めしあがれサンプルページを見る

めしあがれ

食文化で学ぶ上級日本語

畑佐一味/福留奈美[著]

定価
2,200円(2,000円+税)
ISBN
978-4-87424-862-1 C2081
発売日
2021/5/13
判型
A5
ページ数
144頁
ジャンル
日本語教材 ― その他の日本語教材
オンライン書店
amazon.co.jp 楽天ブックス
リアル書店在庫
紀伊國屋書店 丸善・ジュンク堂書店・文教堂

日本の食文化をテーマに据えた、内容中心の上級レベル日本語読解教材。日本の食文化の多様な面を紹介し、理解を深めることを目的とし、簡単においしく作れる人気の日本食レシピを各章で紹介。本文とレシピは英語訳付で多様な日本語レベルの学習者に対応。

関連情報
【関連サイト】
「めしあがれweb」
https://one-taste.org/meshiagare/
追加資料・レシピ動画・語彙リストなどを掲載

【書評・紹介】
牧野成一氏(プリンストン大学名誉教授)からの、推薦のことばです。

-------
畑佐一味先生と福留奈美先生共著の『めしあがれ』の企画の時点で、こんなに今か今かと待っていた本はありませんでした。畑佐先生は食文化に手をつける前には落語家をアメリカの大学に招聘し、学生に落語文化を実践的に教えていて、そのときも感じたのですが、とにかく思い立ったら徹底的に日本語と日本語以外の日本文化を合体して、深く教えはじめる先生です。コロナ前から、コンピュータによる日本語教育も率先してやってきた先生です。

私は、日本語教育は言語だけではなく、言語と密着した日本文化を教えなければ、日本語学習は生きてこないと思っています。日本語がとりわけ深く染み込んでいる分野は食文化だと思います。料理法だけでなく食文化を「調理学の理論」で分析なさる福留奈美先生のお考えが見事にこの『めしあがれ』の分析を深めていると思います。

私は、およそ料理などはできないのですが、妻を失ってからは三度三度の食事を健康の観点から一人で作っています。料理を作るようになったいま、日本人(実は今はアメリカ人)として『めしあがれ』を使って日本食のことを学ぶには、絶好の機会だと思っています。 『めしあがれ』には日本食の歴史、地方におけるバリエーション、食べ方、作り方はもちろん、喫茶店、日本料理店、洋食店、そして料理のことばなど、143ページの中においしくつまっています。

『めしあがれ』は上級用の教科書として書かれていますが、英語版がついていますから、初級でも中級でも使えます。ぜひ学生に読ませてください。学生は喜ぶにちがいありません。おいしい授業になることまちがいなしです! どうぞめしあがれ!

牧野成一
-------
目次
第1章 日本の食文化の特徴
 column 味に関することば
 レシピ 天ぷら

第2章 関東と関西の料理の違い
 column 「くだらない」の意味と食べ物
 レシピ 月見蕎麦

第3章 出汁とうま味
 column 食感のことば
 レシピ だし巻き卵

第4章 寿司
 column 「さかな」の語源
 レシピ サーモンちらし寿司

第5章 洋食のはじまり
 column パン粉と生パン粉
 レシピ とんかつ

第6章 米
 column「落し蓋」ってどんな蓋?
 レシピ 炊き込みご飯

第7章 箸
 column きれいな箸の持ち方
 レシピ 味噌汁

第8章 和食の麺(うどん・蕎麦)
 column 麺の「コシ」ってなに?
 レシピ 手打ちうどん

第9章 弁当と駅弁
 column 海苔について
 レシピ おにぎり

第10章 給食
 column 1カップの謎
 レシピ ビーフカレーライス

第11章 郷土料理とB級ご当地グルメ
 column わんこ蕎麦
 レシピ 唐揚げ

第12章 食文化と価値観
 column 天ぷらの衣ってなに?
 レシピ 肉じゃが

第13章 ラーメン
 column ラーメンのことば
 レシピ 煮たまご入りラーメン

第14章 うなぎ(鰻)
 column 関西と関東の蒲焼きの違い
 レシピ 親子丼

第15章 お好み焼き
 column 「ねかす」って寝かす?
 レシピ お好み焼き
著者紹介
畑佐 一味・はたさ かずみ(Kazumi Hatasa)[主に本文担当]
パデュー大学言語文化学科教授
1989年イリノイ州立大学 Ph.D. 取得(教育学)。インディアナ州立パデュー大学外国語学科助教授、モナシュ大学准教授を経て現在に到る。2005年~2018年ミドルベリー大学夏期日本語学校ディレクター。
著書:『なかま1』『なかま2』(畑佐由紀子・牧野成一と共著/Cengage Learning/2014/2018)、『日本語教師のためのITリテラシー』(くろしお出版/2002)、『第二言語習得研究と言語教育』(畑佐由紀子・百済正和・清水崇文と共編著)/くろしお出版/2012)
▶1956年生まれ。東京都出身。落語・小噺と日本語教育での利用、原爆被爆者と海外での証言活動、東日本大震災ドキュメンタリー映画「きょうを守る」の多言語字幕活動、バーチャル・リアリティの日本語教育での可能性、日本の食文化をテーマにした授業など近年の活動範囲は多岐に渡る。

福留 奈美・ふくとめ なみ(Nami Fukutome)[主にレシピ担当]
東京聖栄大学健康栄養学部准教授
2012年お茶の水女子大学大学院にて博士(学術) 取得。専門分野は調理学。2020年早稲田大学大学院日本語教育研究科修士課程修了。フードコーディネーター、大学・短大・調理師専門学校などの非常勤講師を経て、現在に至る。
著書:『五感で楽しむ食の日本語』(ポリーザトラウスキー編/くろしお出版/2021)、『伝え継ぐ 日本の家庭料理』(日本調理科学会企画・編集/農山漁村文化協会/2018-2021)、『和食手帖』(和食文化国民会議監修/2018)(以上分担執筆) など。
▶1967年生まれ。高知県出身。調理操作・条件を表す用語・表現研究、食感オノマトペなどのおいしさ表現研究、和菓子の菓銘や料理名・食材名の命名研究など、日本の食女化、調理文化と日本語・日本語教育をつなぐ研究領域を開拓中。和食文化の保護・継承をライフワークとして、食育・味覚教育の講演や執筆活動に取り組む。