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第二言語習得について日本語教師が知っておくべきこと

小柳かおる[著]
定価
1,980円(1,800円+税)
ISBN
978-4-87424-831-7 C1081
発売日
2020/3/27
判型
A5
ページ数
176頁
重量
279g
ジャンル
日本語教育 ― 日本語教師参考書
オンライン書店
amazon.co.jp 楽天ブックス

外国語教育に役立つと言われている第二言語習得理論で、今どんなことが言われていて、日本語教育にどう生かせるのか。最新の知見を知って、教室活動を見直してみよう!

■「はじめに」より
 第1章では、学習者が習得すべき言語能力をどうとらえるべきか、また言語を使う、言語を学ぶとはどういうことなのかを考えます。第二言語習得を促進する教室活動を考えるにあたり、まずはおさえておきたいポイントです。
 第2章では、第二言語習得において、良くも悪くも学習者言語の発達に影響を及ぼす要因を考えます。学習者の発達段階には教師が介入して変えることができないプロセスが存在します。学習者自身が持つ特性(年齢、認知的能力や性格など)も習得に複雑に絡んでいます。また、教え方次第で学習成果が異なってくる可能性もあります。
 第3章では、第1章と第2章を踏まえた上で、教師が教室でできることを考えます。第二言語習得の知見に基づくと、教室活動の一つ一つに、なぜやるのかという意義を見いだすことができると思います。

追加情報

目次
第1章 第二言語習得(SLA)研究の意義
1. 学習者が習得すべき言語能力とは?
2. 言語を使うとはどういうことか?
3. 言語習得過程では何が起きているのか?
4. 外国語教育のあるべき姿とは?
5. 第二言語習得研究って何?

第2章 外国語の定着を阻む要因
1. 学習者の習得過程はみな同じか?
2. 学習者の言語は右肩上がりに発達するか?
3. 母語はどれほど干渉するのか?
4. 頭がいい人が外国語もできるのか?
5. 外国語学習の才能は存在するのか?
6. 外国語学習の適性は訓練可能か?
7. やる気があれば最後は言語習得に成功するか?
8. 学習者の動機づけを高めることは可能か?
9. 外国語の学習を始めるのは早ければ早いほどいいのか?
10. 学習者の性格や学習スタイルの好みは外国語学習に影響するか?
11. 教え方によって習得に差が出るのか?

第3章 教室で教師ができること
1. 教室でやるべきは、まず文法か?
2. 文法説明は必要か?
3. インプットは十分に与えられているか?
4. インプットとアウトプットはどちらが重要か?
5. 文法ドリルは習得を促進するか?
6. タスクって何?
7. ペアワークやグループワークは何のため?
8. 教師のフィードバックは有効か?
9. 正確さと流暢さ、複雑さのバランスをどう取るか?
10. 何をもって定着したと見なすか?
11. 4技能のバランスをどう取るか?
12. 習得を促進する教授法とは?
著者紹介
小柳 かおる(こやなぎ かおる)
上智大学言語教育研究センター/大学院言語科学研究科教授
著書に『日本語教育のための新しい言語習得概論』(単著,スリーエーネットワーク, 2004),『認知的アプローチから見た第二の言語習得(峯布由紀氏との共著, くろしお出版, 2016),『第二言語習得の普遍性と個別性』(向山陽子氏との共著, くろしお出版, 2018)など。