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「日系」をめぐることばと文化

移動する人の創造性と多様性

松田真希子/中井精一/坂本光代[編]

定価
3,080円(2,800円+税)
ISBN
978-4-87424-914-7 C1030
発売日
2022/10/7
判型
A5
ページ数
240頁
ジャンル
言語政策 ― 言語政策入門
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amazon.co.jp 楽天ブックス
リアル書店在庫
紀伊國屋書店 丸善・ジュンク堂書店・文教堂

100年以上の歴史を持つ日系人のコミュニティ。そこで行われてきた日本語日本文化と現地の言語文化の間の葛藤、挑戦、実践は、現代社会にどう活かせるか。マイノリティの言語文化教育も視野に入れ、当事者たちの声を聞く。

関連情報

目次
第1章 南米日系日本語教育の創造性と多様性
松田真希子

第2章 ケイショウゴ教育の変遷について―オーストラリアとブラジルを例に―
トムソン木下千尋

第3章 「違い」の感覚を生きる
福島青史、長谷川アレサンドラ美雪

 コラム1 複数の言語と文化に触れること
 松崎かおり

第4章 多様化社会のファミリー・ランゲージ・ポリシー
伊澤明香

第5章 日系4世の継承語・文化保持の可能性
坂本光代

第6章 ニッケイ・アイデンティティについて考える
水上貴雄

第7章 スタイル万能神話の崩壊
―状況に応じて、話す言語に応じて、人間(キャラ)が非意図的に変わるということ―
定延利之

第8章 自分のことばをつくっていく意味
三輪聖

第9章 CLD児のことばの可視化と全人的教育
中島永倫子、櫻井千穂

 コラム2 離れて眺めて、混ざる良さに気づく
 サウセド金城晃アレックス

第10章 日系ブラジル人にとっての「日本」、そして「郷土」
中井精一

第11章 ブラジルに根をはる俳句・ハイカイ
白石佳和

第12章 ボリビア日系社会の言語接触と混合言語
ダニエル・ロング

 コラム3 “Why me?”―なぜ私がシドニーにいるか―
 寺本不二子

第13章 昆布に分散化されたアイデンティティ
尾辻恵美

第14章 彷徨える文化、言語、アイデンティティ
岡田浩樹
著者紹介
松田 真希子(まつだ まきこ)
金沢大学融合研究域、 同大学院人間社会環境研究科教授。大学時代のインド留学をきっかけに日本語教育に興味をもち、約20年、日本の大学で留学生の言語文化教育に従事。2005年にブラジル人を含む外国人の地域ボランティア活動に参加したことから南米日系人の言語文化研究へ。移動先で個人や家族が努力して適応するのではなく、誰もがありのままで参加できる社会デザインの研究や言語研究に取り組んでいる。

中井 精一(なかい せいいち)
同志社女子大学表象文化学部日本語日本文学科教授。博士(文学)(大阪大学)。専門は、日本語学、社会言語学。金関恕先生の指導を受け考古学者になることを目指すが、学部4年生の春に真田信治先生と出会い、方言研究・社会言語学に転進した。自分の目で見て、耳で聞き、舌で味わい、自身のことばで語ることを信条に各地で調査・研究に取り組んでいる。

坂本 光代(さかもと みつよ)
上智大学外国語学部英語学科、同大学院言語科学研究科教授。トロント大学大学院より2000年に博士号取得。バイリンガル研究の第一人者ジム・カミンズ博士に師事。8歳で渡加、30年以上カナダで過ごす中、自身の言語習得課程について疑問・興味を持ったことがきっかけでこの分野に進んだ。専門はバイリンガル・継承語・多文化教育。