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作品詳細

ISBN:978-4-87424-453-1 C0081
ぼいすふろむじゃぱん
Voices from Japan - ありのままの日本を知る・語る
定価: 1,890円
表紙
著者名 永田由利子 著 著書検索
発売日 2009年10月10日
ジャンル 日本語教育
判型 B5/90頁
日本の普通の若者は、結婚や仕事や将来のこと、どう考えてる?
繁栄の影でホームレスも増加、彼らの本音は?
このほか、留学生、フリーター、会社員、漁師、在日韓国人等々、
著者が日本全国を周って様々な人のリアルな声を集めた
新しいタイプのディスカッション用素材集。
現代社会における国境を越えた多くの課題や価値観を、
41のストーリーを通して学習者が等身大で考え語り合える。
「内容確認タスク」や「リサーチタスク」で日本社会を深く知ると同時に、「ディスカッション」で意見を話す能力を伸ばす。

目次
[テーマ1]人生について、働くことについて
〜LIFE & WORK〜
Story 1:何のために稼ぐのか
Story 2:ごく普通に平凡に
Story 3 :夏休みは徹底的にバイト
Story 4:寝ない日が二日ぐらいあることも
Story 5 :何が普通なのや
Story 6:ささやかな夢
Story 7 :好きでホームレスやっていないよ

[テーマ2]家族について
〜FAMILY〜
Story 7:家族が一番大事
Story 8:母だけにカムアウト
Story 9:鍵っ子多かったです
Story 10:もう家族との暮らしには戻れない

[テーマ3]結婚について
〜MARRIAGE〜
Story12 :結婚は遅くていいかな
Story13:補える関係がいいですよね。
Story14 : 全部50:50で
Story15:結婚後の苗字は?

[テーマ4]教育について
〜EDUCATION〜
Story16:躾は先生より先輩から
Story17:学級崩壊までは行かなかったけど
Story18:大学4年間で私は何を
Story19 :学生らしい学生
Story20:厳しい受験勉強

[テーマ5]言葉について
〜LANGUAGE MATTERS〜
Story21:カワイイって言いすぎ
Story22:曖昧表現とかいっぱい
Story23:最近はもう全部メールで
Story24:嫌いな言葉
Story25:訛ったほうがいいよ

[テーマ6]若者と社会
〜YOUTH & SOCIETY〜
Story 26 :高校生なのに
Story 27 :誰の責任?
Story 28 :キレる時ありましたよ、俺。
Story 29 :死ぬ前にやめてよかったス
Story 30:まわりの目があるから
Story 31:一個ももらえなかったことあった
Story 32:男だってきれいになりたいし
Story 33:言うだけっていう感じ

[テーマ7]文化の狭間で
〜BETWEEN CULTURES〜
Story 34:先入観に縛られないで欲しいなあ
Story 35:日本と韓国がミックス
Story 36:うまくコミュニケーションとれない
Story 37:「ちょっとならいいじゃん」って言わないで

[テーマ8]地域について
〜COMMUNITY〜
Story 38:Uターンで戻って
Story 39:島に残った人は10人ぐらい
Story 40 :ゴミの島とか言われて
Story 41 :売れんようなってしもうた

著者からのコメント
まえがきより:
『Voices from Japan: ありのままの日本を知る・語る』は、日本で生活している人々の生の声を収録した、ディスカッション用の素材集である。
本教材は中級〜上級レベルを対象としている。本書は、働くこと、生き方、親子関係、結婚や教育など、身近な話題を提供しているので、専門知識がなくても、学習者が自分自身の経験と照らして、それらの問題について気軽にクラスメートと話したり、考えたりできるように配慮してある。また、内容もステレオタイプに陥らないように、地域・登場人物・トピックに多様性を持たせるよう配意した。
学習者はこの教材に現れる内容をめぐって、クラスメートと意見交換しながら、日本語によるコミュニケーション能力を伸ばしていくことができる。また、本書が日本語能力ばかりでなく、それらの問題について、学習者がさらに考察し、問題意識を持ち、展開させていく力を育むことの一助となることができればと願う。
本書に登場する人たちの声は、インタビューあるいはEメールの中から抽出したものであり、ひとつひとつを「Story(ストーリー)」という名称で紹介している。著者は、このインタビュー取材にあたって、本州は最北端にある下北半島から、瀬戸内海に浮かぶ孤島まで、日本全国11ヶ所を廻り、これらのストーリーを収録した。インタビューの中には、ときに路上で前触れなく直撃的に行ったものもあるが、ほとんどは紹介者を通じて事前に連絡をとり、家庭、大学の構内、職場、レストランなどで行ったものである。
福島大学のキャンパスで放課後に会った4人の学生とは、親子関係や自立、結婚や理想の相手について2時間にわたって意見を交わした。愛知県では、インドネシア人の夫を持つ日本人女性水田さんにお会いした。水田さんは日本でイスラム教徒として暮らすことの難しさを切々と語ってくれた。また、同じ愛知県に住む聴覚障害者のKazuoさんとは、長期にわたりEメールの交換をした。本書には、それらの文章の中からストーリー性のある部分を抜粋して収録してある。東京では、難民として日本に定住したベトナム人フォンさんが、言葉や親子関係について語ってくれた。
上記のように、ストーリーに表現される視点は、とりわけ「日本的」というわけでもなく、個性豊かで、国境を越えて多くの社会に共通する現代的課題を含んでいる。著者は、学習者が触れる「文化」とは、必ずしも日本の政治や歴史といった(従来の「日本事情教育」で扱われてきたような)静態的・体系的知識ばかりではなく、もっと動態的なもの、すなわち自分たちと等身大の、血の通った「人間」の営みや想いであるということに、この素材集を通じて気づいてくれればと願っている。
本書では、生の話し言葉を本文に使っているため、内容が断片的になりがちで、言葉もたどたどしく、言葉の形としても不完全であることが多い。この意味で、日本語テキストとしては、従来にない新しい試みであるといえる。敢えてこのような素材やスタイルを採用した理由は、論説やエッセイのような書き言葉に比べ、話し言葉は学習者を身構えさせず、より短い時間で中心テーマに到達できると考えるからである。この教材を通じて、学習者は徐々にディスカッションへの自信を育てていくものと確信する。そして、自信がつけば、表現力も自ずとついてくるはずである。日本語教育の現場は、長い時間をかけて、著者にそのことを教えてくれた。

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