日本語教育のフロンティア

品切

日本語教育のフロンティア

学習者主体と協働

小川貴士[編著]

定価
2,750円(2,500円+税)
ISBN
978-4-87424-393-0 C3080
発売日
2007/10/19
判型
A5
ページ数
224頁
ジャンル
日本語教育 ― 日本語教育専門書
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日本語教育の新機軸「学習者主体と協働」の理論、実践、考察、そして新理論へ。日本語教育における知の上昇スパイラルを展望する9編。

関連情報

目次
第1章 新しい言語教育をめざして

:母語・第二言語教育の連携から言語教育実践研究へ

  細川英雄

1. はじめに-母語と第二言語を結ぶ視点から

2. 日本の母語教育の現状と課題

3. 日本語教育の目的主義的現状から

4. 母語と第二言語の別を超えた第三の言語教育へ

5. おわりに-仲介者としての言語教育実践者



第2章 主体的なコミュニケーションをどうクラスで実現させるか

:文芸批評論のコミュニケーション論との関連から

  小川 貴士

1. はじめに

2. 学習者主体とは?

3. バフチンによるコミュニケーション論の「参加モデル」

4. イザーとヤウスのテキスト論

5. 問題の所在を見つける機会としての「経験」

6. おわりに

 

第3章 母語話者による第二言語話者の語りの支援

  西口光一

1. はじめに

2. 問題意識- 従来の分析の問題点

3. トランスクリプリョン法

4. 語りの協働構築

5. バフチンの対話原理

6. 結論



第4章 日本語学習者はどのように「第三の場所」を実現するか

:「声」を発し響き合わせる「対話」の中で

  矢部まゆみ

1. はじめに

2. 「第三の場所」-自分なりの「意味」を創造できる場

3. 「第三の場所」と対話

4. 日本語学習・日本語教育の中での「第三の場所」

5. 考察-異言語の枠組みでの対話と「第三の場所」の実現

6. まとめと課題-教室活動の意義と教師の役割



第5章 未来を切り拓く社会実践としての日本語教育の可能性

:メディア・リテラシー育成を通じた学びの実践共同体をデザインする

  岡本能里子

1. はじめに

2. 理論的背景-「円滑なコミュニケーション」から「社会変革」のための日本語教育へ

3. 授業概要-メディア・リテラシー育成をめざした日本語授業

4. 授業実践報告

5. 実践の分析と考察

6. 結論

7. 今後の課題-境界線を越えて拡張する「学びの実践共同体」

8. おわりに



第6章 韓国外国語高校における学習者主体の「日本文化」授業

  三代純平

1. はじめに

2. 韓国の高校における日本文化教育

3. 学習者主体の「文化」再考

4. 韓国外国語学校における「日本文化」実践報告

5. 実践の考察

6. まとめ

7. 課題と展望



第7章 学部初年次教育としての日本語教育に求められるもの

:帰国生に対する教育実践から

   小澤伊久美

1. はじめに

2. ICUにおける帰国生対象の日本語コースとはどのようなものか

3. SJの実践を振り返る-読解教育・論文執筆指導の課題

4. 学部初年次教育としての日本語教育の核は何か



第8章 日本語教材の文化トピックからの学習者の発想

:学習者とのインタラクションの解明に向けたPAC分析の可能性

   丸山千歌

1. はじめに

2. PAC分析という研究手法

3. 方法

4. 結果1-調査協力者Aの例

5. 結果2-調査協力者Bの例

6. 総合的考察-学習者とのインタラクションの解明に向けたPAC分析の可能性と課題



第9章 「ラディカルな探求」としての日本語教育

   西條美紀

1. はじめに

2. Engestromの学習の4カテゴリー

3. 4つのカテゴリーへのコミュニケーション教育のあてはめ

4. 生成的学習論に基づいた教育-理科教育の例から

5. グループで行う探求的な学び

6. 「ラディカルな探求」としての日本語教育

7. おわりに
著者紹介
小川 貴士(おがわ・たかし):国際基督教大学 日本語教育課程