
  2 修飾語と被修飾語の関係を明らかにする
   ア 直結の原則
   イ 修飾語同士の意外な関係
   ウ 主役登場のタイミング
  3 曖昧接続を避ける
  4 逆接への転換
  5 読点のはたらき
  (コラム)日本語も論理的で明快
 ■第5章 短い文章で書く
  1 なぜ短い文章なのか
  2 一文一義
  3 簡潔な表現
  4 重複をなくす
  5 修飾語を最小限に
  6 省略の意味するもの
  (コラム)悪文の代表選手
 ■第6章 言葉の選び方
  1 易しい言葉で書く
  2 意味不明の言葉は使わない
  (コラム)難解さ、曖昧さへの郷愁
  3 具体的なイメージが湧くように書く
  4 定型的な言い回しはなるべく避ける
  (コラム)現代の定型句
  5 口調のいい文章を書く
  6 違和感を大切にする
 ■第7章 構成
  1 骨子を組み立てる
  2 同じ話はまとめて書く
  3 「しかし」「しかし」を繰り返さない
  4 第一に、第二に、と整理する
  5 基本は時系列
  6 多くのことを同時に論じない
  7 いきなり核心に入る
  8 まず結論を、次に理由・背景を
  9 書く視点を定める
  (コラム)読むことと、書くことと
 ■第8章 視覚的な効果
  1 レイアウト
  2 パターン認識
  3 箇条書きの活用
 明快な文章表現のためのチェックリスト(第2部のまとめ)

◇第3部 構築
 ■第9章 考える道具としてのワープロ
  (コラム)ワープロか、手書きか論争
  (コラム)ブラインド・タッチ
 ■第10章 情報集めとその整理
  (コラム)文房具の動詞による分類
 ■第11章 複雑な問題の整理
  (事例1)海外給与・処遇に関する分析
  (事例2)大工場の海外移設計画
  (コラム)全体像と一覧性
 ■第12章 総合的な推敲例
  (事例1)志望動機
  (事例2)国家公務員試験II種 論文試験
  (事例3)某社の記者発表資料
  (コラム)四十年前の「明快な文章」

出典
 1 参考文献
 2 「こんな文章に出会いました」について
 3 拙著

あとがき

◇こんな文章に出会いました◇
(1)「百姓女とベートーヴェン」 トルストイ『芸術とはなにか』から
(2)「妄想」 森鴎外『妄想』から
など…
著者紹介
阿部 紘久(あべ ひろひさ)

1967年東京大学卒(教育社会学専攻)。帝人(株)で宣伝企画、国際事業企画、経営企画に携わり、その間にタイ、韓国、イタリアに計十年駐在。活性化推進室長、繊維国際部長などを務めた後、米国系IT関連企業アール・プロメトリック(株)の最高経営責任者(CEO)に転じた。現在は文筆活動のかたわら、昭和女子大学で文章指導をしている。著書に『発見・青春との対話』(小学館スクウェア)、『異文化体験記・底抜けに親切な人びと』(文藝春秋企画出版部)がある。趣味は、山岳写真と音楽。