パラウク・ワ語

新刊

シリーズ記述文法 2
パラウク・ワ語

山田敦士[著]

価格
5,400円+税
ISBN
978-4-87424-829-4 C3380
発売日
2020/4/9
判型
A5
ページ数
360頁
ジャンル
言語学 ― <シリーズ記述文法>
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紀伊國屋書店 丸善・ジュンク堂書店・文教堂

中国、ミャンマー、タイの3カ国に渡って分布するワ語(オーストロアジア語族パラウン語派)のうち、中国雲南省南部に居住するエスニックグループによって話されるパラウク・ワ語を対象とした記述文法書。類型論的に孤立語タイプでありながら文法関係を示す標識となる語が少なからず機能する点で興味深いこの言語を、文法だけでなく音声・音韻や形態・品・・・(全文を読む)詞論、また複文構造に至るまで多数の例文を挙げながら記述・説明していく。孤立語研究のみならず一般言語学に寄与する知見も多く盛り込まれる魅力的な一冊。


<シリーズ記述文法>
執筆者自らが現地調査に赴き、そこで得た一次資料をもとに研究し明らかにした文法体系をまとめた、いわゆる少数言語の記述文法書のシリーズ。音韻論も含めた対象言語の文法全体を、専門性を保ちつつも当該言語の専門家でなくとも理解できるように記述する。

関連情報
【書評・紹介】
本書を主業績とした研究により、著者の山田敦士氏が北海道民族学会2019年度特別賞を受賞しました。
https://lingdy.aa-ken.jp/news/10749
目次
シリーズ刊行にあたって
略号一覧
形態別の一覧

第1章 パラウク・ワ語の概要
1.1 地域、言語系統
1.2 文字
1.3 先行研究
1.4 研究データ
1.5 本書の構成と研究方針
1.6 表記上の注意、略号など

第2章 音声・音韻
2.1 音節の構造
2.2 子音音素
2.3 声母C1(C2)-
2.4 母音音素
2.5 韻母-V1(V2)(C3)
2.6 超分節素
2.7 副次音節
2.8 イントネーション
2.9 その他の音韻現象
2.9.1 弱化
2.9.2 アクセント
2.9.3 連声
2.9.4 同化
2.9.5 脱落

第3章 形態論
3.1 語の構成
3.2 単純語
3.2.1 単音節単純語
3.2.2 多音節単純語
3.2.3 化石化した接辞を含むもの
3.2.4 母音交替によるもの
3.2.5 化石化した重複法をもつもの
3.3 派生語
3.3.1 接辞法による派生
3.3.2 重複法による派生
3.3.3 複合法による派生
3.4 随伴語
3.5 借用語
3.5.1 中国語からの借用語
3.5.2 タイ系言語からの借用語
3.5.3 その他の言語からの借用語

第4章 品詞論
4.1 先行記述
4.1.1 周・颜(1984)の品詞体系
4.1.2 赵・赵編(1998)の品詞体系
4.1.3 先行記述の問題点
4.2 本書で用いる品詞分類
4.2.1 山田(2017a)の品詞分類
4.2.2 助詞の下位分類

第5章 統語論における基本的概念
5.1 基本語順
5.1.1 動詞と項
5.1.2 動詞と副詞
5.1.3 名詞と関係節
5.1.4 名詞と名詞
5.1.5 動詞と動詞助詞
5.1.6 動詞と否定・禁止を表わす助詞
5.1.7 名詞と前置助詞
5.1.8 主節と従属節(副詞節)
5.1.9 従属節における語順
5.1.10 語順のまとめ
5.2 文の構造と文法成分
5.2.1 文と節
5.2.2 主語
5.2.3 目的語
5.2.4 斜格補語
5.2.5 述部と述語
5.3 文の分類
5.4 時制と態について

第6章 名詞と名詞句の構造
6.1 名詞句の構造
6.2 名詞の下位分類
6.3 普通名詞
6.3.1 主語として
6.3.2 目的語として
6.3.3 斜格補語として
6.3.4 従属助詞とともに
6.3.5 他の名詞の修飾要素として
6.4 固有名詞
6.4.1 主語として
6.4.2 目的語として
6.4.3 斜格補語として
6.4.4 従属助詞とともに
6.4.5 他の名詞の修飾要素として
6.5 代名詞
6.5.1 人称代名詞
6.5.2 指示代名詞
6.5.3 再帰代名詞
6.6 形式名詞
6.6.1 pa
6.6.2 cɛ
6.7 時間名詞
6.8 場所名詞
6.9 前置助詞と前置助詞句
6.9.1 kah
6.9.2 khaɲ
6.9.3 tɔm
6.9.4 mai
6.9.5 hɔt
6.9.6 jau
6.9.7 son
6.9.8 taŋ
6.9.9 khɔm
6.10 数名詞と類別助詞
6.10.1 具体数名詞
6.10.2 抽象数名詞
6.10.3 類別助詞
6.10.4 数量詞句
6.11 名詞助詞
6.11.1 kiʔ
6.11.2 kɛʔ
6.11.3 khen
6.12 関係節
6.13 コピュラ文
6.14 所有・存在文
6.14.1 ʔot構文
6.14.2 koi構文

第7章 動詞と述部の構造
7.1 動詞の下位分類
7.1.1 「意志動詞」と「無意志動詞」
7.1.2 「動態動詞」と「静態動詞」
7.1.3 「他動詞」と「自動詞」
7.1.4 動詞の実例
7.1.5 分類相互の関係
7.2 述部の構造
7.3 動詞連続
7.3.1 動詞連続の定義
7.3.2 動詞連続の分類
7.3.3 連結型動詞連続
7.3.4 介在型動詞連続
7.3.5 連結型、介在型の関係
7.3.6 動詞連続と外見が類似する構造
7.3.7 動詞連続と文法化
7.4 動詞助詞
7.4.1 文脈に関わるもの
7.4.2 極性に関わるもの
7.4.3 態度に関わるもの
7.4.4 様態に関わるもの
7.4.5 時間に関わるもの
7.4.6 可能性・義務性に関わるもの
7.4.7 動詞助詞まとめ
7.5 動詞複合体の一体性について

第8章 副詞
8.1 副詞の分類
8.2 後置副詞
8.2.1 擬態語・擬音語
8.2.2 慣用句的な後置副詞
8.3 接続副詞
8.4 感嘆副詞

第9章 助詞
9.1 副助詞
9.1.1 動詞に由来するもの
9.1.2 時間的なもの
9.1.3 それ以外のもの
9.2 従属助詞
9.2.1 語句を結ぶもの
9.2.2 節を結ぶもの
9.3 一般助詞
9.3.1 nɛh
9.3.2 kɔʔ
9.3.3 naŋ
9.4 文助詞
9.4.1 laih
9.4.2 yuŋ
9.4.3 lɛʔ
9.4.4 hɤi
9.4.5 pɔʔ
9.4.6 khɯ
9.4.7 ʔɔʔ

第10章 複文
10.1 複文の分類
10.2 副詞節
10.2.1 従属助詞による表示
10.2.2 動詞助詞による表示
10.2.3 副詞節の補足:接続副詞化
10.3 補節
10.3.1 主語相当の補節
10.3.2 目的語相当の補節
10.3.3 斜格補語相当の補節
10.4 等位節

第11章 その他の重要な文法現象
11.1 疑問文
11.1.1 名詞に属する疑問語
11.1.2 副詞に属する疑問語
11.1.3 選択疑問文について
11.2 否定文
11.2.1 否定のスコープ
11.2.2 否定と時間的概念
11.3 主題化
11.3.1 主題と遊離主題
11.3.2 部分的主題化
11.3.3 主題化と受動文的解釈
11.4 省略
11.4.1 前置助詞句に導かれた斜格補語
11.4.2 介在型動詞連続におけるV2の主語名詞句
11.5 等位接続
11.6 同格的名詞連続
11.6.1 人称代名詞と名詞による同格的名詞連続
11.7 類似並列法
11.7.1 語彙レベルでの実現の例
11.7.2 句のレベルでの実現の例
11.7.3 節レベルでの実現の例
11.7.4 文レベルでの実現の例
11.7.5 補足とまとめ

参照文献
あとがき
索 引
著者紹介
山田敦士(やまだ・あつし)
北海道大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。
雲南民族大学訪問研究(国際交流基金アジアセンターの助成事業)などを経て,現在,日本医療大学保健医療学部教授。
1998年より,中国雲南省およびタイ王国北部において,少数民族の言語文化に関する現地調査を行っている。
主な業績として,『中国雲南の書承文化:記録・保存・継承』(編著,勉誠出版,2019),『スガンリの記憶:中国雲南省ワ族の口頭伝承』(雄山閣,2009),Parauk Wa Folktales: 佤族巴饶克的民间故事(ILCAA,2007)などがある。

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