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読んで考える日本語 10のトピック 中上級

森美子[著]

定価
2,420円(2,200円+税)
ISBN
978-4-87424-908-6 C0081
発売日
2022/6/30
判型
B5
ページ数
180頁 + 別冊36頁
ジャンル
日本語教材 ― その他の日本語教材
オンライン書店
amazon 楽天ブックス 紀伊國屋書店 丸善ジュンク堂書店  e-hon 

日本人向けに書かれた「生の」文章を軸に、読解、語彙・表現練習、ディスカッション、考察、表現活動などを通して、日本語の分析力と運用力を養う。漢字、敬語、カタカナ語など「日本語」をテーマとした読み物で楽しく学べる。

■「本書のねらい」より
本書は、中上級レベルの学習者が日本語について学びながら、日本語力を向上させることを目的とし・・・(全文を読む)ています。日本の言語学者が一般向けに分かりやすく論じた「生の」文章を軸として、学習者が日本語をめぐる数々の問題について考え、ディスカッションし、発信する中で、言語文化に対する意識を高めることがねらいです。
(中略)
ある程度日本語の知識のある学習者が、それまでばらばらに覚えてきたことをまとめ、新たな問題意識をもって日本語に取り組める機会を提供します。同時に、読解、語彙・表現練習、ディスカッション、考察、表現活動と、段階的に学習を発展させることで、言語知識と運用力をバランスよく伸ばします。このような分析力と言語力を養うことで、自分で学習課題を立て、様々な学習ツールを使いながらも自力で日本語力を伸ばしていけるような自律した学習者を育てることをめざします。

関連情報
【誤植・修正】
第1刷に誤植・修正がありました。お詫びして訂正いたします。

●本冊 p.153
事実/意見を引用し支持する
1 語彙
・~に賛成(する) (誤)to disagree(正)to agree
・~を支持(する) (誤)to counter argue(正)to support
・~に同意(する) (誤)one's opinion, claim(正)to agree with


●別冊「解答例」p.3
第2課 日本語らしい表現とは?
読む前に考えてみよう
2.③
(1)
(誤)「はい、行きません」  (正)「いいえ、行きます」
(2)
(誤)「いいえ、行きます」  (正)「はい、行きません」


●別冊「単語リスト」p.15
(誤)第3課 日本語らしい表現とは? (正)第3課 ことばは文化を表す
目次
第1課 言葉に敏感になろう
 読み物:大野晋「意味の違い目を見る」『日本語練習帳』岩波書店1999

第2課 日本語らしい表現とは?
 読み物:金田一春彦「他人への考慮」『日本語 新版(下)』岩波書店1988

第3課 ことばは文化を表す
 読み物:鈴木孝夫「太陽と月」『日本語と外国語』岩波書店1990

第4課 漢字について考えよう
 読み物:阿辻哲次「漢字の数/部首の不思議」『漢字再入門』中央公論新社2019

第5課 敬語を学ぼう
 読み物:菊地康人「敬語の種類」『敬語再入門』講談社2021

第6課 カタカナはどんなときに使われる?
 読み物:秋月高太郎「ココはカタカナで書くしかないデショ?」『ありえない日本語』筑摩書房2005

第7課 擬音語・擬態語はおもしろい
 読み物:山口仲美「擬音語・擬態語に魅せられる」『犬は「びよ」と鳴いていた』光文社2002

第8課 ことばは変化する
 読み物:井上史雄「ラ抜きことばの背景」『日本語ウォッチング』岩波書店1998

第9課 方言を見てみよう
 読み物:大西拓一郎「「行くだ」「言うだ」のような言い方」『ことばの地理学』大修館書店2018

第10課 これからの日本語
 読み物:庵功雄「マインドとしての〈やさしい日本語〉」『〈やさしい日本語〉と多文化共生』ココ出版2019

巻末 表現を使おう
 文法用語/日本史時代区分 ニュースを伝える
 表やグラフを説明する
 比較・対比する
 事実/意見を引用し支持する
 事実/意見を引用し反論する
 異なる見解を考察した上で自分の意見を述べる
 インタビューし、その結果を報告する
 アンケート調査をし、その結果を報告する
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著者紹介
森 美子(もり よしこ)

現職:ジョージタウン大学東アジア言語文化学部准教授、日本語プログラム主任

略歴:南山短期大学英語学科、南山大学外国語学部英米学科卒業。愛知県と東京都で高校の英語教諭を勤めた後、渡米。オハイオ大学言語学部大学院で修士号、イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校教育学部教育心理学科大学院にて博士号を取得。専門は、心理学的見地から見た第二言語習得。日米合わせて30年以上言語教育に携わっている。Foreign Language Annals 編集委員(2017-present)、全米日本語教師会副会長(2016-2017)、中部大西洋岸日本語教師会共同会長(2020-2021)。

著書:『親と子をつなぐ継承語教育―日本・外国にルーツを持つ子ども―』(共著、くろしお出版2019)、『アメリカで育つ日本の子どもたち―バイリンガルの光と影―』(共著、明石書店2008)、『言語教育の新展開―牧野成一教授古希記念論集―』(共著、ひつじ書房2005)、『第二言語習得研究への招待』(共著、くろしお出版2003)など。また、語彙・漢字習得、言語学習と個人差、メタ認知知識、多言語習得、テクノロジーを導入した日本語教育などに関する論文をReading Research Quarterly, Language Learning, Modern Language Journal, Applied Psycholinguistics, Foreign Language Annals, Language Teaching, Japanese Language and Literatureなどに多数発表している。