有対動詞の通言語的研究

有対動詞の通言語的研究

日本語と諸言語の対照から見えてくるもの

プラシャント・パルデシ/桐生和幸/ハイコ・ナロック[編]

価格
4,600円+税
ISBN
978-4-87424-679-5 C3080
発売日
2015/12/7
判型
A5
ページ数
488頁
ジャンル
言語学 ― 言語学専門
オンライン書店
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述語構造の意味範疇に関わる重要な言語現象の1 つが「他動性」である。動詞の形態に標示される他動性つまり有対自他動詞の形式的な関係、他動性に関与する意味的要因の解明、他動性の段階性と統語的な振る舞いとの関係、他動性とアスペクト・ボイスなど他の文法カテゴリーとの関係、他動性と談話のインタラクション(前景化、背景化)、自他動詞の習得・・・(全文を読む)など様々な観点から他動性について今なお活発に研究が行われている。
日本語にはいわゆる有対自他動詞が豊富にあり、動詞の形態に標示される他動性は、古くから盛んに研究されてきた。また、言語類型論の分野でも、70年代から有対自他動詞の形式的な関係における通言語的な普遍性と多様性を探求する研究が盛んに行われている(詳しくは「序論」を参照)。本論文集に収録されている論文の多くは世界諸言語の動詞に反映される他動性について論じ、日本語との対照を行っている。
(「まえがき」より)

関連情報

目次
序論
ハイコ・ナロック、プラシャント・パルデシ、桐生和幸

第1 部 東アジア・北東アジア・中央アジア
日本語自他動詞対のコード化の頻度論的動機付け:大規模コーパスによる検証
ナロック・ハイコ、パルデシ・プラシャント、赤瀬川 史朗

「見つかる/つかまる」クラス述語の他動性
岸本 秀樹

日本語族における他動性交替の地域差
佐々木 冠、當山 奈那

コリャーク語のS=A 交替における格枠組みと被動作性
呉人 惠

ツングース諸語の自他について
風間 伸次郎

韓国語の語彙的自他交替:接辞-i/hi/li/ki- による派生の双方向性
円山 拓子

モンゴル語の身体部位運動を表す文に見られる動詞の形態
梅谷 博之

ギャロン語ヨチ方言の他動性:自他動詞対からの分析
白井 聡子

現代ウイグル語の他動性について:形態的派生の方向性と意図性の観点から
新田 志穂、栗林 裕

チュルク語の自他交替の方向性:交替タイプの変異と安定性
大﨑 紀子

第2 部 東南アジア・南アジア
ラマホロット語の自他交替
長屋 尚典

タイ語のFreeze 事象表現:コーパスを使った事例研究
高橋 清子

ラワン語の自他動詞:形態的対応と事象のコード化の面からの考察
大西 秀幸

メチェ語の使役動詞の形態的特徴
桐生 和幸

ネワール語における自他動詞対:民話テキストの動詞分類と考察
松瀬 育子

日本語を通してみたヒンディー語の語彙的・統語的他動性:複合述語N/A + kar-naa「する」に焦点をあてて
西岡 美樹

ヒンディー・ウルドゥー語の語彙的自他対における有標性の役割
ピーター・エドウィン・フック

スィンディー語の動詞派生:受動動詞が表すもの
萬宮 健策

ブルシャスキー語の動詞語幹と他動性
吉岡 乾

第3 部 アフリカ・ヨーロッパ
トーロ語における自他動詞の交替
梶 茂樹

スワヒリ語における有対動詞:派生の形式と動詞の意味を中心に
米田 信子

リトアニア語の自他交替:反使役を中心に
櫻井 映子

ハンガリー語の自他動詞と項構造
江口 清子

コーパスから見たハンガリー語の自他動詞
大島 一

アイスランド語の衣類の着脱表現
入江 浩司

付録 現代語自他対一覧表
ナロック・ハイコ、パルデシ・プラシャント、影山 太郎、赤瀬川 史朗

執筆者一覧
事項索引
人名索引
言語索引
著者紹介
〇パルデシ・プラシャント(Prashant Pardeshi)
神戸大学大学院文化学研究科修了。博士(学術)。現在、国立国語研究所言語対照研究系教授・系長。専門は言語類型論、対照言語学。

〇桐生和幸(きりゅう・かずゆき)
神戸大学大学院文化学研究科博士後期課程単位取得退学。修士(文学)。現在、美作大学生活科学部教授。専門はネワール語とメチェ語の記述研究、日本語との対照研究。

〇ナロック・ハイコ(Heiko Narrog)
Ruhr-Universität Bochum; 東京大学大学院総合文化研究科言語情報科学専攻博士課程修了。Dr. phil、博士(学術)。現在、東北大学大学院国際文化研究科国際文化交流論専攻准教授。専門は言語類型論、日本語学、歴史言語学。