トートロジーの意味を構築する

トートロジーの意味を構築する

「意味」のない日常言語の意味論

酒井智宏[著]

定価
3,080円(2,800円+税)
ISBN
978-4-87424-565-1 C1080
発売日
2012/12/10
判型
四六
ページ数
432頁
ジャンル
言語学・英語学 ― 言語学専門
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あなたのまわりにいる日本語が通じない困った人たち。彼らにはなぜ「意味」が通じないのか。明晰な論述により著者が描き出すコミュニケーションの実像は、言語と人間に関心をもつ人すべてを瞠目させずにはおかない。

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目次
■第1章 トートロジーからの問いかけ
 1・1 トートロジーをめぐる三つの問い
 1・2 固有名を用いたトートロジーと一般名を用いたトートロジー
 1・3 第一の問いへの部分的回答と第四の問い
 1・4 二種類の「当たり前」と第五の問い
 1・5 第二の問いへの記述主義的回答
 1・6 第2章以降への旅立ちに向けて
 
■第2章 ラディカル語用論 vs ラディカル意味論
 2・1 ラディカル語用論
 2・2 ラディカル意味論
 2・3 ラディカル意味論への破産宣告
 2・4 ラディカル語用論ふたたび
 
■第3章 トートロジー論における認知革命
 3・1 等質化に基づくトートロジー論の登場
 3・2 藤田(一九八八、一九九〇、一九九三)の意義
 3・3 等質化に基づくトートロジー論への破産宣告
 
■第4章 トートロジーの意味を解体する
 4・1 トートロジーは恒真命題を表さない
 4・2 トートロジーはいかなる命題も表さない
 4・3 Xの意味は未定である
 4・4 言語内論証理論によるアプローチ
 
■第5章 トートロジーの意味を構築する
 5・1 失われたものと残されたもの
 5・2 二度目の命名行為としてのトートロジー
 5・3 使用が意味を規定していく
 5・4 意味の定義は終わらない 意味排除主義
 5・5 意味の習得に必要なもの
 5・6 トートロジーによる意味の規定
 5・7 類似性の源泉
 5・8 言語記号の恣意性
 5・9 トートロジーの話題を封じる機能
 5・10 トートロジーの規範性
 5・11 「対象なき固有名」論
 5・12 「対象なき固有名」のパラドックスとトートロジーの主観性の源泉
 5・13 実物とイメージ
 5・14 不毛なトートロジー
 5・15 信念不変の制約
 5・16 順行トートロジーと逆行トートロジー
 5・17 主題の二重性
 5・18 ディープ・トートロジー
 5・19 pをめぐるパラドックスの解消
 5・20 内的差異に関する全面的無関心を表すトートロジー
 5・21 説明拒否トートロジー
 5・22 並列型トートロジー

終章 語りえぬものは語りえぬものか


あとがき
著者紹介
酒井智宏(さかい・ともひろ)

1997年慶應義塾大学文学部卒業
2001~2002年フランス政府給費留学生
2003年10月東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了(博士(学術))
2004年1月パリ第8大学言語学専攻博士課程修了(Docteur en Sciencesdu Langage)
2003年~2006年東京大学21世紀COE「心とことば―進化認知科学的展開」研究拠点形成特任研究員
2006年~2009年日本学術振興会特別研究員PD
2009年~2011年東京大学大学院総合文化研究科学術研究員
2011年~2014年 跡見学園女子大学文学部助教
2014年4月~現在 早稲田大学文学学術院准教授

主要著作:『フランス語学小事典』(共著、駿河台出版社、2011年)