第二言語習得研究が解き明かす外国語の学習

近刊

第二言語習得研究が解き明かす外国語の学習

川崎眞理子/中西弘/西村浩子/三木浩平[編]

定価
2,640円(2,400円+税)
ISBN
978-4-87424-978-9 C3080
発売日
2024/6/10
判型
A5
ページ数
208頁
ジャンル
言語習得 ― 言語習得入門
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英語を流暢に運用できるようになるためには、その基盤となる技能(英語の音声・文字・単語・文法の効率的な処理)を熟達させることが必須。第二言語習得の研究成果をもとに、各処理段階の熟達化メカニズムと指導法を順に紹介する。

関連情報

目次
第1章 音声言語における知覚・認知・記憶のメカニズム
1. L2のリスニングの難しさ
2. Rost(2016)のリスニングの処理過程
2.1 神経学的処理
2.2 言語的処理
2.3 意味的処理
3. 聴覚性プライミング
3.1 聴覚性プライミングの実験例:Matsuda(2017a)
3.2 聴覚性プライミングの実験例:Matsuda(2017b)
4. L2の音声言語の知覚処理を促すために

第2章 シャドーイングの認知メカニズムと指導法
1. シャドーイングとは?
2. 音声知覚の自動化
2.1 シャドーイングが分節音の知覚・産出に及ぼす効果
2.2 シャドーイングがプロソディの知覚・産出に及ぼす効果
3. シャドーイングがもたらすその他の効果
4. シャドーイングを用いた学習・指導法とは?

第3章 英語識字の習得メカニズムと指導
1. なぜ文字が読める?
2. 日本語の識字と英語の識字
2.1 文字(書字)について
2.2 識字学習の進め方
2.3 ディコーディング:文字—音対応規則
2.4 流暢な読みへ
3. 識字学習・指導法
3.1 理論背景
3.2 実践例
4. 識字障がい・識字困難への理解と支援

第4章 語彙処理のメカニズム
1. 心内辞書(メンタルレキシコン)の構造
2. 語彙のもつ情報(形態、音韻、意味)へのアクセス
3. 語彙の認知処理に関する実証研究
3.1 同綴異義語とは?
3.2 単独で提示された同綴異義語の認知処理
3.3 文脈内での同綴異義語の認知処理
3.4 語彙の認知処理に関する実証研究から得られる読解課題へ
の示唆
4. 語彙アクセスにおける流暢性(スピード)の測定
4.1 語彙の単独処理における流暢性(スピード)の測定
4.2 多重処理における語彙処理の流暢性(スピード)の測定
4.3 語彙処理の速度に注目することの重要性

第5章 語彙学習のメカニズム
1. 偶発的学習と意図的学習
2. 語彙知識の諸側面:形態・意味・使用×受容知識・産出知識
3. 学習の「量」(quantity of learning):繰り返し学習
4. 注意の「質」(quality of attention):一度でも深い学習
4.1 レベル1:気づき(noticing)
4.2 レベル2:想起(retrieval)
4.3 レベル3:多様な遭遇・使用(varied encounters or varied use)
4.4 レベル4:精緻化(elaboration)
4.5 レベル5:情動関与処理(Emotion-Involved Processing)
5. 注意資源(attentional resource)と累積的な潜在記憶(implicit memory)
6. 語彙指導のアイデア:4要素の観点から
7. 理論と実践の連関

第6章 定型表現の処理のメカニズム
1. 英語定型表現とは何か?
1.1 定型表現の定義
1.2 定型表現の分類
2. 定型表現の処理メカニズム
2.1 認知文法
2.2 用法基盤モデル(Usage-based model)
2.3 定型表現の処理および期待される効果

第7章 定型表現の学習のメカニズムと指導
1. 英語学習者にとって定型表現の習得はなぜ難しいのか?
1.1 遭遇頻度が少ない
1.2 構成語が一般的で気が付きにくく、構成語から意味が推測しにくい
2. 定型表現の学習メカニズム
2.1 用法基盤モデルに基づいた言語習得論
2.2 インタラクション
3. 定型表現の学習を促進させるための学習・指導とは?
3.1 インタラクションを通した英語定型表現学習
3.2 多読・多聴を通した英語定型表現学習
3.3 音読を通した英語定型表現学習

第8章 文理解のメカニズムと学習・指導法
1. 統語処理は難しい?
2. 統語処理の心理メカニズム
2.1 統語処理とは?
2.2 統語処理を助ける手がかり
2.3 語彙情報の手がかり
2.4 音声情報の手がかり
3. 統語理解を促進させるための学習・指導法とは?
3.1 実践例
3.2 統語処理が促進されるしくみ

第9章 オールイングリッシュ(学習言語)指導理論と方法
1. オールイングリッシュ授業とは?
2. 理論的背景
2.1 L1 vs L2
2.2 授業内言語使用に対する教師と学習者のビリーフ(信念)
2.3 CLIL(内容言語統合型学習)における
translanguaging(トランスランゲージング)
3. オールイングリッシュを促進させるための学習・指導法とは?
3.1 指導案サンプル
3.2 授業内学習言語使用を熟慮した指導方法

第10章 4技能統合型の指導理論と方法
1. なぜ4技能統合型の指導なのか?
2. 第2言語習得習得におけるインプット・アウトプット・インタラクションの役割
3. TBLT
3.1 TBLTとは
3.2 タスクの定義と条件
3.3 タスクの種類
3.4 TBLTの流れと留意点
3.5 評価と教員の役割
3.6 TBLTの指導

第11章 第二言語習得を促進させる認知脳ネットワークと社会脳ネットワーク
1. 認知脳ネットワークによる第二言語習得
2. 社会脳ネットワークによる第二言語習得
3. ミラーシステムをもとにしたプロジェクション(投射)
4. 社会脳インタラクション能力を伸ばすオンライン国際協同学習実践
4.1 国際相互交流の種類
4.2 オンライン型の国際相互交流
著者紹介
上野育子 (うえの いくこ) 立教大学外国語教育センター准教授
門田修平 (かどた しゅうへい) 関西学院大学法学部名誉教授
金澤 祐 (かなざわ ゆう) 大阪大学大学院人文学研究科講師
川崎眞理子(かわさき まりこ) 長岡崇徳大学看護学部教授
中西 弘 (なかにし ひろし) 西南学院大学外国語学部教授
西村浩子 (にしむら ひろこ) 周南公立大学福祉情報学部講師
松田紀子 (まつだ のりこ) 近畿大学総合社会学部准教授
三木浩平 (みき こうへい) 近畿大学理工学部講師