第二言語習得における束縛原理

第二言語習得における束縛原理

その利用可能性

白畑知彦[著]

価格
3,800円+税
ISBN
978-4-87424-349-7 C0081
発売日
2006/7/10
判型
A5
ページ数
307頁
ジャンル
言語習得 ― 言語習得専門
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日本語の代表的な束縛表現である「自分」の習得を手がかりに、第二言語習得のメカニズムを考察する。UGの理論と具体的な実験とを結び付け、言語習得における束縛原理の利用可能性を提示。

関連情報

目次
第1章 序 論
 1.1 本書の目的
 1.2 言語習得研究の意義
 1.3 束縛表現概要
 1.4 実験の概要
 1.5 本書の構成

第2章 第二言語習得研究の変遷
 2.1 はじめに
 2.2 習慣形成理論
 2.3 習慣形成理論への反論
 2.4 生得的言語習得観の台頭
 2.5 誤りの分析と中間言語仮説
 2.6 誤り分析の貢献と限界
 2.7 自然習得順序研究
 2.8 生成文法理論的言語習得観
 2.9 母語からの転移
 2.10 その他の第二言語習得モデル
 2.11 脳科学と(第二)言語習得研究
 2.12 第2章のまとめ

第3章 普遍文法理論に基づく第二言語習得研究
 3.1 母語習得における論理的問題
 3.2 言語インプット
 3.3 言語インプットとUGの関連
 3.4 原理とパラメータのアプローチに基づく言語習得観
 3.5 第二言語習得における論理的問題
 3.6 第二言語習得での言語インプットの特性
  3.6.1 インプットの決定不全
  3.6.2 不完全性
  3.6.3 否定証拠の欠如
 3.7 第二言語習得におけるUGの利用可能性と母語からの転移
  3.7.1 UGの利用不可能仮説
  3.7.2 UGの利用可能仮説
 3.8 第二言語習得の初期状態仮説
  3.8.1 Full Transfer/Partial Accessモデル
  3.8.2 No Transfer/Full Accessモデル
  3.8.3 Full Transfer/Full Accessモデル
  3.8.4 Partial Transfer/Full Accessモデル
  3.8.5 Partial Transfer/Partial Accessモデル
 3.9 UG利用の検証
 3.10 Ritchie(1978)
 3.11 UGと一般問題解決能力との関係
 3.12 第3章のまとめ

第4章 束縛原理とその習得研究
 4.1 束縛表現概観
 4.2 束縛理論
 4.3 日本語と英語の束縛表現
 4.4 束縛表現の特性のまとめ
 4.5 「自分」とhimselfにおける相違
 4.6 部分集合の原理と言語習得
  4.6.1 有標性と無標性
  4.6.2 部分集合の原理
  4.6.3 統率範疇パラメータと適正先行詞パラメータ
  4.6.4 部分集合の原理を応用した母語習得のシナリオ
  4.6.5 部分集合の原理の第二言語習得への応用
 4.7 主語指向性と束縛性との関連
 4.8 日本語の束縛表現の理論的考察
  4.8.1 「自分」の相反する特性
  4.8.2 Katada(1991)
  4.8.3 Aikawa(1993, 1999)
  4.8.4 Nakamura(1989)と中村(1996)
 4.9 束縛表現の習得
 4.9.1 原理とパラメータのアプローチ以前の束縛表現の習得研究
 4.9.2 原理とパラメータのアプローチに基づいた束縛表現の習得研究
4.10 第4章のまとめ

第5章 臨界期仮説と第二言語習得
 5.1 はじめに
 5.2 母語習得における臨界期仮説
  5.2.1 Lennebergの臨界期仮説
  5.2.2 Genieの事例
  5.2.3 手話言語を使用した臨界期仮説研究
 5.3 第二言語習得における臨界期仮説
  5.3.1 はじめに
  5.3.2 子どもと成人学習者の相違
  5.3.3 多重臨界期仮説
  5.3.4 習得を疎外する様々な要因
  5.3.5 第二言語習得における臨界期仮説の先行研究
 5.4 臨界期仮説への疑問点
 5.5 第5章のまとめ

第6章 実験
 6.1 はじめに
 6.2 予備検査
 6.3 実験問題作成にあたっての留意点
 6.4 本実験で使用する主語指向性と束縛性の刺激文
  6.4.1 「自分」の主語指向性テスト
  6.4.2 「自分」の束縛性テスト
 6.5 刺激文の提示の仕方と習得/未習得の判断基準
 6.6 実験1:母語話者による「自分」の習得
  6.6.1 はじめに
  6.6.2 主語指向性の習得と長距離束縛性の習得との関連性
  6.6.3 主語指向性の習得
  6.6.4 実験1の被験者
  6.6.5 実験者
  6.6.6 実験手順
  6.6.7 実験結果
  6.6.8 実験1のまとめ
 6.7 実験2:英語母語話者の子どもを被験者とした縦断的研究
  6.7.1 はじめに
  6.7.2 実験2での仮説
  6.7.3 被験者
  6.7.4 実験手順
  6.7.5 結果と考察
  6.7.6 英語母語話者における「自分」の習得過程仮説
  6.7.7 実験2のまとめ
 6.8 実験3:成人学習者の「自分」の習得と年齢要因の調査
  6.8.1 はじめに
  6.8.2 調査課題
  6.8.3 実験3の被験者
  6.8.4 実験手順
  6.8.5 結果
  6.8.6 実験3のまとめ

第7章 研究結果の考察
 7.1 はじめに
 7.2 母語話者の結果のまとめ
  7.2.1 母語習得における主語指向性と長距離束縛性との関連
  7.2.2 母語習得における主語指向性の習得
  7.2.3 母語話者の実験結果と母語習得過程仮説の提示
 7.3 児童を被験者とした第二言語としての日本語習得過程のまとめ
  7.3.1 第二言語習得における局所束縛性と長距離束縛性の習得に関する仮説
  7.3.2 第二言語習得における「自分」の主語指向性の習得
  7.3.3 第二言語学習者の実験結果と第二言語習得過程提示
 7.4 成人第二言語学習者における「自分」の習得のまとめ
  7.4.1 臨界期仮説ならびに成人学習者の「自分」の習得過程調査
  7.4.2 実験3の結果のまとめ
 7.5 初期状態モデルの検証
  7.5.1 第二言語習得の初期状態仮説
  7.5.2 本実験結果からの示唆
  7.5.3 初期状態モデルに関する批判
 7.6 7章のまとめ

第8章 結論
 8.1 はじめに
 8.2 第二言語習得におけるUGの利用可能性
 8.3 習得の順序性
 8.4 第二言語習得の到達度
 8.5 母語からの転移
 8.6 臨界期仮説
 8.7 学習期間
 8.8 第二言語としての「自分」の習得過程
 8.9 今後の課題
著者紹介
静岡県生まれ。現在、静岡大学教育学部教授。博士(文学)