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英語教師がおさえておきたい音声・文法の基本

現代英語学入門

長尾純/宗宮喜代子[著] 伊佐地恒久[監修]

定価
2,420円(2,200円+税)
ISBN
978-4-87424-861-4 C1082
発売日
2021/12/28
判型
A5
ページ数
224頁
ジャンル
言語学・英語学 ― 英語学入門
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紀伊國屋書店 丸善・ジュンク堂書店・文教堂

学習者の4技能を十分な水準にまで高めるには、教師が文法と発音を深く理解することが不可欠。そのために必要な基礎知識を簡潔かつ網羅的にまとめた。知識だけでなく実際の音声指導方法も紹介。コラムによる豆知識の提供も。

●まえがきより
本書では、学習者の4技能を十分な水準にまで高めるには、まず教員が文法を深く理解することが不可欠である・・・(全文を読む)と考えます。言語は暗号の体系のようなものです。文法を学び、暗号を解読してこそ、聞く・読む・話す(やり取り・発表)・書く、の4技能が可能になります。発展的な活動であるディスカッションやエッセイライティングにも十分に対応できるでしょう。文法の知識こそが、4技能とその先の技能を支える基盤であると言えます。ただし、文法の力が及ばない領域があります。それは発音です。文法的には完璧でも、英語らしい音声で発信できなければ相手に通じないかもしれません。文法と同じように、発音の仕組みは言語ごとに違っているため、特別に学ぶ必要があるのです。国際共通語としての英語の役割が増大している昨今、英語らしい発音、抑揚、リズムを知る重要性は増しています。このように、生徒の4技能を十分に高めるための教師の指導力を支えるのは、音声と文法の知識です。
以上のような考えから、本書では音声と文法のエッセンスを一冊にまとめるという、従来あまり見られなかった構成を取っています。Part I「発音」では音声学のみでなく音韻論にも触れており、Part II「文法」では統語・意味論の観点から文法解説をする他に、文法以前の知識として語用論の知見を織り込んだり英語史を概観したりしています。全体として、プロの英語教員のための、現代英語学の入門書になっています。読者層としては英語教員の方々および英語教員を志望する大学生の方を念頭に置いていますが、広く英語に関心のある方に楽しんでもらえる内容になっていると思います。手元に置いて、どのページからでも読み進めていただきたいと願う次第です。

関連情報
【書評・紹介】
長尾純・宗宮喜代子著・伊佐治恒久監修『英語教師が押さえておきたい音声・文法の基本』の書評が『英語教育』(2021年12月号、大修館書店)に掲載。評者は、遠藤修史氏。
「英語が「わかる」から「使える」に導く1冊」https://www.taishukan.co.jp/book/b601509.html

【テキスト採用】
ご採用検討の先生に採用見本をご用意しております。
ご希望の方は下記からお問い合わせください。

https://www.9640.jp/textbook/desk-copy/
目次
第1章 英語の子音
1.1 有声音と無声音
1.2 子音と母音
1.3 子音の種類
1.4 日本語に無い子音の発音方法
1.5 日本語にある子音の発音方法

第2章 英語の母音
2.1 手本の1つとしての標準アメリカ英語
2.2 母音の種類
2.3 二重母音
2.4 日本語の母音との比較

第3章 音変化
3.1 音素と異音
3.2 同化
3.3 連結

第4章 強勢とリズムとイントネーション
4.1 強勢
4.2 リズム
4.3 イントネーション

第5章 音声学―理論から実践へ―
5.1 モチベーションの向上
5.2 教材として使える英語の歌
5.3 リズムの習得に適した曲
5.4 海外ドラマを使ったイントネーションの習得
5.5 発音を総合的に鍛えるレシテーション

Part II 文法
第6章 文法以前の知識
6.1 情報構造の原則と文法
6.2 話者と主語
6.3 レベルの分離―音素・形態素・語・句・節・文―
6.4 語用論

第7章 文の構造
7.1 文型―「SVO±1」の体系―
7.2 文要素と修飾語
7.3 特殊構文と文型

第8章 名詞と動詞
8.1 名詞の体系
8.2 動詞の機能
8.3 普通名詞と動態動詞の共通点
8.4 動詞からの派生形

第9章 形容詞と副詞
9.1 形容詞の機能
9.2 形容詞の順序
9.3 副詞の機能
9.4 副詞の位置

第10章 代名詞と法助動詞
10.1 代名詞の種類
10.2 直示と照応
10.3 法助動詞の用法

第11章 冠詞と前置詞
11.1 冠詞の用法
11.2 前置詞の用法
11.3 空間での「あの感じ」
11.4 句動詞

第12章 歴史的に見た現代英語
12.1 歴史的経緯
12.2 SVO文型
12.3 進行形
12.4 使役構文
著者紹介
長尾純(ながお じゅん):Part I担当
岐阜聖徳学園大学外国語学部准教授
宮城県出身。東北学院大学文学部英文学科卒業。ボール州立大学大学院修了(Master of Arts、Doctor of Philosophy)。著書に『ことばのプリズム』(彩流社)など。

宗宮喜代子(そうみや きよこ):Part II ・コラム1–4担当
東京外国語大学名誉教授・岐阜聖徳学園大学名誉教授
岐阜県出身。東京外国語大学外国語学部英米語学科卒業。オハイオ州立大学大学院修了(Master of Arts)。東京外国語大学大学院修了(文学修士)。
著書に『動詞の「時制」がよくわかる英文法談義』(大修館書店)など。

伊佐地恒久(いさじ つねひさ):監修
岐阜聖徳学園大学外国語学部教授
岐阜県出身。南山大学文学部教育学科卒業。筑波大学大学院修了(教育学修士)。著書に『高校英語授業を知的にしたい!』(研究社)など。