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映画でひもとく英語学

倉田誠[編]

定価
2,420円(2,200円+税)
ISBN
978-4-87424-917-8 C1082
発売日
2022/11/25
判型
A5
ページ数
260頁
ジャンル
言語学・英語学 ― 英語学入門
オンライン書店
amazon.co.jp 楽天ブックス
リアル書店在庫
紀伊國屋書店 丸善・ジュンク堂書店・文教堂

英語学で扱われる基本的な109の項目を「あのシーンで使われた英語」で学ぶ。挫折することなく知りたい知識にアクセスできる一冊。音声データ付。

※本書の前身として『映画で学ぶ英語学』(2011年)があり、項目の取捨選択・追加を行い、例文や解説、レイアウトを一新、大学入試問題からの用例や音声データを加えたものが本書となります。

・・・(全文を読む)■目次
1章 英文法と語法
1. ことばの選択制限について―多くの学習者が使えていない辞書の実践情報―
2. 動詞developの意外な使い方―良いものも悪いものも何でも「目立たせる」―
3. 固有名詞に冠詞が付く原理―冠詞のロジックは普通名詞でも固有名詞でも同じ―
ほか

2章 音声学
1. 標準米語と標準英語―発音の違い―
2. オーストラリア英語の特徴―米発音との違い―
3. リエゾン:音の連結―わけのわからない音の塊の正体―
ほか

3章 形態論と音韻論
1. 第1類接辞―基体の音韻情報に影響を与える接辞―
2. 接尾辞とアクセント―接尾辞で決まるアクセントの位置(1)―
3. 自ら強勢を担う接尾辞―接尾辞で決まるアクセントの位置(2)―
ほか

4章 統語論
1. 分裂文―いわゆるit … thatの強調構文―
2. 擬似分裂文―強調したい表現が文末に現れる文―
3. 様々な文型の受動文―be動詞+過去分詞形+by句以外の形の受け身―
ほか

5章 意味論と構文文法論
1. Go+ -ing―体の動きが大切な表現―
2. 変化を表すGoとCome―「ある状態」から「別の状態」に「なる」を表す移動動詞―
3. 軽動詞構文―補助役のhaveとtake―
ほか

6章 言語と文化
1. 三人称単数の人称代名詞they―ジェンダー・ニュートラルな英語の一例―
2. 性差撤廃の一例―ジェンダー・フリーな職業名への移行―
3. フレーム―経験から得られる背景知識の枠組み―
ほか

■編者・執筆者
編者
倉田 誠 京都外国語大学教授

編集委員
飯田泰弘 岐阜大学准教授
石原健志 大阪星光学院中学・高等学校教諭
福嶋剛司 北洋大学講師
吉川裕介 京都外国語大学准教授

執筆者
植田尚樹 北洋大学講師
衛藤圭一 京都外国語短期大学講師
小谷早稚江 帝塚山大学准教授
田畑圭介 神戸親和女子大学教授
仁科恭徳 神戸学院大学教授・英国オックスフォード大学客員教授
野中泉 東北医科薬科大学教授
平井大輔 近畿大学教授
松井夏津紀 京都外国語大学非常勤講師
三村仁彦 京都外国語大学非常勤講師
森山智浩 近畿大学准教授

関連情報
【テキスト採用】
大学や高校の授業等でテキスト採用してくださる先生に、追加例文をまとめた教授資料(PDF)を用意しています。
ご希望の方は、下記ページからお申し込みください。
https://www.9640.jp/textbook/desk-copy/

【書評・紹介】
ATEM(映像メディア英語教育学会)のニュースレターにて書評が掲載(2023年5月No.44:書籍紹介)。評者は辰巳遼氏(京都外国語短期大学)。「コンテクストを理解した上で「生きた」表現を学ぶという視点から見れば、英語学の専門家だけでなく、英語学を専門としない人こそ活用できる本ではないでしょうか」。
http://www.atem.org/images/pdf/ATEM_NL44.pdf
目次
1章 英文法と語法
1. ことばの選択制限について−多くの学習者が使えていない辞書の実践情報−
2. 動詞developの意外な使い方−良いものも悪いものも何でも「目立たせる」−
3. 固有名詞に冠詞が付く原理−冠詞のロジックは普通名詞でも固有名詞でも同じ−
4. 代名詞のone−1つではないoneの用法−
5. 節の代用を担うso/not−節を指す代名詞的役割−
6. be different {from/than/to} Xの再考−注視が必要な米変種のbe different than X−
7. no+比較級+than−反義的な比較対象を要求する慣用表現−
8. 様態副詞−「どんな風に」は-ly副詞を使って表現−
9. 文副詞−話題に対する個人的見解を-ly副詞を使って表現−
10. フラット副詞−形を変えずに副詞になれる形容詞たち−
11. 分離不定詞−不定詞の仲を裂く副詞の存在−
12. have toとmust−客観性を表すhave toと主観性を表すmust−
13. ought to−話し手の焦燥感を表す助動詞−
14. BE X TO(1): be to−変数Xがゼロの構文−
15. BE X TO(2): be going toとbe about to−変数Xが決める2つの未来表現の意味−
16. BE X TO(3):be supposed toとbe bound to−変数Xが決める2つの義務表現の意味−
17. 現在形で表す未来−確定的未来を表す方法−
18. 現在進行形で表す未来−すでに下準備に入っていることを表す−
19. 未来進行形−主語や話し手の意図から切り離された未来の動作・状態−
20. speaking of Xの談話機能−荒業もできる話題転換と展開の仕掛け−
Linguistic Clapperboard:大きな数値の誤差を後付けで示す表現
 
2章 音声学
1. 標準米語と標準英語−発音の違い−
2. オーストラリア英語の特徴−米発音との違い−
3. リエゾン:音の連結−わけのわからない音の塊の正体−
4. 同化:隣接した2音で第3の音を作る−yと同化したひとかたまりの音−
5. 弾音化したt−音色を変えて,もはや別の音−
6. 弱形−母音の音色まで変えてしまう現象−
7. 語尾の発音されない閉鎖音−くせもの /t/−
8. 助動詞doの強調用法−否定的な想定を覆すdo−
9. 強意再帰代名詞−いなくてもいいけど,いるとその存在は大きい「名脇役」−
10. 対照強勢−いつもとは違う音調が対照を知らせる−
11. 問い返し疑問文−オウム返しで確認や意外感を表す−
12. 擬音語−英語は動詞で音を表す−
Linguistic Clapperboard:-neseや-teenの強勢は?

3章 形態論と音韻論
1. 第1類接辞−基体の音韻情報に影響を与える接辞−
2. 接尾辞とアクセント−接尾辞で決まるアクセントの位置(1)−
3. 自ら強勢を担う接尾辞−接尾辞で決まるアクセントの位置(2)−
4. 動詞に付く接頭辞−動詞の用法を変化させる要素:out-, re-を中心に−
5. 複合語−2つの単語が合体してできた語−
6. 混成語−2つの単語をツギハギしてできた語の形成法−
7. 頭字語−頭文字を並べて作った2種類の略語−
8. 押韻反復−類似の響きを持つ語を重ねることば遊び的な強調の方法−
9. 語彙反復−同一語句を繰り返して「典型的な…」を意味する口語の対比強調表現−
10. 受動態の響きのある名詞−意味も発音も一風変わった仏語系の名詞−
11. ゼロ派生の転換による動詞−動詞へと変貌を遂げる名詞と形容詞−
12. 逆成による名詞由来動詞−本来とは逆の「名詞⇒動詞」の語形成−
13. X+過去分詞形式の複合形容詞−受動文の諸要素を変数Xに代入する複合形容詞−
Linguistic Clapperboard:childやfootの複数形が不規則変化するようになった経緯

4章 統語論
1. 分裂文−いわゆるit … thatの強調構文−
2. 擬似分裂文−強調したい表現が文末に現れる文−
3. 様々な文型の受動文−be動詞+過去分詞形+by句以外の形の受け身−
4. 句動詞からの受動文−前置詞句や副詞句の目的語を主語にした受け身−
5. 中間構文−受動態の意味を表す能動態−
6. tough(難易)構文−主語に現れる目的語 (1)−
7. 遡及的動名詞構文−主語に現れる目的語 (2)−
8. 話題化−情報の流れをスムーズにする文法操作−
9. 転位−名詞(句)の移動と代名詞の挿入を組み合わせた文法操作−
10. 重名詞句転移−重い名詞句を後回しにする文法操作−
11. 名詞句からの外置−名詞句を2分割する文法操作−
12. 動詞句前置−原形動詞句を話題化移動した構文−
13. though移動−先行文脈を引き,前置し,自己主張につなげる譲歩−
14. 主語補語倒置−単なる文語表現ではなく,特殊効果のために反転させる文法操作−
15. 場所句倒置−文末主語に光をあてる構文−
16. 否定倒置構文−文頭に現れる否定辞−
17. 間接疑問文削除−削除される推測可能な節−
18. 多重wh疑問文−複数の疑問詞を含む疑問文−
19. 随伴と前置詞残留−wh-句に前置詞が伴う時・残る時? –
20. 前置詞+関係代名詞+to 不定詞−to不定詞が現れる関係節−
21. 数量詞遊離−離れた場所から名詞句を狙うallやboth−
22. 否定極性のlong−程度表現を伴えば否定・疑問環境だけの制限はなくなる−
Linguistic Clapperboard:意味をとる範囲によって文意が変わる表現

5章 意味論と構文文法論
1. Go+ -ing−体の動きが大切な表現−
2. 変化を表すGoとCome−「ある状態」から「別の状態」に「なる」を表す移動動詞−
3. 軽動詞構文−補助役のhaveとtake−
4. 2種類の心理動詞−「恐れている」? それとも「恐れさせられている」?−
5. 非能格動詞と非対格動詞−自動詞にも種類がある−
6. 目的語とto不定詞をとる動詞−「人に…してほしいと思う」系か「人に…すると約束する」系か−
7. there構文−存在と出現を表す用法:be動詞以外の動詞
8. 動能構文−行為が目的語に影響を及ぼすことに水を差すatやon−
9. 二重目的語構文−伝達・譲渡が確実に行われたことを示すSVOO文−
10. 与格構文−伝達・譲渡の方向をtoやforで示すSVOA文−
11. 自動詞移動構文−移動だけではなく様態も主役になる表現−
12. 動詞不変化詞構文−動詞の意味を補足する前置詞や副詞−
13. 他動詞移動構文−移動動詞を使わず人や物の移動を表す文型−
14. 使役構文−make, have, letの使役動詞とget−
15. 使役結果構文−結果の解釈を含意する使役構文−
16. 結果構文−行為と結果を単文で伝える効率的な表現−
17. one’s way構文−多彩な動詞と共に主語が辿る経路に焦点をあてる表現−
18. time-away構文−私的な時間をのんびり過ごす表現−
19. 穴あけ構文−衝撃力のある動詞+a hole/holes+3次元を表す前置詞句−
20. 描写述語−主語や目的語の状態を表す副詞ではない二次述語−
21. 強意句−誇張的な表現を使って程度のはなはだしさを伝える表現−
22. NPN構文−同じ名詞を繰り返した表現−
23. 度量句−物事を測る尺度に焦点をあてる副詞的名詞句−
24. 場所の目的語−偉業や困難性を含意する自動詞表現−
25. 場所格交替−前置詞句や目的語に現れる場所表現と意味の違い−
26. 焦点化詞修飾−離れた場所にあるものでも修飾するonlyやeven−
27. 身体部位所有者上昇構文−叩いたり蹴ったりするターゲットを2段階に分けて述べる表現−
28. 同族目的語構文−同じ意味の動詞と目的語で意味を深める表現−
29. JB-X DM-Y構文−相手の推論を否定しながら自分の主張につなげる表現−
Linguistic Clapperboard:使役動詞の分類−『アメイジング・スパイダーマン2』からの3使役動詞−

6章 言語と文化
1. 三人称単数の人称代名詞they−ジェンダー・ニュートラルな英語の一例−
2. 性差撤廃の一例−ジェンダー・フリーな職業名への移行−
3. フレーム−経験から得られる背景知識の枠組み−
4. メトニミー(換喩)−「大きなカツラ」が「重要人物」を表すのはなぜ?−
5. 死喩:姿・形を「投影」する言語活動−身体部位名詞の英単語活用術−
6. 存在のメタファー−姿・形のないものを存在物として捉える比喩−
7. 構造のメタファー−目標領域に具体的な構造を与える比喩−
8. 方向づけのメタファー−方向性の空間認識を活用する比喩−
9. 導管メタファー−「ことば」という容器に考えや意味を詰めて相手に送る比喩−
10. how come ... ?やwhy V ... ? −話者の感情を込めて理由を尋ねる疑問文−
11. 過去形を使った丁寧表現−時制をずらして一歩距離を置くことで丁寧さを表す−
12. 垣根ことばの機能を持つ条件節−枕詞のように添えられるif節−
13. 発話媒介行為−特定の解釈を伴う慣用表現−
Linguistic Clapperboard:心理的距離を表すthat−馴染みにないものに使える指示代名詞that−

参考文献
執筆者紹介
著者紹介
■編者
倉田 誠(くらた まこと)
1957年兵庫県生まれ。1982年米国インディアナ大学大学院言語研究科修了。映像メディア英語教育学会(ATEM)初代会長。現在、京都外国語大学教授。実践音声学および実践語彙指導に関するテキストを多数上梓。各地の教育委員会等で講演を行う。

■編集委員
飯田泰弘(いいだ やすひろ) 岐阜大学准教授
石原健志(いしはら たけし) 大阪星光学院中学・高等学校教諭
福嶋剛司(ふくしま つよし) 北洋大学講師
吉川裕介(よしかわ ゆうすけ) 京都外国語大学准教授

■執筆者
植田尚樹(うえた なおき) 北洋大学講師
衛藤圭一(えとう けいいち) 京都外国語短期大学講師
小谷早稚江(こたに さちえ) 帝塚山大学准教授
田畑圭介(たばた けいすけ) 神戸親和女子大学教授
仁科恭徳(にしな やすのり) 神戸学院大学教授・英国オックスフォード大学客員教授
野中泉(のなか いずみ) 東北医科薬科大学教授
平井大輔(ひらいだいすけ) 近畿大学教授
松井夏津紀(まつい なつき) 京都外国語大学非常勤講師
三村仁彦(みむら ひとひこ) 京都外国語大学非常勤講師
森山智浩(もりやま ともひろ) 近畿大学准教授