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観光言語を考える

山川和彦[編]

定価
2,640円(2,400円+税)
ISBN
978-4-87424-837-9 C1080
発売日
2020/6/25
判型
A5
ページ数
232頁
ジャンル
言語政策 ― 言語政策入門
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紀伊國屋書店 丸善・ジュンク堂書店・文教堂

外国人観光客が増える中、交通機関やホテルの多言語表示だけではもう間に合わない。「観光先進国」日本にふさわしい言語観とは。観光現場の言語対応、地域変容などを紹介し、「観光言語学」確立の可能性を探る。観光学に携わる人に。

■「はじめに」より
観光は非日常的な空間への移動をともなうため、そこでは必然的に異文化との接触、交流が生じま・・・(全文を読む)す。つまり、「観光」と「言語」が密接に関係してくるわけです。言語を用いたコミュニケーションの取り方、言語の社会性や言語を使う権利(言語権)などは、外国人、日本人の区別なく考えるべき観光と言語のテーマといえます。日本が観光先進国をめざし、観光を深化させていくには、この根源的な問題領域と向かい合う必要があるのです。このような思いから本書を企画し、観光現場に赴いて研究をされている方々にご執筆いただきました。
観光学とその関連領域に関わっている学生の皆さんに、そして日々観光の現場に立っている方々や、マネジメントをしている方々にとって、本書が日常の問題解決のヒントになればと願っております。

関連情報
【書評・紹介】
山川和彦編『観光言語を考える』の書評が『観光ホスピタリティ教育』(第15号)に掲載。評者は、林千賀氏(城西国際大学)。
「今後、観光客の多様化に伴い人材育成のあり方も多様化するであろうという視点に加え、具体的事例などを盛り込んだ本書は、大変、興味深い」
https://jsthe.org/joumal
目次
巻頭対談
日本の観光と多言語対応
ポール・ハガート(聞き手:山川和彦)

第1部 観光現場の言語に何が起こっているのか

第1章
言語景観とは何か ―まちにあふれる言語―
山川和彦・藤井久美子

第2章
観光地における言語対応 ―まちなかの取り組み―
藤田玲子・本田量久

コラム① 山と山旅のことば 橋内武

第3章
観光接触場面における日本語 ―人気旅館からの考察―
加藤好崇

第4章
タイ英語学習のすすめ ―観光コミュニケーションの考え方―
渡辺幸倫・宮本節子

第5章
観光と地域変容 ―ニセコ観光圏の事例―
山川和彦

コラム② 奄美大島の観光と言語 橋内武

第2部 観光を深化させる言語政策

第6章
観光政策と言語
山川和彦

第7章
外国語ガイドをとりまく現状と課題
田中直子・藤田玲子・森越京子

第8章
1964年東京オリンピックの言語政策遺産
藤井久美子

コラム③ ピクトグラムと文字情報 橋内武

第9章
観光と言語のバリアフリー
あべ やすし

第10章
海外における観光教育と言語
高民定・藤井久美子・山川和彦

コラム④ 学生の地域活動と観光 村田和代

第3部 観光言語の将来

第11章
観光資源としての言語 ―奄美から「戦争の記憶」まで―
橋内 武(聞き手:山川和彦)

第12章
観光言語学は成り立つのか ―移民言語から観光言語へ―
庄司博史(聞き手:藤井久美子・山川和彦)
著者紹介
山川 和彦(やまかわ かずひこ)
麗澤大学外国語学部教授。日本言語政策学会会長。筑波大学大学院地域研究研究科修了。西武百貨店旅行事業部、水戸芸術館を経て現職。専門は、観光と言語の関連領域研究、言語政策(イタリア・南チロルなど)。学生・留学生の観光インターンシップ、地域との連携実習を実践している。共著に『多言語主義社会に向けて』(くろしお出版)、『ヨーロッパ(講座世界の先住民族 ファースト・ピープルズの現在)』(明石書店)、『ウィーン・オーストリアを知るための57章[第2版]』(明石書店)などがある。