映画で学ぶ英語学

品切

映画で学ぶ英語学

倉田誠[編]

定価
2,200円(2,000円+税)
ISBN
978-4-87424-509-5 C1082
発売日
2011/1/10
判型
A5
ページ数
238頁
ジャンル
言語学・英語学 ― 英語学入門
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紀伊國屋書店 丸善・ジュンク堂書店・文教堂

※この本には新しい版(ISBN978-4-87424-917-8、2022年11月刊行)があります。

英語学という学問と映画という娯楽を結びつけた英語学習書。300以上の映画から学問的に興味深い台詞を厳選、現象ごとに分類し解説を加えた。研究者は用例リソース、教師は授業のネタ本、学習者は楽しい参考書として幅広く使える。

関連情報

目次
■1章 音声学
   1 意味不明な音のかたまりの正体 リエゾン:音の連結
   2 Waterが「ワラ」に聞こえる理由 弾音化したt
   3 母音が弱まり音色が変わる現象 弱形
   4 隣接した2音から第3の音が生まれる現象 同化
   5 dateとdayが同音になる理由 語尾の発音されない破裂音
   6 米語と英語の標準発音の原則 標準米語と標準英語
   7 豪語にみられる3種類の発音 オーストラリア英語の特徴
   8 否定を打ち消す強い肯定の助動詞 助動詞doの強調用法
   9 「自ら」を強調する特殊な再帰代名詞 強意再帰代名詞
  10 対比要素にスポットを当てる音声手法 対照強勢
  11 意外感や心外感も伝える疑問文 問い返し疑問文
  12 音や様態を言語化した表現 擬音語

■2章 語法と文法
   1 普通名調化した固有名詞とその用法 冠詞と固有名詞
   2 先行する可算名詞を受けるone 代名調のone
   3 先行する文の内容を受けるsoやnot 代名調的に用いるso/not
   4 悪いモノでも目立たせる動詞 Developの語法
   5 実はthan以下が重要な慣用表現 No+比較蹄+than
   6 different fromと双璧を成す成句表現 Different than/toの語法
   7 動作の様態を表す副詞 様態副調
   8 文全体を修飾する副詞 文副詞
   9 外見は形容詞でも機能は副詞 フラット副詞
  10 不定詞に副詞が割り込んだ形 分離不定詞
  11 could=canの過去形という等式は危険 Could
  12 週去の頻度を強調する助動詞 Would
  13 ought to=shouldという等式は危険 Ought To
  14 have to=mustという等式は危険 Have To
  15 be supposed to=shouldという等式は危険 Be Supposed To
  16 be bound to=mustという等式は危険 Be Bound To
  17 be going to=willという等式は危険 Be Going To
  18 今すぐ起きそうなことを表す未来表現 Be About To
  19 新聞の見出し等でも散見される未来表現 Be To
  20 最も確実性の高い未来表現 現在形で表す未来
  21 計画や準備が進行中の未来表現 現在進行形で表す未来
  22 交通機関のアナウンスでも耳にする未来表現 未来進行形
  23 条件文におけるbe going toとwillの違い 条件文での2つの未来表現

■3章 形態論と音韻論
   1 アクセントの位置を変える接辞 第1類接辞
   2 接尾辞で決まるアクセントの例 2つ前の母音に強勢を置く接尾辞
   3 接尾辞に強勢が置かれる例の数々 自ら強勢を担う接尾辞
   4 自動詞を他動詞に変える接頭辞out- 動詞への接頭辞付加
   5 2つの単語が合体してできた語 複合語
   6 2つの単語をツギハギしてできた語 混成語
   7 各単語の頭文字を組み合わせた語 頭字語
   8 韻を踏んだ語形成 押韻反復
   9 同じ語句のくり返しで意味を強める方法 語彙反復
  10 受動態が語中に存在する変わり種の名詞 過去分詞が組み込まれた名詞
  11 動詞に換わった名詞と形容詞 転換による動詞
  12 通常とは異なるプロセスの語形成 逆成の名詞由来動詞
  13 受動態を組み込んだ複合形容詞 X+過去分詞の受け身的複合形容詞

■4章 統語論
   1 いわゆるIt...thatの強調構文 分裂文
   2 強調したい要素を文末に置く構文 疑似分裂文
   3 第3文型以外の受動態 変わり種の受動文
   4 前置詞句を伴う動詞句の受動態 疑似受動文
   5 受動態の意味を表す能動態 中間構文
   6 不定詞の目的語が文の主語として現れる構文 難易構文
   7 目的語が文の主語として現れる動名詞表現 遡及的動名詞
   8 話しの流れをスムーズにする文法操作 話題化
   9 名詞(句)の移動とそれに伴う代名詞の挿入 転移
  10 「重い」名詞句を文末にまわす操作 重名詞句転移
  11 1つの名詞句を2つに分割する操作 名詞句からの外置
  12 既出の動詞句を文頭に移動する操作 動詞句前置
  13 thoughに続く既出の要素を前置する操作 Though移動
  14 be動詞を中心に文を半回転させる文法操作 主語補語倒置
  15 動詞を中心に主語と場所句を入れ替える文法操作 場所句倒置
  16 否定要素の前置による倒置構文 否定倒置
  17 疑問詞以下の重複部分を削除する操作 間接疑問文削除
  18 疑問詞が複数ある疑問文 多重wh疑問文
  19 前置詞を伴う移動と伴わない移動 随伴と前置詞残留
  20 離れた場所から名詞句を修飾するallやeach 遊離数量詞

■5章 意味論と構文文法論
   1 娯楽系の動詞が-ing化するイディオム Go+-ing
   2 becomeの意味を表すgoとcome Go/Come+形容詞
   3 同じ名詞のくり返しで作る変り種フレーズ NPN構文
   4 行為の道のりを際立たせる副詞句 度量句
   5 不定調が続く第3文型 不定詞付き対格構文
   6 モノの受け渡しを表す構文 二重目的語構文
   7 モノの受け渡しが中立的な構文 与格構文
   8 「…する」を意味する補助的なtakeやhave 軽動詞構文
   9 接触の有無が中立的な構文 動能構文
  10 主語や目的語の状態を補足する構文 描写構文
  11 実は2種類ある自動詞 2種類の自動詞
  12 「怖がる」と「怖がらせる」の英語版 2種類の心理動詞
  13 be動詞の代わりに一般動詞が現れるthere構文 There構文(be動詞以外の動詞)
  14 移動を表す変わり種の自動詞 自動詞移動構文
  15 「卵を器に割り入れる」は容認可能? 他動詞移動構文
  16 使役動詞make,have,letの使い分け 使役構文
  17 make,have,let以外の動詞で作る使役構文 使役結果構文
  18 道なき場所に道をつくる構文イディオム Way構文
  19 行為とその結果を一度に表す構文 結果構文
  20 行為を強調する修飾語句 強意句
  21 句動詞における形式と意味のミスマッチ 動詞不変化詞構文
  22 ムダに時間を過ごす構文 Time-away構文
  23 様々な動詞で「穴を掘る」構文イディオム 穴構文
  24 偉業を表す<自動詞+場所句> 場所格目的語
  25 語順の違いが意味の違いを生み出す一例 場所格交替
  26 自動詞が同義の名詞句を目的語に取る構文 同族目的語構文
  27 離れた目的語を修飾するevenやonly 焦点化詞修飾

■6章 言語と文化
   1 性差撤廃の一例 ジェンダーフリーな職業名
   2 he or sheからtheyへの移行 ジェンダーフリーなtheyの用法
   3 「だまし絵」と言語表現の関係 図地分化
   4 「青二才」やgreen boyなどの比較 色彩概念
   5 「袖の下」やmoney under the table等の文化的考察 フレーム
   6 「丼を食べる」や「阪神の俊足」にみられる比喩 メトニミー
   7 「テーブルの脚」やthe legs of the table等の例 投影
   8 「恋心」と「炎」の関係 構造のメタファー
   9 「上り/下り電車」などにみられる比喩 方向づけのメタファー
  10 「中身のない意見」などにみられる比喩 導管メタファー
  11 「インフレと戦う」などにみられる比喩 存在のメタファー
  12 言外の意味のみの慣用表現 発話媒介行為の慣用表現
  13 理由を尋ねるフリをして不満や驚きを表す Why V...?とHow come...?
  14 過去時制を使った丁寧表現 過去の丁寧表現
  15 婉曲的な丁寧表現 垣根言葉の機能をもつ条件節
著者紹介
■編著者

倉田 誠(くらた まこと)

1957年兵庫県生まれ。1980年京都外国語大学外国語学部英米語学科卒業。

1982年lndiana University大学院修了(応用言語学専攻)。現在:京都外国語大学教授。映画英語教育学会(ATEM)国際交流専務理事。ATEM関西支部副支部長兼大会実行委員長。主な著書:『新英文法用例辞典』(共著,研究社),『音読したい,映画の英語』(共著,スクリーンプレイ社),『暗誦したい,映画の英語』(共著,金星堂)。主な大学テキスト:『基本動詞の最大公約数1』(編集主幹,松柏社),『基本動詞の最大公約数2』(編集主幹,松柏社),『映画英語ワークショップ』(編集主幹,朝日出版社)。