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新刊

「ことば」の学びに寄り添う日本語教育

「学習と人生のつながりの軸」の形成と意識化をめざして

山内薫[著]
定価
4,180円(3,800円+税)
ISBN
978-4-87424-893-5 C3081
発売日
2022/3/4
判型
A5
ページ数
336頁
ジャンル
日本語教育 ― 日本語教育専門書
オンライン書店
amazon.co.jp 楽天ブックス

将来「使うあてのない日本語」を学ぶフランスの日本語専攻学生は、学びをどのように意味づけ、自身の人生に位置づけるのか。彼/彼女らの移動性に注目し、その語りに迫る。生涯教育としての「ことば」の学びに携わるすべての人に。

■「あとがき」より
本書のテーマは、「ことば」の学びに寄り添う日本語教育です。現代の「モバイル・ライブズ」のなかに生きる外国語学習者が、大学時代及び大学という学習環境で「ことば」を学ぶ経験において、時間的・空間的に「移動」をしながら、「学習と人生のつながりの軸」を形成、及び意識化できることを支援する教育。そのような教育の必要性を、「ことば」の教育に携わる方々に伝えたいということが、本書の刊行の最も大きな目的です。

追加情報

目次
第1章 「日本語学習と人生のつながり」という問題設定
 1-1 教育再考における日本語専攻学生の視点の欠如
 1-2 外国語として日本語という「ことば」を学ぶということ
  1-2-1 使うあてのない外国語学習
  1-2-2 言語的道具としての「ことば」の学習
 1-3 「ことば」を学ぶということ
  1-3-1 「生きる活動」という視点
  1-3-2 「移動性」という視点
 1-4 「日本語学習と人生のつながり」の探究
  1-4-1 本書の枠組み
  1-4-2 本書の問題意識と質的研究法の関係
  1-4-3 フランスの日本語教育における調査・研究
 1-5 本書の目的
 1-6 本書の構成

第2章 「学習と人生のつながり」はどのように捉えられてきたか
 2-1 学習と人生のつながり
  2-1-1 生涯教育論における学習
  2-1-2 成人教育学における学習
  2-1-3 大学・高等教育学における学習
  2-1-4 社会文化的アプローチに基づく学習
 2-2 外国語学習と人生のつながり
  2-2-1 母語話者をめざす外国語学習
  2-2-2 複言語話者をめざす外国語学習
 2-3 本書の位置づけ
  2-3-1 本書における「学習と人生のつながり」の定義
  2-3-2 日本語教育における「学習と人生のつながり」論の意義

第3章 日本語専攻学生が置かれている日本語学習環境
 3-1 「日本」への関心とフランスの大学教育政策からみる日本語学習の開始
 3-2 フランスの大学の「大衆化」からみる日本語学習の継続
 3-3 フランスの言語教育政策における理念と日本語教育実践

第4章 人生と日本語授業―日本語ポートフォリオ実践研究―
 4-1 本章の位置づけ
 4-2 ポートフォリオに関する先行研究
  4-2-1 ポートフォリオの定義
  4-2-2 日本語教育におけるポートフォリオの運用
  4-2-3 本論におけるポートフォリオ
 4-3 日本語ポートフォリオ作成活動
  4-3-1 概要
  4-3-2 教師の役割
  4-3-3 記述項目
 4-4 日本語ポートフォリオの記述の分析
  4-4-1 分析の問い
  4-4-2 分析の方法
 4-5 分析結果
  4-5-1 日本語授業の位置づけ(ストーリーライン)
  4-5-2 「日本語授業の位置づけ」に関するまとめ
  4-5-3 日本語学習と人生のつながり(ストーリーライン)
  4-5-4 「日本語学習と人生のつながり」に関するまとめ
 4-6 小括:研究課題の再設定

第5章 生活と日本語学習―在籍生へのインタビュー調査―
 5-1 本章の位置づけ
 5-2 分析の問い
 5-3 分析資料
 5-4 調査協力者
 5-5 分析手順
 5-6 事例1:マキシムの日本語学習と人生がつながるプロセス
  5-6-1 マキシムの日本語学習に関わる経歴
  5-6-2 マキシムの日本語学習に関わるカテゴリー,サブカテゴリー,構成概念
  5-6-3 垂直的視点(時間)のつながり
  5-6-4 水平的視点(空間)のつながり
 5-7 事例2:ジュリアンの日本語学習と人生がつながるプロセス
  5-7-1 ジュリアンの日本語学習に関わる経歴
  5-7-2 ジュリアンの日本語学習に関わるカテゴリー,サブカテゴリー,構成概念
  5-7-3 垂直的視点(時間)のつながり
  5-7-4 水平的視点(空間)のつながり
  5-7-5 ジュリアンの「移動」
 5-8 事例3:エロディの日本語学習と人生がつながるプロセス
  5-8-1 エロディの日本語学習に関わる経歴
  5-8-2 エロディの日本語学習に関わるカテゴリー,サブカテゴリー,構成概念
  5-8-3 垂直的視点(時間)のつながり
  5-8-4 水平的視点(空間)のつながり
  5-8-5 エロディの「移動」
 5-9 小括:「日本語学習と人生のつながりの軸」の形成

第6章 「移動」と日本語学習―修了生・中退及び転科者への質問紙・インタビュー調査―
 6-1 本章の位置づけ
 6-2 分析の問い
 6-3 分析資料
 6-4 調査協力者
 6-5 分析手順
 6-6 事例1:シリルの日本語学習と人生がつながるプロセス
  6-6-1 シリルの日本語学習に関わる経歴
  6-6-2 大学時代の学習・生活経験(ストーリーライン1)
  6-6-3 大学時代の学習・生活経験と現在の「生活」とのつながり(ストーリーライン2)
  6-6-4 大学という学習環境における日本語学習のあり方(ストーリーライン3)
  6-6-6 シリルの「移動」の経験,及び「移動」の意味づけ
 6-7 事例2:ギヨムの日本語学習と人生がつながるプロセス
  6-7-1 ギヨムの日本語学習に関わる経歴
  6-7-2 大学時代の学習・生活経験(ストーリーライン1)
  6-7-3 大学時代の学習・生活経験と現在の「生活」とのつながり(ストーリーライン2)
  6-7-4 大学という学習環境における日本語学習のあり方(ストーリーライン3)
  6-7-5 ギヨムの「移動」
  6-7-6 ギヨムの「移動」の経験,及び「移動」の意味づけ
 6-8 事例3:サラの日本語学習と人生がつながるプロセス
  6-8-1 サラの日本語学習に関わる経歴
  6-8-2 大学時代の学習・生活経験(ストーリーライン1)
  6-8-3 大学時代の学習・生活経験と現在の「生活」とのつながり(ストーリーライン2)
  6-8-4 大学という学習環境における日本語学習のあり方(ストーリーライン3)
  6-8-5 サラの「移動」
  6-8-6 サラの「移動」の経験,及び「移動」の意味づけ
 6-9 小括:大学時代及び大学という学習環境における「移動とことば」の関係性

第7章 総合考察:「学習と人生のつながり」から捉える日本語学習の実態
 7-1 本研究による知見のまとめ―日本語専攻学生の「日本語学習と人生のつながり」―
  7-1-1 [研究1]人生と日本語授業
  7-1-2 [研究2]生活と日本語学習
  7-1-3 [研究3]「移動」と日本語学習
 7-2 「学習と人生のつながり」からみる日本語専攻学生の学び
  7-2-1 日本語学習経験を意味づける「学習と人生のつながりの軸」
  7-2-3 学習実態からみる「日本語専攻学生の日本語学習を阻む要因」
 7-3 日本語専攻学生が「外国語としての日本語」を学ぶ意義
  7-3-1 「使うあてのない外国語学習」がもたらす複線的視点への変移
  7-3-2 「ことば」の学びによる空間的な「移動」の拡がり

第8章 「学習と人生のつながりの軸」の形成と意識化をめざした外国語教育に向けて
 8-1 日本語専攻学生の「ことば」の学びに寄り添う日本語教育
 8-2 「外国語としての日本語」教育の到達目標の変容
 8-3 「使うあてのない外国語」の学習・教育への展開
 8-4 「外国語としての日本語」教育/第二外国語教育における本書の位置づけ
 8-5 「学習と人生のつながりの軸」の形成と意識化をめざした日本語教育実践の構想
 8-6 今後の課題と展望

初出一覧
あとがき
引用文献
資料
著者紹介
山内 薫(やまうち かおり)
明治学院大学教養教育センター助教。博士(日本語教育学)。専門は、日本語教育、生涯教育学、生涯学習学。主著に、「日仏国際家族環境を背景に持つ日本語専攻修了生の「移動」の経験と意味づけ」(『移動とことば』くろしお出版)、「「ことば」の学びを探求する視点としての移動性―グローバル時代における生涯学習としての外国語教育を実現するための一提言―」(『日本語・日本語教育』第4号)など。