英語の命令文
神話と現実
高橋英光[著]
- 定価
- 2,420円(2,200円+税)
- ISBN
- 978-4-87424-734-1 C3082
- 発売日
- 2017/6/8
- 判型
- A5
- ページ数
- 184頁
- ジャンル
- 言語学・英語学 ― 英語学専門
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本書は、英語の命令文を解説したものです。副題の「神話と現実」は英語命令文について一般に考えられていることと実際との乖離を示唆しています。英語の命令文についてあまり知られていなかった様々な現象を紹介し認知言語学と談話機能言語学の立場から分析しています。さらに英語の間接指令文との比較と日本語の命令形および依頼形との比較もしています・・・(全文を読む)。
関連情報
- 目次
- 第1章 イントロダクション
1.1 孤独な命令文
1.2 本書の目的
1.3 理論的枠組みとデータ
1.4 本書の構成
第2章 命令文の使用基盤分析:好まれる動詞と好まれる使用パターン
2.1 はじめに
2.2 使用基盤分析とは
2.3 命令文で好まれる動詞と好まれる使用パターン
2.4 「動詞+1人称代名詞」構造
2.5 否定命令形を好む動詞
2.6 命令文のコロストラクション分析の問題点
第3章 命令文の意味:スキーマとプロトタイプ
3.1 はじめに
3.2 主な先行研究
3.3 命令文の意味 スキーマとプロトタイプ
3.4 命令文のプロトタイプ判定の2つの基準
3.5 力の行使の6パラメターの計算のガイドライン
第4章 命令文と間接指令文:使い分け、動詞の分布、項構造、談話機能
4.1 はじめに
4.2 主な先行研究とその問題点
4.3 英語話者が命令文を避ける時
4.4 命令文と間接指令文の動詞の比較
4.5 命令文と間接指令文の「動詞+1人称代名詞」構造の比較
4.6 命令文と間接指令文の談話機能と文法機能の比較
第5章 “*Be called by Jill.”とはなぜ言えないのか:英語と日本語の受動態命令文
5.1 はじめに
5.2 命令文と受動態の対立のメカニズム
5.3 命令文と受動態の融合のメカニズム
5.4 日本語の受動態命令文
第6章 “Cry me a river.”はなぜ適格なのか:英語の受益二重目的語構文と命令文の融合
6.1 はじめに
6.2 先行研究
6.3 残された問題点
6.4 英語命令文の「動詞+1人称代名詞」構造と聞き手への直接的働きかけと表出性・修辞性の効果
第7章 “*Leave now or I’ll make you a nice dinner.”とはなぜ言えないのか:命令文と非対称or構文の融合
7.1 はじめに
7.2 先行研究
7.3 関連性理論分析の問題点
7.4 非対称orと命令文の融合
第8章 “Wait.”はなぜ「待ってください」と訳されたのか:英語から見た日本語の命令文と依頼文
8.1 はじめに
8.2 日本語の命令文と依頼文についての先行研究
8.3 日本語の命令文と依頼文の拡張用法の比較
8.4 英語から見た日本語の命令形と依頼形
8.5 日本語の命令形と依頼形の相対頻度と動詞分布
参照文献
索 引
- 著者紹介
- 高橋英光(たかはし ひでみつ)
北海道大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得中退。カリフォルニア大学サン・ディエゴ校言語学科にて研修。北海道大学助手,小樽商科大学講師,同助教授,北海道大学大学院文学研究科教授などを経て,現在,同大学大学院文学研究科西洋言語学講座特任教授。博士(文学),専攻は英語学,認知言語学。
[主要業績] A Cognitive Linguistic Analysis of the English Imperative: With Special Reference to Japanese Imperatives (2012, John Benjamins, 第46回市河賞╱第5回日本英語学会賞(著書)),『認知言語学 基礎から最前線へ』(2013, くろしお出版(森雄一氏と共編著)),『言葉のしくみ 認知言語学のはなし』(2010, 北海道大学出版会),「指示語の理解 英語のitと that」大掘壽夫[編]『認知コミュニケーション論』(2004, 大修館書店), “Indirect Anaphors: Definiteness and Inference” (1997, Leuven Contributions in Linguistics and Philology 86-1/2)。