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移動とことば

川上郁雄/三宅和子/岩崎典子[編]

定価
3,520円(3,200円+税)
ISBN
978-4-87424-774-7 C3080
発売日
2018/8/8
判型
A5
ページ数
304頁
ジャンル
日本語教育 ― 日本語教育専門書
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リアル書店在庫
紀伊國屋書店 丸善・ジュンク堂書店・文教堂

国籍や出自によらない多様な越境が常態となった今日、「移動」という視点抜きに、流動的な「ことば」を語ることはできない。本書では、そのような「移動とことば」の常態を踏まえ、研究者自身が移動を続けながら研究テーマに向き合う地動説的研究を目指した。当事者のインタビューやライフストーリーをもとに、複数言語環境の中で移動する人々の、他者と・・・(全文を読む)の関係性、言語経験・記憶を解き明かす。

関連情報
【書評・紹介】
紀要『早稲田日本語教育学』(第26号)に『移動とことば』の書評が掲載されました。
評者は牲川波都季氏(関西学院大学)。「空間的にも言語的にも移動が常態にある者の側に立ち、「人とことばと社会」の関係をリアルに捉えること、それが本書を貫く問題意識」。
https://waseda.repo.nii.ac.jp/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=47072&item_no=1&page_id=13&block_id=21
目次
序章 なぜ「移動とことば」なのか(川上郁雄)

第1部 移動の中のことばとアイデンティティ

第1章
「ハーフ」の学生の日本留学―言語ポートレートが示すアイデンティティ変容とライフストーリー
(岩﨑典子)

第2章
移動する青年のことばとアイデンティティ―オーストラリアで継承日本語を学ぶ学生の事例から
(倉田尚美)

第3章
日仏国際家族環境を背景に持つ日本語専攻修了生の「移動」の経験と意味づけ
(山内薫)

第4章
子どもたちが「移動しながら生きる自分と向き合う」授業実践―シンガポール日本人学校の事例から
(本間祥子)

第5章
外国につながる子どものキャリアデザイン―「国」「ことば」の認識との関わりに着目して
(人見美佳・上原龍彦)

第2部 移動の中のことばとライフ

第6章
国際結婚家庭2世代の「移動」と「選択」―母から娘の50余年間の軌跡をたどる
(三宅和子)

第7章
ある中国残留孤児の系譜―一世から四世までのインタビュー
(上田潤子)

第8章
移住者の語りに見られる「経験の移動」が示唆するもの―Agencyという観点から
(八木真奈美)

第9章
国境を超えたあるろう者のライフストーリー―ろう者にとっての「移動」と「ことば」
(大塚愛子・岩﨑典子)

第10章
移動するパキスタン人ムスリム女性の青年期の言語生活
(山下里香)

第11章
「移動する子ども」からモバイル・ライブズを考える
(川上郁雄)

展望討論
「移動とことば」研究とは何か
(三宅和子・岩﨑典子・川上郁雄)
著者紹介
川上 郁雄(かわかみ いくお)
早稲田大学大学院日本語教育研究科教授。博士(文学)。専門は、日本語教育、文化人類学。主著に、『越境する家族―在日ベトナム系住民の生活世界』(明石書店)、『「移動する子どもたち」のことばの教育学』(くろしお出版)、『「移動する子ども」という記憶と力―ことばとアイデンティティ』(編著、くろしお出版)など。

三宅 和子(みやけ かずこ)
東洋大学文学部教授。博士(文学)。専門は、社会言語学、日本語学、日本語教育。主著に、『日本語の対人関係把握と配慮言語行動』(ひつじ書房)、『メディアとことば』1、2、4(共編、ひつじ書房)、『「配慮」はどのように示されるか』(共編、ひつじ書房)など。

岩﨑 典子(いわさき のりこ)
ロンドン大学SOAS言語学科准教授。PhD(応用言語学)。専門は、日本語教育、第二言語習得など。主著に、The grammar of Japanese mimetics: Perspectives from structure, acquisition and translation(共編、Routledge)、The Routledge intermediate-advanced Japanese reader: A genre-based approach to reading as a social practice(共著、Routledge)など。