現代日本語文法7

現代日本語文法7

第12部談話 第13部待遇表現

日本語記述文法研究会[編]

定価
3,080円(2,800円+税)
ISBN
978-4-87424-445-6 C3081
発売日
2009/6/20
判型
A5
ページ数
338頁
ジャンル
日本語学 ― <現代日本語文法>
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リアル書店在庫
紀伊國屋書店 丸善・ジュンク堂書店・文教堂

日本語表現についての疑問に、文法的見地から網羅的・体系的に答えるシリーズの第5回配本。言語表現を伴ったコミュニケーション活動である「談話」と、敬語など対人関係や場面差に配慮して使い分ける「待遇表現」について詳説する。


<現代日本語文法>
■日本語記述文法研究会 編
日本語文法研究の気鋭の執筆陣が、日本語文法の細目を詳解する・・・(全文を読む)。日本語の文法現象について調べたいこと、知りたいことがわかる、網羅的で体系的な参照文法シリーズ。全7巻(完結)。

関連情報

目次
■第12部 談話■
第1章 談話の概観
第1節 談話とは
1.言語単位としての談話
2.談話のまとまり
3.文脈
4.談話のさまざまな種類
第2節 談話を形づくる言語的要素
1.談話を形づくる言語的要素のいろいろ
2.指示
3.接続表現
4.応答表現・間投表現
5.語順
6.談話におけるそのほかの文法カテゴリー
7.文体とジャンル

第2章 指示
第1節 指示とは
1.指示の規定
2.指示と文脈
3.指示に用いられる言語表現
第2節 指示表現
1.指示表現と疑問語
2.指示表現の種類
3.疑問語
第3節 指示表現の現場文脈指示
1.現場文脈指示とは
2.対立型の現場文脈指示
3.融合型の現場文脈指示
4.所有意識と対立型・融合型
5.発話を基準とした時を指示する表現
第4節 指示表現の言語文脈指示
1.言語文脈指示とは
2.前方照応と後方照応
3.指定指示と代行指示
4.ソ系とコ系の使い分け
第5節 指示表現の記憶文脈指示
1.記憶文脈指示とは
2.記憶文脈指示が用いられる場合

第6節 名詞による指示
1.名詞による指示とは
2.くりかえし
3.いいかえ
第7節 その他の指示の表現
1.人称代名詞による指示
2.1人称の人称代名詞
3.2人称の人称代名詞
4.3人称の人称代名詞
5.再帰代名詞
6.その他の指示表現
第8節 省略
1.省略とは
2.義務的省略
3.言語文脈による省略

第3章 接続表現
第1節 接続表現とは
1.接続表現の概観
2.接続表現の種類
第2節 論理的関係を表示する接続表現
1.論理的関係の概観
2.確定条件の接続表現
3.仮定条件の接続表現
4.否定条件の接続表現
5.理由の接続表現
6.逆接の接続表現
第3節 加算的関係を表示する接続表現
1.加算的関係の概観
2.添加の接続表現
3.累加の接続表現
4.換言の接続表現
5.例示の接続表現
6.卓立の接続表現
7.代替の接続表現
第4節 対等な関係を表示する接続表現
1.対等な関係の概観
2.並列的提示の接続表現
3.選択的提示の接続表現
第5節 話題の展開を表示する接続表現
1.話題の展開の概観
2.転換の接続表現
3.列挙の接続表現
4.対比の接続表現
5.まとめの接続表現
6.補足の接続表現
7.無視の接続表現

第4章 応答表現と間投表現
第1節 応答表現・間投表現の概観
1.応答表現・間投表現とは
2.あいづちの形式と種類
3.受けこたえの形式と種類
4.聞き手に向けられた間投表現の形式と種類
5.聞き手に向けられていない間投表現の形式と種類
第2節 応答表現
1.あいづち
2.受けこたえ
3.応答表現とつけ加えの表現の待遇的意味
4.「はい」の受けこたえ以外の用法
第3節 間投表現
1.聞き手に向けられた間投表現
2.聞き手に向けられていない間投表現

第5章 語順
第1節 基本語順と語順の変更
1.文の基本語順
2.文の基本語順の変更
第2節 格成分の基本語順
1.主題の位置
2.格成分の基本的な順序
3.格成分の特殊な順序
第3節 副詞的成分の基本語順
1.副詞的成分どうしの順序
2.副詞的成分とほかの成分の順序
第4節 名詞修飾成分の基本語順
1.名詞修飾成分の語順を決める要因
2.名詞修飾成分の種類とその位置
第5節 文法的要因による語順の変更
1.文法的要因による語順の変更とは
2.長い格成分の位置の変更
3.長い名詞修飾成分の位置の変更
第6節 談話的要因による語順の変更
1.談話的要因による語順の変更とは
2.前の文脈に関係のある成分の位置の変更

第6章 談話における文法カテゴリー
第1節 談話における文法カテゴリーの概観
1.談話における文法カテゴリー
2.談話を形づくる機能を帯びる文法カテゴリー
第2節 談話におけるヴォイス
1.談話におけるヴォイスの概観
2.主語の一致と直接受身文
第3節 談話におけるアスペクト・テンス
1.談話におけるアスペクト・テンスの概観
2.談話の中の時間の進行とアスペクト・テンス
第4節 談話におけるモダリティ
1.談話におけるモダリティの概観
2.談話に深く関わるモダリティ
3.モダリティを十分にもたない文
第5節 談話における主題
1.談話における主題の概観
2.談話の流れと話し手の想定
3.談話のまとまりと主題
4.談話の展開と主題の形式

第7章 文体とジャンル
第1節 文体とジャンルとは
1.文体とは
2.文体差を生み出す要因
第2節 媒体による文体差
1.話しことばと書きことば
2.話しことばの特徴
3.話しことばと書きことばのあいだ
4.携帯メール・チャットの話しことば性
第3節 話し手の属性による文体差
1.話し手の属性による文体差とは
2.ジェンダーによる文体差
3.話し手の年齢による文体差
4.その他の属性による文体差
第4節 ジャンルによる文体差
1.ジャンルによる文体差
2.物語文
3.随筆文
4.報道文
5.論説文
6.記録文
7.書簡文
第5節 さまざまな文体における文法形式の使い分け
1.モダリティ形式と文体
2.とりたて助詞と文体
3.主題を表す形式と文体
4.複文と文体

■第13部 待遇表現■
第1章 待遇表現の概観
第1節 待遇表現とは
1.待遇表現の選択要因
2.話し手の待遇意図と待遇表現
第2節 待遇的意味の現れ方
第3節 待遇表現の選択に関わる対人関係の類型
1.対人関係の類型
2.第3者に対する待遇
3.現代敬語の機能

第2章 敬語
第1節 敬語とは
第2節 尊敬語
1.尊敬語の形
2.動詞述語の尊敬語の用法
3.形容詞述語・名詞述語の尊敬語の用法
4.尊敬語の意味・構文的特徴
第3節 謙譲語
1.謙譲語の形
2.動詞述語の謙譲語の用法
3.謙譲語の意味的制限
第4節 丁重語
1.丁重語の形
2.動詞述語の丁重語の用法
3.謙譲語と丁重語の比較
第5節 美化語
1.美化語とは
2.接頭辞「お」「ご」
第6節 丁寧語
1.丁寧語とは
2.肯定述語の丁寧さを表す形
3.否定述語の丁寧さを表す形
4.「ますです」
第7節 敬語形式の組み合わせ
1.二重敬語
2.謙譲語・丁重語の尊敬語化
3.素材敬語と対者敬語の組み合わせ

第3章 丁寧体と普通体
第1節 丁寧体と普通体の現れ方
1.丁寧体と普通体の選択
2.従属節の中の丁寧体と普通体 
3.「です」「ます」をもたない文の丁寧さ
第2節 丁寧体基調の談話に現れる普通体
1.丁寧体基調の談話に現れる普通体の文の特徴
2.丁寧体基調の談話に現れる普通体の表現効果
第3節 普通体基調の談話に現れる丁寧体
1.普通体基調の談話に現れる丁寧体の文の特徴
2.普通体基調の談話に現れる丁寧体の表現効果

第4章 待遇的意味をもつそのほかの表現
第1節 待遇的意味をもつ表現の特徴
第2節 意図性回避の表現
1.自発と自動詞による表現
2.「になります」
第3節 断定性回避の表現
1.「でしょうか」
2.「と思います」
3.「ようだ」
第4節 そのほかの表現
1.否定疑問文
2.名詞句の婉曲表現
3.「には」「におかれましては」
4.従属節の言いさし表現
5.確認の「た」

第5章 待遇表現の運用
第1節 対人行動の類型と待遇表現
1.対人行動の類型
2.持ちかけ系の対人行動と待遇表現
3.応答系の対人行動と待遇表現
4.調整系の対人行動と待遇表現
5.そのほかの対人行動

第2節 談話における待遇的配慮
1.対人的配慮の言語行動と談話展開
2.依頼-承諾の談話展開
3.依頼-断りの談話展開
4.言いさし・言いよどみの間投表現の機能
著者紹介
《日本語記述文法研究会メンバー一覧》
仁田義雄(代表)
○安達太郎,阿部忍,雨宮雄一,○庵功雄,○石黒圭,岩崎卓,○川越菜穂子,○黄淑燕,小林英樹,佐野由紀子,塩入すみ,渋谷勝己,清水佳子,白川博之,高梨信乃,高橋美奈子,張麟声,中西久実子,中畠孝幸,野田春美,○野田尚史,○浜田麻里,林雅子,○日高水穂,前田直子,宮崎和人,○森山卓郎,八亀裕美,山田敏弘,○渡部学

○…本巻の執筆担当者