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マルチジャンル談話論

間ジャンル性と意味の創造

泉子・K・メイナード[著]

定価
4,620円(4,200円+税)
ISBN
978-4-87424-422-7 C3081
発売日
2008/11/1
判型
A5
ページ数
288頁
ジャンル
言語学・英語学 ― 社会言語学専門
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長年アメリカで研究生活を送りながら、日本の雑誌、漫画、ドラマに熱いまなざしを送り続けてきた筆者の談話論の書。雑誌広告から、漫画、テレビドラマ、歌番組まで様々に現れる言語とビジュアルの交錯・融合現象を考察。

関連情報

目次
■第1章 マルチジャンルという現象
1. ジャンルとは何か
2. ジャンルからマルチジャンルへ
3. マルチジャンル談話分析の試み
4. マルチジャンルと意味の創造
5. 本書の構成

■第2章 理論的背景
1. 間ジャンル性と場交渉論
2. マルチジャンルの表現性
3. マルチジャンルの心理と認知
4. マルチジャンルの動機
5. マルチジャンルとレトリック
6. マルチモダリティ談話分析
7. 分析方法とデータ

■第3章 会話と描写の交渉:話す声が聞こえる修飾節
1. はじめに
2. 会話修飾という現象
3. 先行研究
4. 引用マーカーを伴う修飾節
5. 直接会話修飾節
6. 類似会話修飾節
7. <なる視点>と会話修飾節
8. おわりに:会話の声と描写の声

■第4章 言語行為の交渉:アイデンティティー表現としての「だ」
1. はじめに
2. 情意の「だ」
3. 主体の発話マーカーとしての「だ」
4. ディスコース・マーカーとしての「だ」
5. 相手との関係を喚起する「だ」
6. アイデンティティー表現としての「だ」
7. 「じゃねぇ」と発話行為の否定
8. おわりに:主体の証とマルチジャンルの操作

■第5章 発話とジェスチャーの間:指差しの表現性
1. はじめに
2. データ
3. ジェスチャーについての先行研究
4. 指差しという現象
5. 情報の指差しと相互行為の指差し
6. 相互行為の指差しとジャンル
7. 情意の指差し
8. テレビドラマと情意の指差しの表現性
9. マンガにおける指差しの語用論
10. おわりに:ジェスチャーを伴うマルチジャンルの表現性

■第6章 バーバルとビジュアルの交渉:雑誌広告の世界
1. はじめに
2. 静止したビジュアル記号へのアプローチ
3. 分析の枠組み
4. 小正醸造株式会社の広告
5. モランボンの広告
6. DFSギャラリア・沖縄の広告
7. TOYOTAの広告
8. おわりに:マルチジャンルの意味交渉

■第7章 マルチジャンルの意味創造:歌番組のスペクタル
1. はじめに
2. 動くビジュアル記号へのアプローチ
3. 「曼珠沙華(マンジューシャカ)」というスペクタクル
4. 基本的な情報
5. デザインと情意
6. パフォーマンスと視聴者の関係
7. 振り付けのアピールとシフト
8. 「マンジューシャカ」と実らぬ恋
9. おわりに:マルチジャンルの意味創造

■第8章 間ジャンル性の操作:落語の世界とドラマの世界
1. はじめに
2. ジャンルの引用とブリコラージュ
3. ドラマ:『タイガー&ドラゴン』「『三枚起請』の回」
4. ジャンルの交錯:落語とドラマ
5. 異なる世界と声の多重性
6. 異なる世界を繋ぐ操作
7. ジャンルシフトと乗り移る主体
8. おわりに:壊して築くという「三枚起請」のレトリック

■第9章 マルチジャンルのディスコース現象
1. マルチジャンル談話論と場交渉論
2. ジャンルの交錯と融合による意味の創造
3. 間ジャンル性とレトリック
4. マルチジャンル現象の言語と主体
著者紹介
泉子・K・メイナード(Senko K.Maynard)

 山梨県出身。AFS(アメリカン・フィールド・サービス)で米国に留学。甲府第一高等学校およびアイオワ州コーニング・ハイスクール卒業。東京外国語大学卒業後、再度渡米。1978年イリノイ大学シカゴ校より言語学修士号を、1980年ノースウェスタン大学より言語学博士号を取得。その後、ハワイ大学、コネティカット・カレッジ、ハーバード大学、プリンストン大学で教鞭をとる。ニュージャージー州立ラトガース大学日本語学・言語学教授。日本語プログラム主任。本書の著書文献にあるように、研究分野は、日本語の会話分析、談話分析、談話言語学、言語と情意、言語の創造性など、広範囲にわたる。