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現場に役立つ日本語教育研究 6
語から始まる教材作り

岩田一成[編]

定価
2,640円(2,400円+税)
ISBN
978-4-87424-781-5 C3081
発売日
2018/10/18
判型
A5
ページ数
272頁
ジャンル
日本語教育 ― <現場に役立つ日本語教育研究>
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紀伊國屋書店 丸善・ジュンク堂書店・文教堂

コミュニケーション場面において、単語が一つ言えることで意図が相手に伝わるなんてことはよくあるのではないか。文法の重要性を否定するつもりはないが、語彙の重要性はもっと強調してもいいのではないかと考えている。本書は、「語彙を中心にして教材を作ってみたらどうなるか」という共通課題で取り組んだ論文集である。本書で伝えたいメッセージは、・・・(全文を読む)「語彙は文法導入のおまけではない」ということ。(中略)
本シリーズ1巻の庵・山内(編)(2015)で文法シラバスを見直す議論から始めて、本書は将来のあるべき姿「語彙重視の日本語教育」を提案する形でシリーズを締めくくることになる。本シリーズの2巻である森(編)(2016)でニーズ別の語彙リストが公開され、山内(編)(2013)『実践日本語教育スタンダード』では膨大な語彙が話題別・タスク別に整理され、語彙中心の教材を議論・作成する環境は整いつつある。今、まさに語彙と教材の議論をする時期が到来しているのである。(「まえがき」より)


<現場に役立つ日本語教育研究>
■山内博之 監修
日本語教育における文法や語彙の指導項目は、必ずしも客観的データに基いて導かれたものとは言えない。文法・語彙項目の要・不要や配列が日本語を習得していく上で妥当かどうか、コーパスなどのデータを用いて網羅的に検証し、新たな指導項目を提示する。全6巻。

関連情報
【関連サイト】
教材例データダウンロードページ
http://www.9640.jp/genba/
目次
第一部
語彙指導を支える知恵と工夫 

第1章
話題による日本語教育の見取り図
山内博之

第2章
スタンダードを利用したタスク・ベースの言語指導(TBLT)
小口悠紀子

第3章
語彙習得を促す「話題別読解」の提案
橋本直幸

第4章
類義語分析のためのチェックリスト
建石始

第5章
語彙に着目した日本語教科書作成プロセスの歩み
田中祐輔

第二部
教材案Ⅰ:コース単位で利用できるアイディア

第6章
初級語彙の学習負担を減らす工夫と教材化
岩田一成

第7章
スタンダードを利用した語彙の教材化
山内博之

第8章
初級漢字語の教材化
本多由美子

第9章
読むことを通じてことばの力を伸ばす語彙学習支援ツールと教材化
栁田直美

第10章
現場指導(OJT)における看護師養成と教材化
嶋ちはる

第三部
教材案Ⅱ:授業単位で利用できるアイディア

第11章
コロケーションリストの教材化
中俣尚己

第12章
国語科教育のためのオノマトペの教材化
中石ゆうこ

第13章
感動詞の教材化
小西円

第14章
言語テスト作りを応用した形容詞の教材化
渡部倫子

第15章
多義語の教材化
麻生迪子

第16章
語彙習得研究の成果を踏まえた震災関連語彙の教材化
小口悠紀子・畑佐由紀子
著者紹介
岩田一成(いわた かずなり)
大阪大学大学院言語文化研究科博士後期課程修了。博士(言語文化学)。国際交流基金日本語国際センター専任講師、広島市立大学国際学部講師、准教授を経て、現在、聖心女子大学文学部准教授。著書に『読み手に伝わる公用文―〈やさしい日本語〉の視点から―』(大修館書店、2016)、『日本語教育学の歩き方―初学者のための研究ガイド―』(共著、大阪大学出版会、2014)、『日本語数量詞の諸相―数量詞は数を表すコトバか―』(くろしお出版、2013)などがある。