国語を教える文法の底力

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国語を教える文法の底力

山田敏弘[著]

定価
1,540円(1,400円+税)
ISBN
978-4-87424-449-4 C1081
発売日
2009/6/25
判型
四六
ページ数
200頁
ジャンル
日本語学 ― 日本語学入門
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紀伊國屋書店 丸善・ジュンク堂書店・文教堂

小中学校の国語教材を題材に、その中に込められた文法のしくみを読み解く。文法を使って身近な文章を読むことで「こんな読み方があったのか」「この解釈にはこんな根拠があったのか」と発見できる。日本語教師の文法入門にも。

関連情報

目次
第1章 物語に流れる時間をどう捉えるか 「~る」と「~た」と「~ている」

1―― 過去なのに「~た」を使わないのは間違い?

2―― 場面が変わるときに使われる「~た」

3――「~た」が続けて用いられるとき

4―― 何を過去・完了と捉えるか~現場の先生からの質問に答えて

こどものことば

コラム 文学作品に見られる方言とその価値



第2章 主人公をどう捉えるか 主語と主題

1―― 主語と主題

2―― 主題が一貫した文章と主題が交替する文章

3―― 受身を用いた主語の交替

4―― 主語を省略するときとしないとき

5―― 名詞に話し手の気持ちを添える副助詞

コラム 擬音語・擬態語のルール

こどものことば



第3章 出来事とその背景をどう捉えるか 名詞修飾

1―― どこからが名詞修飾? どんな関係の名詞修飾?

2―― できごとの背景を表す名詞修飾節

3―― 非限定的名詞修飾を用いて話の主筋をはっきり示そう

4―― 過去の情景へと広がりを持たせる名詞修飾

5―― 「~の」を修飾する名詞修飾表現

6―― 名詞と名詞を結ぶ「~の」

コラム 似た意味のことばと文法

こどものことば



第4章 文の骨格をどう捉えるか 格助詞

1―― どんな役割かきちんと表そう

2―― 似た意味を表す格助詞~「~に」と「~で」

3―― 似た意味を表す格助詞~「~を」「~で」「~から」

4―― 似ている格助詞の使い分け~現場の先生からの質問に答えて

5―― 格助詞と省略

6―― 格助詞の種類と語順

こどものことば

コラム 「おなかをすかせて」と「おなかをすかして」~活用

こどものことば



第5章 論理関係をどう捉えるか 複文と接続表現

1―― 「~と」による時間経過の描き方と「~て」による時間経過の描き方

2―― 「そして」で捉える時間の流れ方と「それから」で捉える時間の流れ方

3―― 以前の文脈を背景に新しいできごとが生じることを描く「そのとき」

4―― 「~ので」「~から」「~ため(に)」の使い分け

5―― 目的を表す「~ために」と「~ように」

6―― 解釈が難しい「~て」

7―― 前文脈の内容をまとめて示す「このように」と「こうして」

8―― 接続表現を用いないとき



第6章 視点をどう捉えるか 時空間の捉え方を表す補助動詞「~てくる」「~ている」「~ていく」

1―― 場面を設定する視点

2―― 描かれる空間を作る「~てくる」「~ている」「~ていく」

3―― 説明文における視点の置き方

こどものことば



第7章 話し手の気持ちをどう捉えるか 呼応の副詞と主観的な文末表現

1―― 本当であることと本当のようなこと

2―― 「~でしょう」のいろいろな意味

3―― コミュニケーション型説明文

4―― 「~のだ」は何を表すか

5―― 文末を予想させる、副詞やその他の表現

こどものことば
著者紹介
岐阜市生まれ 岐阜大学 准教授



著書に、『国語教師が知っておきたい日本語文法』『国語教師が知っておきたい日本語音声・音声言語』(くろしお出版)、 『日本語のしくみ』(白水社)、共著に『初級を教える人のための日本語文法ハンドブック』(スリーエーネットワーク)ほか