グローバル化社会と言語教育

久保田竜子著作選 1
グローバル化社会と言語教育

クリティカルな視点から

久保田竜子[著] 奥田朋世[監訳]

定価
2,860円(2,600円+税)
ISBN
978-4-87424-668-9 C3082
発売日
2015/8/27
判型
A5
ページ数
224頁
ジャンル
英語教育・英語学習 ― <久保田竜子著作選>
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紀伊國屋書店 丸善・ジュンク堂書店・文教堂

日本の英語教育と北米の日本語教育に関わってきた北米在住の応用言語学の専門家が、今後の外国語教育はどうあるべきかについて、クリティカルな視点から行ってきた分析・提言を日本語化。言語教育に関心がある全ての人にお勧め。


<久保田竜子著作選>
■久保田竜子 編 奥田朋世 監訳
日本の英語教育と北米の日本語教育に長年携わってきた、米・・・(全文を読む)国在住の応用言語学の専門家が、アメリカでクリティカルな視点から発表し続けてきた論文のうち16編を厳選して翻訳し、まとめたシリーズ。日本語教育、英語教育の関係者にとって示唆に富んだ必読書。全2巻(完結)。

関連情報

目次
第 1 部 多様性社会における英語

■第1章 グローバル化が日本の言語教育に及ぼすインパクト
はじめに
1. 日本における民族と言語の多様性
2. 国際化の言説
3. 1980年代と1990年代における国際化と教育改革
4. 日本の学校における外国語教育
5. 他言語話者に対する日本語教育での日本文化と言語
6. 英語化に対する抵抗と批判
7. 結論

■第2章 「国際語としての英語」をめぐる政治
     ―英語とその他の言語を媒介とした越境コミュニケーションに向けて―
はじめに
1. 規範主義に対する挑戦―「国際語としての英語」への多元的アプローチ―
2. 反規範的パラダイムに対する批判
3. 「国際語としての英語」を疑問視する
4. 英語と多言語を媒介とした越境コミュニケーションの教育に向けて
5. 結論

■第3章 日本における移民・多様性・言語教育
     ―英語教育のグローカル・アプローチにむけて―
はじめに
1. 「英語=グローバル・リンガフランカ(共通語)」言説
2. 日本における多様性
3. 言語的ニーズ―葉州そして海外での経験から―
4.「英語教育のグローカル・アプローチ」に向けて
5.結論

■第4章 言語道具主義への問い
     ―英語・新自由主義・日本における言語テスト―
はじめに
1. 新自由主義的言説・人的資本・スキル
2. スキルという需要の構築―言語政策とテスト業界―
3. 単なる言語道具主義を超えて
4. 調査地と方法
5. もがいて,もがき続ける―カズオの場合―
6. 矛盾する職場での英語の役割―ダイチの場合―
7. 英語と経済的損失―ミサキの場合―
8. どの程度英語は使われているのか,そして必要なのか―熟練社員たち―
9. 「行けばなんとかなる」―管理職の視点―
10. 議論
11. 結論―言語教育に向けて―

■第5章 余暇活動と消費としての外国語学習
     ―楽しみ・願望・ビジネス英会話を考える―
はじめに
1.想像の共同体と投資としての言語学習
2.余暇活動と消費としての言語学習
3.研究目的・調査地・データ収集方法
4.英会話授業の概要
5.趣味としての言語学習
6.恋愛的「あこがれ」としての言語学習
7.英会話・白人性・ネイティブスピーカーの商品化
8.考察

■第6章 グローバリゼーションと日本の地方における語学学習
     ―地域の言語エコロジーの中での英語の役割―
はじめに
1.英語の役割を再考する
2.調査地とその背景
3.考察
4.本研究が示唆すること


第 2 部 日本語教育のクリティカルなアプローチ
■第7章 批判的アプローチによる日本語・日本文化の指導
はじめに
1.「間違って発音されている日本語の単語
2.批判的応用言語学
3.批判的教育学
4.日本語を再考する
5.「日本人」を再考する
6.日本文化を再考する
7.批判的教育学と批判的応用日本語学への視座

■第8章 戦争の記憶
     ―被害・加害関係の視座を問う批判的内容重視の日本語教育―
はじめに
1.本章のテーマと目的
2.被害・加害関係
3.内容重視の日本語教育: 批判的省察の可能性
4.原爆と加害
5.カナダの原爆をめぐる加害責任
6.福島の原発事故
7.教科書の中の戦争と平和
8.授業のアイデア
9.結論

参考文献
翻訳協力者紹介
著者・監訳者紹介
著者紹介
著者:久保田竜子(くぼた りゅうこ)
ブリティッシュコロンビア大学教育学部、言語リテラシー教育学科教授(カナダ)。
立教大学文学部英米文学科学士号、School for International Training (米国)英語教育修士号、トロント大学オンタリオ教育研究所博士号取得。
1980年代には長野県・神奈川県の公立中高の英語教諭を勤め、1992年からモントレー国際大学院(米国)、1995年からノースカロライナ大学チャペルヒル(米国)で日本語および第二言語としての英語の教師教育と日本語教育に携わる。
2009年から現職。著作としてRace, culture, and identity in second language education: Exploring critically engaged practice (共編)New York: Routledge (2009)、Demystifying career paths after graduate school: A guide for second language professionals in higher education (共編)Charlotte、 NC: Information Age Publishing (2012)、 その他多数の論文がある。

監訳者:奥田朋世(おくだ ともよ)
ブリティッシュコロンビア大学教育学部言語リテラシー教育学科博士後期課程在籍。
著作として、Confronting language myths, linguicism, and racism in English language teaching in Japan(共著) P. Bunce, R. Phillipson, V. Rapatahana, & R. Tupas (編)、Why English? Confronting the Hydra. Bristol, UK: Multilingual Matters印刷中)、Beliefs about language learning, learning strategy use, and self-efficacy/confidence of EFL learners with and without living-abroad experience (共著)Sophia Linguistica, 59(2012)、ベーシックプログレッシブ英和・和英辞典(共同執筆)小学館(2010)などがある。

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