中国語の非動作主卓越構文

新刊

中国語の非動作主卓越構文

于一楽[著]

価格
2,700円+税
ISBN
978-4-87424-778-5 C3087
発売日
2018/9/28
判型
A5
ページ数
200頁
ジャンル
言語学 ― 言語学専門
オンライン書店
amazon.co.jp 楽天ブックス

理論言語学では、英語を中心に研究が進み、アジアの諸言語の中では、おそらく日本語が一番よく研究されている。少なくとも、中国語は英語や日本語ほど理論的研究は進んでいない。近年、中国語の統語論研究は比較的盛んに行われているものの、語彙意味論研究はそれほど進んでいないのが現状である。このような状況の中で、本書は動詞の意味構造を中心に、・・・(全文を読む)中国語の非動作主卓越構文(結果複合動詞構文、双数量構文、存現文)における項の文法関係(項の具現化)を考察し、中国語の語彙意味論研究に光を当てようと試みるものである。中国語の項の文法関係には、英語や日本語とかなり異なるパターンが存在する。これらの現象を調べることで、中国語の動詞の意味構造にどのような共通性があるのかを明らかにするとともに、言語研究に対して興味深い考察となることを目指す。理論面は言うに及ばず、特に経験面で興味深い事実を浮き彫りにすることで、言語の普遍性と特殊性の探求に少しでも貢献できればよいと考えている。これが本書の最大の目的である。(「まえがき」より)

関連情報
【誤植・修正】
第1刷にて、下記のとおり誤植がありました。お詫びして訂正いたします。

・114ページ 例文(65a)
【誤】一片电影 → 【正】一部电影

・115ページ 例文(66a)
【誤】一片电影 → 【正】一部电影

・119ページ 例文(76a)
【誤】那片电影 → 【正】那部电影
目次
第1章 先行研究
1.1. 問題提起
1.2. 結果複合動詞構文の項の文法関係
1.2.1 吕(1946)
1.2.2 Li(1995, 1999)
1.2.3 Her(2007)
1.3. 双数量構文の項の文法関係
1.4. 存現文の項の文法関係
1.4.1 語順
1.4.2 Locative Inversion
1.4.2.1 語彙論的分析
1.4.2.2 統語論的分析
1.4.3 Pan (1996)
1.5. 語彙概念構造と項の具現化
1.6. まとめ

第2章 結果複合動詞構文
2.1. はじめに
2.2. 先行研究の問題点
2.3. 提案
2.3.1 語順
2.3.2 LCS分析
2.3.3 前項動詞の動詞分類と動作主目的語
2.3.4 自動詞+自動詞型の結果複合動詞
2.3.5 3項動詞+自動詞型の結果複合動詞
2.4. まとめ

第3章 双数量構文
3.1. はじめに
3.2. 先行研究の問題点
3.3. 分析
3.3.1 語順
3.3.2 提案
3.3.3 3項動詞とその目的語名詞の解釈
3.3.4 動詞“看”の特殊性
3.4. まとめ

第4章 存現文
4.1. はじめに
4.2. 先行研究の問題点
4.3. 提案
4.3.1 語順
4.3.2 存在と所有の変換規則
4.3.3 場所概念を含む[BE AT]と他動詞
4.3.4 場所概念を含む[BE AT]と自動詞
4.3.4.1 非能格自動詞
4.3.4.2 非対格自動詞
4.4. LCS書き換え規則の根拠
4.4.1 語彙的操作
4.4.2 アスペクト
4.4.3 “有”との置換と状態性
4.5. 状態動詞
4.6. まとめ

第5章 結び

参考文献
索 引
著者紹介
于一楽(う・いちらく/Yile YU)
1984年南京生まれ。
神戸大学大学院人文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。
滋賀大学教育学部准教授。専門は語彙意味論。
主な論文として
「中国語結果複合動詞の意味構造と項の具現化」(由本陽子・小野尚之(編)『語彙意味論の新たな可能性を探って』2015),「中国語存現文の意味構造と項の具現化」(影山太郎(編)『レキシコンフォーラム』7, 2016),“A semantic analysis of the English accommodation construction in comparison with Chinese” (KLS 38, 2018)
などがある。