児童文学批評の新地平 2
〈共感〉の現場検証
児童文学の読みを読む
西山利佳[著]
- 定価
- 2,420円(2,200円+税)
- ISBN
- 978-4-87424-537-8 C0095
- 発売日
- 2011/11/11
- 判型
- 四六
- ページ数
- 288頁
- ジャンル
- その他 ― <児童文学批評の新地平>
感動とはなにか。読後の「心地よさ」に抵抗して、その「感動」の正体を探る。雑誌『日本児童文学』編集長でもある著者が、「児童文学」への批評的な関心により執筆してきた、書きおろしを含む21篇を収録。
<児童文学批評の新地平>
『おしいれのぼうけん』などの作家として知られ、児童文学論の第一人者でもある古田足日氏、雑誌『日本児童文学・・・(全文を読む)』の編集長の西山利佳氏、本作品で日本児童文学者協会新人賞を受賞した奥山恵氏が、現代児童文学について論じた評論集。全3巻(完結、品切あり)。
関連情報
- 目次
- ■Ⅰ 九〇年代からゼロ年代へ
1 いわゆる「ボーダーレス」作品の言葉をとらえる試み――<ばなな的香織のことば>を中心に
2 戦後五〇年・児童文学の対<子ども>意識メモ
3 「共感」の現場検証――『夏の庭』『宇宙のみなしご』『西の魔女が死んだ』に感動したあなたへ
4 透明な不安から身体の手応えへ
5 生き残りの生き方
6 再び地に足をつけるゼロ年代児童文学への期待――続・透明な不安から身体の手応えへ
■Ⅱ 意識的に読む
7 「児童文学」の「意識」としての児童文学批評が児童文学を鍛えるということについて
8 総天然色の人生とセピア色の悲しみ――<生きる>の書き手、日比茂樹
9 外へ「放す」こと――あるいは「語り」への信頼
10 <自然>指向の甘いわな
11 終わらない・終わりたい・終わる・終わればぁ?――現代日本児童文学「終わり」考
12 実感体感「歯型」考
13 厳然 VS もやもや――岩瀬成子作『朝はだんだん見えてくる』×伊藤遊『えんの松原』
■Ⅲ 「世界」と児童文学の間で考える
14 児童文学は「わたし」と世界をつなげるか――「加藤典洋」を児童文学論として読む
15 『わたしたちのアジア・太平洋戦争』体験から児童文学を考える
16 『あのころはフリードリヒがいた』『弟の戦争』合評研究会後記
17 『まぼろしの犬』おわりの発言
18 戦争児童文学を概観する
19 もしもしと呼びかけ続けて――『りかちゃんの国語科通信』(梨の木舎)という伝え方
20 上橋菜穂子『獣の奏者』を新しい戦争児童文学として読む
21 子どもの貧困にきく児童文学
- 著者紹介
- 『日本児童文学』編集長、「子どもの本・九条の会」運営委員。
1961年宮崎県高千穂町生まれ。86年、東京学芸大学大学院修士課程修了。著書に『りかちゃんの国語科通信―出産、子育て、南米の旅の巻』(梨の木舎 2008年)。共編著書として『わたしたちのアジア・太平洋戦争』全三巻(童心社 2004年)など。