日本語構文大全 第I巻 アスペクトとその周辺

近刊

日本語構文大全 第I巻 アスペクトとその周辺

三原健一[著]

定価
4,180円(3,800円+税)
ISBN
978-4-87424-903-1 C3081
発売日
2022/5/26
判型
A5
ページ数
288頁
ジャンル
日本語学 ― 日本語学専門
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紀伊國屋書店 丸善・ジュンク堂書店・文教堂

生成文法の枠組みで発掘されてきた、日本語の言語事実を総括する『日本語構文大全』第I巻(全III巻)。主として語彙的アスペクトが関わる構文に関して、生成文法の枠組みから、日本語学にも益する「データ」を概観・分析する。

◼︎「序」より
本書を執筆するにあたっての方針は、とにかく「データを残したい」ということであった。そのために、・・・(全文を読む)言語学概論や英語学概論などの授業での、統語論に関するごく初歩的な知識さえあれば読み進められるように、理論に深入りする必要のある事項は本論には可能な限り含めないことにした。これらの事項は各章末の[補説]で補ったので、理論にも興味のある読者はそちらもご覧になっていただきたいが、この部分を読まなくても本論の理解にはいっさい支障はない。(中略)
本書でのデータの扱いについてもう少し説明しておきたい。生成文法が発掘してきたデータの紹介を基本としているが、日本語学が指摘してきたものもかなり含めている。また、『日本語構文大全』と謳ってはいるが、章によっては英語の文例もかなり含めている。他言語と比較することによって日本語の「姿」が鮮明に見えることが多々あるからである。そしてまた、筆者自身の分析もかなり含めている。

関連情報

目次


第1章 動詞類型とアスペクト限定
1. はじめに
2. 動詞分類
3. 奥田分類の先にあるもの
4. 工藤の動詞分類
5. 動詞類型の変換
6. アスペクト限定
7. 項限定詞と付加限定詞
8. 瞬間動詞の認定
9. (非)限界性の認定基準
10. 開始時点
補説

第2章 心理動詞構文
1. はじめに
2. ES型心理動詞
3. ES型心理動詞の非限界性
4. 自動詞と他動詞
5. 格の交替
6. 原因の「に」と「で」
7. 「る」形が示す現在の事態
8. アスペクチュアルな特質
9. EO型心理動詞と逆行束縛
10. 結語にかえて
補説

第3章 数量詞連結構文
1. はじめに
2. 1970年代の分析
3. 相互c統御条件
4. 名詞句数量詞と動詞句数量詞
5. 機能論的分析
6. 語用論的分析
7. 動詞の意味類型
8. 「結果」の含意とアスペクト限定
9. 結果を含意する項
10. 文脈的アスペクト限定
11. 「ている」文
12. 状態性述語
補説

第4章 移動動詞構文
1. はじめに
2. 限界性
3. 方向の「に」
4. 方向と存在
5. その他の構文における「に」
6. 「まで」句
補説

第5章 結果構文
1. はじめに
2. 日本語の結果述語
3. 直接目的語の制限
4. アスペクト制約
5. PP型結果構文におけるアスペクト制約
6. AP型結果構文
7. 極点制限
8. 結果構文の本務
9. 位置変化動詞の結果構文
10. 結果構文の細分化
11. 疑似結果構文
12. 結果構文の拡張
13. 類型論的差異
補説

第6章 いわゆるナ形容詞の結果述語
1. はじめに
2. 活用範疇説と非活用範疇説
3. ANにおける「な」と「の」
4. ANの結果述語
5. 名詞と程度性
6. 「な」と「の」の統語構造
補説

第7章 二重目的語構文
1. はじめに
2. 動詞句内の語順
3. 動詞句の構造
4. 所有の含意
5. 間接目的語の項性
6. NPかPPか
7. 与格所有者
8. 動詞類型
9. 開始時点
10. 動詞の(非)限界性
補説

第8章 「ている」文
1. はじめに
2. 動作持続と結果持続
3. 効力持続
4. 第四種動詞構文
5. 単純状態の「なっている」
6. 「青い目をしている」構文
7. 虚構移動構文
8. 日本語の複合動詞
9. 「ている」文の統語構造
10. イディオム解釈
11. 効力持続構文の統語構造
補説

索引
著者紹介
三原 健一(みはら けんいち)
1950年宮崎県生まれ。大阪外国語大学英語学専攻修士課程修了。
2005年、東北大学から博士(文学)取得。
富山大学、大阪外国語大学を経て、現在、大阪大学名誉教授・京都ノートルダム女子大学客員教授。
単著書に、『時制解釈と統語現象』(1992年くろしお出版)、『日本語の統語構造』(1994年松柏社)、『アスペクト解釈と統語現象』(2004年松柏社、2005年度市河賞)、『構造から見る日本語文法』(2008年開拓社)、『日本語の活用現象』(2015年ひつじ書房)などがある。