在庫僅少
リテラシーズ2
ことば・文化・社会の日本語教育へ
リテラシーズ研究会[編]
- 定価
- 1,980円(1,800円+税)
- ISBN
- 978-4-87424-351-0 C3377
- 発売日
- 2006/7/20
- 判型
- A5
- ページ数
- 179頁
- ジャンル
- 日本語教育 ― <リテラシーズ>
【目次】韓国外国語高校における批判的日本語教育の試み 三代純平/海外における「日本文化」科目のデザインと可能性 根川幸男/「見ること」の学習を,言語教育に組み込む可能性の検討 奥泉香/ほか
<リテラシーズ>
■リテラシーズ研究会 編
前身の『21世紀の「日本事情」』を受けて、知識・能力の別を超え、複数のリテラシーズ育成にむ・・・(全文を読む)けた、新たな言語教育の方向性を提案する学術研究誌。「ことば・文化・社会の日本語教育へ」という理念を発信する。第4号で完結。以後WEB版にて公開。
- 関連情報
- 【関連サイト】
「リテラシーズ ―ことば・文化・社会の言語教育」
研究プロジェクト「リテラシーズ」のサイト。論文誌『リテラシーズ』をウェブ公開。
https://literacies.9640.jp/
- 目次
- 【実践する】
韓国外国語高校における批判的日本語教育の試み
三代 純平
0 はじめに
1 韓国の外国語高校
2 批判的日本語教育の韓国年少者日本語教育への適用
3 実践「学校で何を学ぶか」報告
3.1 活動の目的
3.2 活動の対象
3.3 活動の概要
3.4 活動の報告
4 活動の考察
5 まとめと今後の課題
海外における「日本文化」科目のデザインと可能性:ブラジリア大学「日本文化」科目のめざすもの
根川 幸男
1 はじめに
2 ブラジルにおける「日本文化」科目の実態と問題点
3 ブラジリア大学「日本文化」科目の概要
4 ブラジリア大学「日本文化」科目の出発点と目的
5 ブラジリア大学「日本文化」科目の試み
6 ブラジリア大学「日本文化」科目の評価の方法
7 今後にむけて
【調査する】
「見ること」の学習を,言語教育に組み込む可能性の検討
奥泉 香
0 問題の所在
1 英語圏の言語カリキュラム改革の動向
2 英語圏の動向から得られる三つの方向性
2.1 「読むこと」を下位に組み込む場合
2.2 「口頭・視覚的コミュニケーション」領域として組み込む場合
2.3 「見ること(見せること)」領域として組み込む場合
3 共通の系統性が示唆する意味
4 「読むこと」の拡張としてのビジュアル・リテラシーの学習
4.1 記号過程としての類似性
4.2 読解モデルとしての類似性
5 まとめと今後の課題
メディア・イベントの受け手の「読み」
貞包 みゆき
1 序論
1.1 本研究の課題
1.2 メディアの受け手の先行研究
2 研究方法およびデータ
2.1 テクスト
2.2 受け手の調査
3 受け手の「読み」の考察
3.1 「どちらを応援するか」の確信と変容
3.2 「自己」と「他者」の境界
3.3 国旗が象徴する自己像
4 メディア・リテラシーの「場」
【考察する】
内包された読者と伸展するテキスト:読みのテキストを学習者が創る活動についての試論
小川 貴士
1 はじめに
2 「学習者主体」の概念
3 テキストの産出(書く行為)に既に読者は内包されており,産出されたテキストにはさらに読者が意味を与える
4 学期に合わせた一具体案
5 環境設計者としての教師の役割
6 2つの課題
7 おわりに
戦後の日本語教育における思想的「連続性」の問題:日本語教科書に見る「国家」,「国民」,「言語」,「文化」
田中 里奈
1 問題の所在と研究目的
2 研究方法
2.1 分析対象
2.2 分析方法
3 分析結果
3.1 第1期(戦後~1962年):「画一的な知識・情報」のみの提示
3.2 第2期(1963~1980年):「結びつき」の提示
3.3 第3期(1981~1989年):「差異の比較・発見」の要求
3.4 第4期(1990年以降):「差異の比較・発見」の要求と「画一的な知識・情報」の否定
4 教育内容の「変化」の中の「連続性」
5 結論と今後の課題
『欧州共通参照枠』におけるagent / acteurの概念について
姫田 麻利子
1 social agent / acteur social
2 acteurの回帰に賭けられたもの
3 目標社会・所属社会におけるagent性とacteur性
4 agentである学習者の観察
5 acteurである学習者の観察
JSL児童生徒の成長における「audibility」と「行為主体性」の意味:子どもの成長を支援する言語教育のために
齋藤 恵
1 問題の所在
2 JSL児童生徒の成長を捉える視点
3 「第二言語で学ぶ児童生徒」の主体的なアイデンティティ形成と成長の諸要因
3.1 文脈化されたコミュニケーション能力と言語行為へのアクセス,身体化された資本
3.2 外界との相互作用に関わる要因:「audibility」と「正統性」
3.3 継続的な言語習得,自己表象,アイデンティティ調整と「行為主体性」
3.4 本章のまとめ:「第二言語で学ぶ児童生徒」の主体的な成長の諸相
4 考察:JSL児童生徒の主体的な成長を支える言語教育実践の道すじと課題
4.1 支援ネットワークの構築とJSL児童生徒観への働きかけ
4.2 児童生徒の実態を把握する
4.3 児童生徒の行為主体性との協働:「audibility」を守り,「行為主体性」を育てる
5 おわりに
「社会文化能力」から「文化リテラシー」へ:日本語教育における「文化」とその教育概念をめぐって
細川 英雄
1 「社会文化能力」とその位置づけ
1.1 日本語教育における「社会文化能力」の位置づけ
1.2 「社会文化能力」の理念と考え方
1.3 「社会文化能力」の実践:イマーション・プログラムの冒険
2 「社会文化能力」から「文化リテラシー」へ
2.1 日本文化のルールとは何か:「情報」の実体を疑う
2.2 活動自体の目的化の問題:体験主義の罠
2.3 「情報」と「体験」を超えるために
3 「文化リテラシー」の提起するもの
3.1 「文化リテラシー」の位置づけ
3.2 思考と表現の日本語教育へ
3.3 教育と研究を結ぶ「実践研究」へ
4 おわりに――ことばと文化を結ぶための実践研究へ向けて
母語話者による非母語話者のステレオタイプ構築:批判的談話分析の観点から
OHRI Richa
1 先行研究と研究目的
2 研究対象
3 分析方法
4 分析結果と考察
4.1 ステレオタイプの導入
4.2 ステレオタイプの維持
4.3 ステレオタイプの強化
5 まとめ
【書評】
慣習と創造活動の間で
『考えるための日本語』を読んで
佐藤 慎司
著者紹介