日本語研究叢書(フロンティアシリーズ) 21
日本語におけるテキストの結束性の研究
庵功雄[著]
- 定価
- 4,180円(3,800円+税)
- ISBN
- 978-4-87424-399-2 C3081
- 発売日
- 2007/10/20
- 判型
- A5
- ページ数
- 246頁
- ジャンル
- 日本語学 ― <日本語研究叢書(フロンティアシリーズ)>
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- 紀伊國屋書店 丸善・ジュンク堂書店・文教堂
近年さまざまなアプローチで研究が進みつつある談話・テキスト言語学の分野で、いままで困難と思われてきた文法的な手法にあえて取り組み、結束性という現象を手がかりに、注目すべき成果をあげた一冊。
<日本語研究叢書(フロンティアシリーズ)>
■編集委員会:仁田義雄/田窪行則/野田尚史/益岡隆志/森山卓郎
現代日本語についての開拓的・・・(全文を読む)研究を、同学の士の共同財産とするために、できるだけ発表後すみやかに、廉価な形で刊行することを目的としたシリーズ。主に国内外で出された博士論文またはそれに準じる論文を刊行。品切あり。
関連情報
- 目次
- まえがき
はじめに 本書の目的と構成
本書で用いる記号について
第1部 本書の理論的枠組み
第1章 本書の研究対象
1-1.テキストとは
1-2.テキストにおけるつながり
1-3.研究対象を結束性に限定する理由
第2章 先行研究の概観と本書の方法論
2-1.テキスト言語学とテキスト文法
2-2.結束性に関する先行研究
2-3.本書の方法論
第3章 諸概念の規定(1)―文脈について―
3-1.無文脈―文法性判断の範疇性―
3-2.有文脈―閉文脈と開文脈―
3-3.「文脈指示」について
3-4.照応表現の用法の分類
3-5.本章のまとめ
第4章 諸概念の規定(2)―定、不定、定情報―
4-1.定と不定
4-2.定情報
4-3.定情報のマークのされ方―対照研究に向けて―
4-4.本章のまとめ
第5章 諸概念の規定(3)―結束装置―
5-1.結束装置の定義
5-2.結束装置の種類
5-3.本章のまとめ
5-4.第1部のまとめ
第2部 結束装置の記述
第6章 指示表現の記述(1)―先行詞の捉え方―
6-1.先行研究
6-2.「この」と「その」と「ゼロ」―限定詞の選択原理―
6-3.「この」と「その」―先行詞の捉え方の違い―
6-4.ゼロ指示の記述
6-5.3形式の分布
6-6.本章のまとめ
第7章 指示表現の記述(2)―他の統語現象との相関―
7-1.「は」と「が」の選択
7-2.「それが」「それを」―指示詞と接続詞の接点―
7-3.本章のまとめ
第8章 語彙的結束性の記述(1)―名詞の統語論的性質―
8-1.代行指示と指定指示
8-2.問題となる現象
8-3.1項名詞(有項名詞)と0項名詞(無項名詞)
8-4.先行研究
8-5.名詞の項構造
8-6.現象の説明(単一文の場合)
8-7.現象の説明(非単一文の場合)
8-8.結束性理論の中の1項名詞の位置づけ
8-9.本章のまとめ
第9章 指示と代用―指示表現における機能の違い―
9-1.2種類の対立
9-2.指示と代用
9-3.「指示」「代用」と接続詞
9-4.本章のまとめ
第10章 語彙的結束性の記述(2)―名詞の意味論的性質―
10-1.問題のありか
10-2.名詞の関係づけられ度(DOR)
10-3.関係づけられ度(DOR)と間接照応
10-4.0項名詞と限定詞
10-5.本章のまとめ
10-6.第2部のまとめ
第3部 本書の位置づけと展望
第11章 本書の研究史上の位置づけ
11-1.テキスト言語学/テキスト文法とは
11-2.テキスト言語学/テキスト文法の研究史概観
11-3.本書の研究史上の位置づけ
第12章 残された問題と今後の展望
12-1.残された問題
12-2.今後の課題―実時間内処理可能性―
12-3.研究方法
12-4.(付説)堤説について
12-5.本章のまとめ
12-6.おわりに
参考文献
索引
あとがき
- 著者紹介
- 庵 功雄(いおり・いさお)
1967年大阪府生まれ。
1996年大阪大学文学研究科博士後期課程単位取得退学(1997年博士(文学)取得)。大阪大学文学部助手、一橋大学留学生センター専任講師を経て、現在一橋大学留学生センター准教授。
テキストレベルの文法対象、日本語教育のための文法(日本語教育文法)の研究を行っている。
[著書・主要論文]
『中上級を教える人のための日本語文法ハンドブック』(共著、スリーエーネットワーク)
『新しい日本語学入門』(スリーエーネットワーク)
『『象は鼻が長い』入門』(くろしお出版)
「「は」と「が」の選択に関わる一要因」『国語学』188
「ガ~シタイとヲ~シタイ」『日本語教育』86
「コノとソノ」『日本語類義表現の文法(下)』(くろしお出版)
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