- 文法
- 日本語教授法
一歩進んだ日本語文法の教え方2
庵功雄[著]
- 定価
- 1,650円(1,500円+税)
- ISBN
- 978-4-87424-784-6 C1081
- 発売日
- 2018/11/30
- 判型
- A5
- ページ数
- 184頁
- 重量
- 266g
- ジャンル
- 日本語教育 ― 日本語教師参考書
- オンライン書店
- amazon.co.jp 楽天ブックス
好評の前作に続き、本書は中級編にあたる。ボイス表現、「は」と「が」、「のだ」など、ある程度、知識を積み上げなければ産出まで持っていくことが難しい項目を取り上げる。「用語編」では、日本語学の諸概念を体系的に説明し、「発想編」で、文法教育に関する筆者の考え方を述べる。
- 追加情報
- 【誤植・修正】
第1刷→第2刷(2020年12月)
≪≫内が修正箇所
・p.90 図1
第1刷:2)述語は動詞で「いつも」の意味ではない
第2刷:2)述語は動詞で「いつも」の意味ではない≪肯定形≫
・p93 09行~13行
第1刷:
次に,11bに≪ついてですが≫,形容詞文や名詞文は通常,話し手の判断を表す判断文にな≪ります≫(仁田 1991)。≪したがって,≫中立叙述の「が」が使えるためには述語は動詞でなければなりません。≪さらに,動詞であっても,次のように≫「いつも」の意味になる場合は主語の属性を表す属性叙述文(益岡 1987)になるので,「いつも」の意味ではないことが必要です。
第2刷:
次に,11b≪ですが≫,形容詞文や名詞文は通常,話し手の判断を表す判断文にな≪るため≫(仁田 1991),中立叙述の「が」が使えるには述語は動詞でなければなりません。≪動詞でも,≫「いつも」の意味になる場合は,主語の属性を表す属性叙述文(益岡 1987)になるので,「いつも」の意味ではないことが必要です。≪また,否定文では「は」が使われるので,肯定形でなければなりません。≫
- 目次
- 第1部 文法項目を導入するときに考えるべきこと
1 コップの水は多い? 少ない? ~とりたて助詞~
2 実はとても簡単~使役受身~
3 たすきがけは不要~直接受身~
4 例文に注意しよう~使役~
5 ドアは勝手に閉まるの? ~自他~
6 気づかれていない難しさ~タ形とテイタ形~
7 「受難」の「んです」を救い出そう~のだ(1)~
8 文末に接続詞がある!? ~のだ(2),わけだ,からだ~
9 本当に難しいの? ~「は」と「が」(1)~
10 本当は簡単! ~「は」と「が」(2)~
第2部 用語編
1 言語の単位と文の種類
2 格とその関連概念
3 文法カテゴリーと複文
第3部 発想編
1 文法教育の目的
2 文と文法1~ことばを作る横糸と縦糸~
3 文と文法2~文法を習得するとは? ~
4 機能から考えよう
5 日本語教育文法と教授法~WhatとHowの望ましい関係に向けて~
- 著者紹介
- 庵 功雄(いおり いさお)
大阪府出身。大阪大学大学院文学研究科博士課程修了。博士(文学)。大阪大学助手,一橋大学講師,准教授を経て,一橋大学国際教育交流センター教授。専門は日本語教育文法,日本語学,テキスト言語学。
[主な出版物]
『やさしい日本語―多文化共生社会へ』(岩波書店),『日本語におけるテキストの結束性の研究』(くろしお出版),『留学生と中学生・高校生のための日本史入門』(晃陽書房),『にほんごこれだけ1・2(監修)』(ココ出版),『新しい日本語学入門(第2版)』『初級を教える人のための日本語文法ハンドブック(共著)』『中上級を教える人のための日本語文法ハンドブック(共著)』(スリーエーネットワーク),『日本語教育文法のための多様なアプローチ(共編著)』(ひつじ書房)など,日本語学・日本語教育に関する執筆多数。