日本語学の教え方

日本語学の教え方

教育の意義と実践

福嶋健伸/小西いずみ[編]

定価
2,420円(2,200円+税)
ISBN
978-4-87424-698-6 C3081
発売日
2016/5/23
判型
A5
ページ数
272頁
ジャンル
日本語学 ― 日本語学入門
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「日本語学の教え方」について皆で話し合っていくきっかけを作りたい、本書の目的は、この一言に尽きます。
日本語学界の未来も、日本語学関係の教員ポストの増減も、良い教育ができるか否かにかかっているといっても過言ではないでしょう。しかし、これまで、日本語学の教育について、皆で話し合う機会は、ほとんどありませんでした。情報を共有する場・・・(全文を読む)も極めて少なかったと思います。このような状況を踏まえ、日本語学会2015年度秋季大会では、「「日本語学」をどのように教えるか」というテーマで、シンポジウムが開催されました。予想以上の方がご来場下さり、教育への関心の高さを改めて認識しました。
言うまでもないことですが、やはり日本語学は面白いのです。そして、やり方次第で、その面白さを学生達に伝えることは十分に可能なのだと思います。一人一人の工夫では限界があるかもしれません。しかし、教育について皆で考えて話し合い、知恵と経験を集めれば、より良い授業を行うことはできると思われます。よって、大切なのは、教育について情報を共有し合う場を作ることでしょう。
このような思いのもと本書は編集されました。
(「はじめに」より)

関連情報

目次
chapter 1
プレゼンテーションを通して文法リテラシーを身につけよう
前田直子

chapter 2
クイズで教える日本語教育文法
山内博之

chapter 3
大学での古典文法教育
小田 勝

chapter 4
語彙の体系性・多様性を意識し相対化する:
事前課題とグループワークを取り入れた授業実践
金 愛蘭

chapter 5
グループワークで行う意味分析の授業実践:
「ことば」の意味を考える教材と活動を中心に
茂木俊伸

chapter 6
日本語学だからこそできる国際交流:
Skypeを利用した日中合同演習授業
中俣尚己

chapter 7
「初めて学ぶ日本語音声学」をどう教えるか:
「日本語の音声」授業実践報告
高田三枝子

chapter 8
「日本語学」でなければ面白いことができる:
音韻史から何を学ぶか
高山知明

chapter 9
アンケート調査実習を通して日常の言葉を日本語学の俎上にのせる
小西いずみ

chapter 10
「空から見る日本語」の授業実践:
「方言」を通して日本語と日本社会を俯瞰する
日高水穂

chapter 11
日本語学教育に英語の多読教育を応用する:
もう二度と「日本語学の本を読むと眠くなる」とは言わせない
福嶋健伸

chapter 12
教養としての「役に立つ日本語」の授業実践:
保幼小教員養成現場における「日本語学」の意義
森 篤嗣

chapter 13
大学での日本語史入門:
私はこんな授業をしている
金水 敏

著者紹介
福嶋健伸(ふくしま たけのぶ)
【学歴】横浜国立大学教育学部卒業、筑波大学大学院博士課程文芸・言語研究科修了、博士(言語学)
【職歴】日本学術振興会特別研究員(DC2)、実践女子大学文学部助手・専任講師・准教授
【主要業績】『大学生のための日本語表現トレーニング』(スキルアップ編・実践編・ドリル編、共著、三省堂、2008・2009・2010)、「従属節において意志・推量形式が減少したのはなぜか:近代日本語の変遷をムード優位言語からテンス優位言語への類型論的変化として捉える」(『日本語複文構文の研究』ひつじ書房、2014)など

小西いずみ(こにし いずみ)
【学歴】東京都立大学人文学部卒業、東京都立大学大学院人文科学研究科修士課程修了、東北大学大学院文学研究科博士課程後期修了、博士(文学)
【職歴】東京都立大学人文学部助手、広島大学大学院教育学研究科専任講師・准教授
【主要業績】『富山県方言の文法』(ひつじ書房、2016)、「広島市方言の対格標示:談話資料による計量的把握」(『国語教育研究』56、 2015)など