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日本語を教えるための第二言語習得論入門

大関浩美[著] 白井恭弘[監修]

定価
1,980円(1,800円+税)
ISBN
978-4-87424-480-7 C1081
発売日
2010/6/1
判型
A5
ページ数
216頁
ジャンル
日本語教育 ― 日本語教師参考書
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日本語教師にとって「これだけは知っておきたい!」第二言語習得の考え方をやさしく紹介。学習者の誤りの原因は? 母語はどんなふうに影響するのか、習得の順序はあるのか、文法指導に意味はあるのかなどを、実例をもとに解説。

関連情報
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目次
■第1章 第二言語習得論とは
1.「対照分析」の時代
2.「対照分析」から「誤用分析」へ
3.中間言語分析へ

■第2章 中間言語:学習者独自の言語体系
1.日本語学習者の中間言語:「に」?「で」?
2.自分の「独自のルール」には、自分でも気づいていないこともある
3.学習者独自の文法は何から作られるのか
4.中間言語の発達

■第3章 学習者の母語は第二言語習得にどう影響するか
1.母語は悪者か?
2.母語の転移
3.転移は母語からのものだけではない
4.母語の転移はいつ起きるのか
5.言語転移が起きやすい領域
6.典型性の影響
7.習熟レベルによる違い
8.学習者要因の影響

■第4章 習得には決まった順序があるのか
1.「習得順序」の発見
2.「習得順序」とは、何がどうなる順序か
3.本当に母語に影響されない普遍的順序があるのか
4.どんな文法項目にも決まった習得順序があるのか
5.「発達順序」と「習得順序」
6.発達段階は飛び越えられないという考え方
7.習得の順序通りに教えたほうがいいのか

■第5章 必要なのはインプットかアウトプットか
1.言語習得に大切なのはインプットだという考え方
2.言語習得にはインターアクションが必要だという考え方
3.言語習得にはアウトプットも必要だという考え方
4.アウトプットの効果
5.言語習得には気づきが必要
6.アウトプットのもう一つの効果:自動化

■第6章 文法を教えることに効果はあるのか
1.意識的に得られた知識と無意識的な知識とは
2.意識的な学習はコミュニケーションに役立つ知識になるか
3.教室での学習の役割
4.理解可能なインプットだけでは習得が難しいもの
5.目立ちやすさや余剰性は母語によって異なる
6.教えたことがそのまま習得されるわけではない
7.教室でのインプットに注意を払おう
8.インプットからしか習得できないもの
9.習得環境による教室の役割の違い

■第7章 教室で何ができるのか
1.インプット重視の指導
2.言語形式に焦点を当てる
3.フィードバックはどう行えば効果的か
4.再び、教える順序について

■第8章 言語習得に及ぼす年齢の影響
1.外国語は早くから始めたほうがいいのか
2.子どもは二つの言語をどう学習するのか

■第9章 言語習得に及ぼす個人差の影響(1)
1.言語適性
2.女性のほうが言語学習に向いているのか
3.学習スタイルの違い

■第10章 言語習得に及ぼす個人差の影響(2)
1.動機づけと第二言語習得
2.学習者の性格は第二言語習得に影響するか
3.曖昧さに対する寛容性
4.学習ストラテジー
5.「不安」や「緊張感」の影響
6.個人差に関するまとめ

■第11章 まとめ:教室で私たちにできること
1.第二言語習得論から見た第二言語教育
2.習得は時間のかかるプロセス
3.「習得が難しい」と決める前に
4.教えたものはすぐ使えなければいけないのか
5.学習者と同じ方向を見て進むことの重要性
6.おわりに
著者紹介
大関浩美



東京生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。お茶の水女子大学人間文化研究科博士前期・後期課程修了。博士(人文科学)。アーク・アカデミー等の日本語学校非常勤講師、東京大学留学生センター特任講師等を経て、麗澤大学外国語学部・同大学院言語教育研究科准教授。専門は第一・第二言語習得、日本語教育。著書に『第一・第二言語における日本語名詞修飾節の習得過程』(くろしお出版)、主要論文に「日本語学習者の連体修飾構造習得過程」『日本語教育』121などがある。



白井恭弘



東京生まれ。上智大学外国語学部英語学科卒業。カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)修士課程(英語教授法専攻)、博士課程(応用言語学専攻)修了。Ph.D.(応用言語学)。大東文化大学外国語学部英語学科助教授、コーネル大学アジア研究学科准教授等を経て、ピッツバーグ大学言語学科教授。言語科学会(JSLS)会長。専門は言語学、言語習得論。著書に『外国語学習に成功する人、しない人』(岩波科学ライブラリー)、『外国語学習の科学』(岩波新書)などがある。