学習者コーパスと日本語教育研究

新刊

学習者コーパスと日本語教育研究

野田尚史/迫田久美子[編]

価格
2,700円+税
ISBN
978-4-87424-800-3 C3081
発売日
2019/5/28
判型
A5
ページ数
204頁
ジャンル
日本語教育 ― 日本語教育専門書
オンライン書店
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本書の目的は,日本語学習者の言語データを集めたコーパスをどのように拡充させていけばよいか,また,すでにできているコーパスをどのように活用して日本語教育研究を行えばよいかを示すことである。
日本語教育に実際に役立つ研究を行うためには,理論から出発するより学習者の言語データから出発するのがよいことが多い。しかし,個人で集められるデ・・・(全文を読む)ータには限りがある。そのため,データをコーパスとして公開し,共有することが重要になる。
同じデータをもとにしても,研究者によって注目することが違うことが多い。公開されたコーパスがあれば,1つのデータからさまざまな研究が行われる可能性も高くなる。
(中略)
現在は,日本だけでなく,海外でもさまざまなコーパスが作られ,インターネットでの公開も進んでいる。しかし,日本語学習者の日本語を分析し,日本語教育に役立つ研究を行うためには,さらにさまざまなタイプのコーパスを作っていく必要がある。また,コーパスを使った研究のテーマや研究方法をさらに多様化する必要がある。
本書では,これまでのものとは違うタイプのコーパスを構築することを提案するとともに,すでに構築されているコーパスを使いながら新しいタイプの研究を行った例を示す。今後のコーパス構築やコーパスを活用した研究に刺激を与えたいからである。
(「本書の目的と構成」より)

関連情報

目次
本書の目的と構成

第1部 学習者コーパスの構築と研究方法

日本語学習者はどのように聞いているか―ディクテーション・コーパスから見えてくるもの―
小林 典子

読んで理解する過程の解明―「読解コーパス」の開発―
野田 尚史

未来の研究に向けたデータ収集―第二言語の習得・維持・摩滅の過程を解明するために―
渋谷 勝己

第2部 学習者コーパスによる語彙研究

タスク遂行の鍵となる形態素―KYコーパスへの話題タグと機能タグの付与―
山内 博之

学習者の語彙使用は習熟度を反映しているか―学習者コーパスの定量的分析―
李 在鎬

第3部 学習者コーパスによる文法研究

気づきやすいコロケーション・気づきにくいコロケーション―母語話者と学習者の書き言葉コーパスの比較から―
中俣 尚己

名詞述語文の習得に関わるねじれ文と「は」「が」の誤用について―学習者の縦断的な作文コーパスの分析から―
砂川有里子

第4部 学習者コーパスによるバリエーション研究

話すタスクと書くタスクに見る日本語のバリエーション―日本語学習者コーパスI-JASの分析に基づいて―
迫田久美子

年齢と環境要因による習得プロセスの違い―コーパスから探る習得順序―
橋本ゆかり

あとがき―学習者コーパスと日本語実用言語学国際会議―
南 雅彦

執筆者紹介
著者紹介
野田尚史(のだ ひさし)
大阪外国語大学大学院外国語学研究科修士課程修了(1981年)。博士(言語学)。現在,国立国語研究所教授。著書に『日本語教育のためのコミュニケーション研究』(編著,くろしお出版,2012),『コミュニケーションのための日本語教育文法』(編著,くろしお出版,2005),『日本語学習者の文法習得』(共著,大修館書店,2001)などがある。

迫田久美子(さこだ くみこ)
広島大学大学院教育学研究科博士課程後期修了(1996年)。博士(教育学)。現在,広島大学特任教授。著書・論文に「非母語話者の日本語コミュニケーションの工夫」(『日本語教育のためのコミュニケーション研究』くろしお出版,2012),「プロフィシェンシーを支える学習者の誤用」(『プロフィシェンシーを育てる』凡人社,2008),『日本語教育に生かす第二言語習得研究』(アルク,2002)などがある。