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英語学が語るもの

米倉綽/中村芳久[編]

定価
2,420円(2,200円+税)
ISBN
978-4-87424-756-3 C1082
発売日
2018/6/12
判型
A5
ページ数
264頁
ジャンル
言語学・英語学 ― 英語学入門
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紀伊國屋書店 丸善・ジュンク堂書店・文教堂

「英語学」というと難しいという印象をもたれるかもしれませんが、英語という言語の音声(音韻)から意味の分野を研究することを「英語学」と呼んでいると考えてください。本書は、大学生や大学院生の皆さん、中学校・高校で英語を教えている皆さん、そして、今後小学校でも英語を教えることになる人たちにも、「英語学」で取り上げられる様々な問題を、・・・(全文を読む)わかりやすく「料理」して出すことに注意を払っています。各執筆者はこの「わかりやすく」を考慮しながらも最新の研究成果を踏まえて英語学のさまざまなテーマを論述する努力をいたしました。この意味ではすでに英語学を研究対象にされている皆さんにも参考にしていただけると思います。
本書は音声学・音韻論、形態論、統語論・意味論の分野に分けていますが、どの分野も互いに関連しています。特に、統語論と意味論は峻別することは難しいため、ひとつのまとまりとして区分しています。第11章を除いて、この各分野は古英語・中英語・近代英語に関する内容と現代英語に関する内容を論じています。また、本書は12章からなっていますが、本書を手にしてくださる読者の皆さんは興味ある章から読んでいただいても理解できるように構成されています。(まえがきから)

関連情報

目次
1 「大母音推移」は本当にあったのか:連鎖的母音変化をめぐる諸問題
(服部義弘)
2 動詞の語強勢と形態構造:acclimateはどのように発音されるのだろうか?
(山本武史)
3 ice creamは語か句か?:古英語と中英語における複合語
(米倉綽)
4 なぜiceは動詞としても使えるのか?:現代英語における転換
(長野明子)
5 He don’t careの慎ましやかな訴え:否定辞縮約形don't とdoesn't の競合の歴史
(中村不二夫)
6 なぜGoldだけで「金メダル」?:省略と意味変化
(前田満)
7 変幻自在なBE動詞の謎:文法化の視点から
(保坂道雄)
8 Mary smiled a merry smile.は「陽気な微笑みを微笑んだ」?:同族目的語構文の特性と意味解釈
(堀田優子)
9 some of the booksとsome of themは同じ意味か?:A of Bで表される部分・全体の関係の考察
(田中秀毅)
10 I meanとI knowの使用の傾向と動機を探る:語用論からみた評言節
(小林隆)
11 コロケーションとイディオムと認知:語と語の結びつきを探る
(堀正広)
12 認知から言語をとらえる:超入門・認知言語学
(中村芳久)
著者紹介
米倉 綽(よねくら ひろし)
1941年生まれ.京都府立大学名誉教授.
専門分野は英語史・歴史英語学.著書に、『ことばが語るもの:文学と言語学の試み』(編著、英宝社、2012)、 『歴史的にみた英語の語形成』(単著、開拓社、2015)、“Some Considerations of Affixal Negation in Shakespeare” (Studies in Middle and Modern English: Historical Variation, Kaitakusha, 2017)など

中村芳久(なかむら よしひさ)
1951年生まれ.大阪学院大学外国語学部教授.金沢大学名誉教授.
専門分野は英語学・認知言語学.著書に、『認知文法研究』(単著、くろしお出版、2018予定)、『ラネカーの(間)主観性とその展開』(共編・著、開拓社、2016)、『認知文法論Ⅱ』(共著、大修館書店、2004)など