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メンタル・コーパス

母語話者の頭の中には何があるのか

ジョン・R.テイラー[著] 西村義樹/平沢慎也/長谷川明香/大堀壽夫[編訳] 古賀裕章/小早川暁/友澤宏隆/湯本久美子[訳]

定価
5,060円(4,600円+税)
ISBN
978-4-87424-735-8 C1080
発売日
2017/7/6
判型
A5
ページ数
536頁
ジャンル
言語学・英語学 ― 認知言語学専門
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紀伊國屋書店 丸善・ジュンク堂書店・文教堂

The Mental Corpus(Oxford 2012年)の日本語版。こころの中の「コーパス」で「言葉とは何か」を探求する。これからの言語研究が取り組むべき新たな領野を切り開くだけでなく、英語教育にも大きな示唆に富む。

■本書解題より
 「ことばとは何か」。言語学はこの問いに答えようとする。それは突き詰めればメンタル・コ・・・(全文を読む)ーパスだ—これがTaylorの答えである(大堀壽夫)。

 本書は言語理論についての本であって,英語学習・英語教育についての本ではない。しかし,後者について真剣に考えている人間にとっては,論点の宝庫のような本だとも言える。私が初めて本書を読んだときは,一章一章で自分の学習方法や授業スタイルについて反省を迫られているような思いだった(平沢慎也)。
 
 本書は,生成文法と競合しうる理論へと成長しつつある認知言語学がさらなる発展を遂げるために取り組むべき新たな領野を,多様な現象の分析例を含む透徹した論述を通して,力強く切り開いてみせた画期的な著作である(西村義樹・長谷川明香)。

■本書帯より
 この本はたとえば“The farmer kills the duckling”(農夫はアヒルの子を殺す)という例文を使って考える文法の議論を信用しない。そういう文は文法書のなかにしかなく、実際にはまず誰も言わないからである。ルール先行ではなく、言語の現実に即してルールをしなやかに組み立てていく現場にこの本は立ち会わせてくれる。専門用語は最低限に留められ、しかも翻訳が見事。たとえば ready to goが「もう出られる」と訳される柔軟さは、この本の議論のしなやかさにぴったり呼応している。 (柴田元幸・東京大学名誉教授)

関連情報

目次
第1章 ことばとは何か
第2章 辞書と文法書─言語知識の生成文法モデル
第3章 語とその振る舞い
第4章 イディオム
第5章 イディオムに溢れた日常言語
第6章 構文
第7章 頻度
第8章 言語の設計特性としての頻度の偏り
第9章 インプットから学ぶ
第10章 多義性
第11章 創造性と革新
第12章 ブレンディング
第13章 メンタル・コーパス
著者紹介
ジョン・R.テイラー(John R. Taylor)
近年までニュージーランドのオタゴ(Otago)大学言語学科で教鞭をとっていた。
『認知言語学のための14章(第3版)』辻幸夫他訳,紀伊國屋書店,2008,『認知文法のエッセンス』(共著,大修館書店,2008)など、著書多数。