日本語構文大全 第II巻 提示機能から見る文法

近刊

日本語構文大全 第II巻 提示機能から見る文法

三原健一[著]

定価
4,180円(3,800円+税)
ISBN
978-4-87424-904-8 C3081
発売日
2022/5/26
判型
A5
ページ数
272頁
ジャンル
日本語学 ― 日本語学専門
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紀伊國屋書店 丸善・ジュンク堂書店・文教堂

生成文法の枠組みで発掘されてきた、日本語の言語事実を総括する『日本語構文大全』第II巻(全III巻)。「提示性」をキーワードとする構文が日本語に豊富にあることを示しつつ、新鮮な「データ」に出会う重要性を伝える。

◼︎「序」より
提示機能は、英語ではthere構文などで馴染み深い概念だが、日本語ではさほど広い市民権を得ていると・・・(全文を読む)は言えないかもしれない。まずXを提示し、何らかの意味でXに関連するYをそれに続けるという構文パターンだと言えば、「XはYだ」という主題文がまず頭に浮かぶかもしれない。日本語が主題の「は」を多用する言語であることは言うまでもないが、主題以外にも、「提示性」をキーワードとする構文が日本語には豊富にあることを本論で示したい。(中略)
言葉の研究をしていて最も幸せな気持ちに包まれるのは、これまで気付かなかった新たな、そして新鮮なデータに出会う瞬間かもしれない。理論はもちろん必要である。が、理論のための理論を追い求めるのは、言語学の真の目的ではないだろう。データに潜む規則性を見出し、そこから一般化を抽出する。そして、新たなデータを予知できる理論に昇華する。精緻に編まれた織物のように、言葉の美しさと理論の美しさを同等に伝え得てこそ、理論の価値があると信じる。

関連情報

目次


第1章 提示機能
1. はじめに
2. 格付与
3. 後置詞としての「が」
4. 中立叙述と総記
5. 後置詞としての「を」
6. 焦点
7. 主題
8. 純粋主題と対照主題
9. 取り立て詞
10. かき混ぜ句
補説

第2章 多重主格構文
1. はじめに
2. 主語化を巡る問題
3. 総記と中立叙述
4. 数量詞の作用域
5. 副詞句の作用域
6. 総記を巡る問題
7. 多重主格構文の類型
8. 多重主格構文の成立要件
9. 単一総記文
補説

第3章 認識動詞構文
1. はじめに
2. 主語上昇
3. 例外的格付与分析
4. 不定代名詞束縛
5. 語順の制限
6. 認識動詞構文の述語
7. 認識主体
8. 焦点
9. 提示句分析
10. 小節型の認識動詞構文
補説

第4章 主要部内在型関係節
1. はじめに
2. 関連性条件
3. 移動分析
4. 島の制約
5. 「の」の範疇
6. Eタイプ代名詞
7. 格の一致
8. 副詞節
9. 純内在説
10. 類型論
補説

第5章 主格目的語構文
1. はじめに
2. 状態述語
3. 「が / を」交替
4. 目的語の「が」標示
5. 作用域
6. 予期的分析
7. 総記
補説

第6章 所有者上昇構文
1. はじめに
2. 諸言語の様相
3. 二重対格制約
4. 譲渡不可能所有物制約
5. アスペクト性制約
6. 所有者名詞句と構成素
7. 提示性
8. 英語の場合
9. 所有物名詞句の指示性
10. 所有者受動文
11. その他の所有者上昇構文
補説

第7章 ガ・ノ可変
1. はじめに
2. 先駆的研究
3. 名詞認可仮説
4. 連体形認可仮説
5. ゼロ形式の名詞主要部
6. 提示機能から見えるもの
補説

第8章 Wh付加詞構文
1. はじめに
2. 動詞類型
3. 意味的・機能的制約
4. 拡張他動詞文
5. もう一つのWh付加詞構文
6. 提示句分析
補説

索引
著者紹介
三原 健一(みはら けんいち)
1950年宮崎県生まれ。大阪外国語大学英語学専攻修士課程修了。
2005年、東北大学から博士(文学)取得。
富山大学、大阪外国語大学を経て、現在、大阪大学名誉教授・京都ノートルダム女子大学客員教授。
単著書に、『時制解釈と統語現象』(1992年くろしお出版)、『日本語の統語構造』(1994年松柏社)、『アスペクト解釈と統語現象』(2004年松柏社、2005年度市河賞)、『構造から見る日本語文法』(2008年開拓社)、『日本語の活用現象』(2015年ひつじ書房)などがある。