現代日本語におけるヴォイスの諸相

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日本語研究叢書(フロンティアシリーズ) 22
現代日本語におけるヴォイスの諸相

事象のあり方との関わりから

林青樺[著]

定価
4,180円(3,800円+税)
ISBN
978-4-87424-438-8 C3081
発売日
2009/2/28
判型
A5
ページ数
256頁
ジャンル
日本語学 ― <日本語研究叢書(フロンティアシリーズ)>
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事象のあり方という観点から、現代日本語のヴォイスの対立・非対立の諸現象や、自動性・他動性とヴォイスとの関係を中心に考察を行う。【目次】「能動-受動」の対立が成り立たない〈慣用的受身文〉の位置付け/ほか


<日本語研究叢書(フロンティアシリーズ)>
■編集委員会:仁田義雄/田窪行則/野田尚史/益岡隆志/森山卓郎
現代日本語につ・・・(全文を読む)いての開拓的研究を、同学の士の共同財産とするために、できるだけ発表後すみやかに、廉価な形で刊行することを目的としたシリーズ。主に国内外で出された博士論文またはそれに準じる論文を刊行。品切あり。

関連情報

目次
◇第I部 序 論
■第1章 ヴォイス(voice)とは何か
 1.1 ヴォイスに関する研究
 1.2 本書におけるヴォイスの捉え方と問題提起

■第2章 先行研究の概観
 2.1 現代日本語のヴォイスと事象との関わりに関する研究
 2.2 現代日本語の受身文に関する研究
 2.3 現代日本語の自動性と他動性に関する研究

■第3章 本書の目的・方法及び概要
 3.1 本書の目的
 3.2 本書の方法と資料
 3.3 本書の構成

◇第II部 「能動-受動」の対立・非対立をめぐって
■第4章 「能動-受動」の対立が成り立たない〈慣用的受身文〉の位置付け
 4.1 はじめに
 4.2 先行研究
 4.3 〈慣用的受身文〉と従来の受身文との相違
 4.4 〈慣用的受身文〉と名詞句の有情性との関わり
 4.5 述語動詞の意味をめぐって
 4.6 おわりに

■第5章 動詞の意味から見た受身文の多様性と連続性
    ―「打たれる」を対象として―
 5.1 はじめに
 5.2 意味による「打たれる」のパターン化
 5.3 受身文の述部における意味派生
   ―「打たれる」と「打つ」との対照を通して
 5.4 意味から見た受身文の多様性と連続性
 5.5 おわりに

◇第III部 事象成立のあり方から見たヴォイス
■第6章 事象成立のあり方から見たヴォイスの対立
    ―受身文の否定の意味解釈を通して―
 6.1 はじめに
 6.2 事象成立の定義とそのあり方
 6.3 事象の不成立を表わす受身文の意味解釈
    ―《未成立》か《未生起》か
 6.4 構文の意味機能とヴォイスの対立
 6.5 おわりに

■第7章 事象の達成点のあり方をめぐって
    ―実現可能文と無標の動詞文との対照を通して―
 7.1 はじめに
 7.2 事象成立のあり方について
 7.3 事象における一次的達成点
   ―動詞の語彙的意味に内在する限界点
 7.4 事象における二次的達成点―連用修飾成分
 7.5 おわりに

■第8章 現代日本語における実現可能文の意味機能
    ―無標の動詞文との対比を通して―
 8.1 はじめに
 8.2 実現可能文の表わす事象と〈意志性〉との関係について
 8.3 現代日本語における実現可能文の意味機能をめぐって
 8.4 おわりに

◇第IV部 事象の生起に関わる諸要因から見た自動性・他動性とヴォイス
■第9章 事象の生起に関わる諸要因から見た自動性のあり方
    ―自動詞文・受身文・自発文を対象として―
 9.1 はじめに
 9.2 先行研究
 9.3 事象の生起に関わる諸要因から見た自動詞文における自動性のあり方
 9.4.意味的側面から見た受身文と自発文の類似性
 9.5 まとめ
 9.6 おわりに

■第10章 事象の生起に関わる諸要因から見た自動性と他動性のあり方
     ―受身文と能動文との対立を中心に―
 10.1 はじめに
 10.2 自動性と他動性について
 10.3 受身文と能動文に伴う自動性と他動性のあり方
 10.4 自動性と他動性の観点から見た受身文と能動文との対立
 10.5 おわりに

■第11章 事象の生起に関わる諸要因から見た受身文の「に」「から」「によって」の意味解釈
 11.1 はじめに
 11.2 先行研究
 11.3 考察対象について
 11.4 受身文における「に」・「から」・「によって」と事象との関わり
 11.5 受身文における「に」・「から」・「によって」の位置付けと自動性との関わり
 11.6 おわりに

◇第V部 本書の意義と今後の展望
■第12章 本書の意義
■第13章 結びと今後の展望
著者紹介
台湾台北市生まれ

台湾淡江大学日本語文学系卒業

東北大学文学研究科博士前期課程修了

東北大学文学研究科博士後期課程修了(博士(文学)

現在,台湾淡江大学日本語文学系助理教授