日本語の複文

日本語の複文

条件文と原因・理由文の記述的研究

前田直子[著]

価格
3,200円+税
ISBN
978-4-87424-437-1 C3081
発売日
2009/2/28
判型
A5
ページ数
288頁
ジャンル
日本語学 ― 日本語学専門
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現代日本語における副詞的修飾節をもつ複文のうち、従来、条件文、原因・理由文などを主対象に、これらの文が相互にどのような関係にあるかを考察し、それをもとに、具体的な複文接続辞の用法について網羅的記述を試みる。

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目次
   まえがき(仁田義雄)

■序章 はじめに
 1.本書の目的
 2.本書の構成と概観


◇第1部 現代日本語の複文
■第1章 複文の分類
 1.複文とは何か
 2.複文の分類――先行研究
 3.複文の分類――本書の立場、目的と構成
  3.1 複文の分類
  3.2 「レアリティー」 
第2章 接続辞の範囲と分類
 1.用語の解説
 2.接続辞の範囲と分類
  2.1 論理文
  2.2 状況文


◇第2部 論理文
■第3章 「論理文」の体系性
 1.「論理文」とは
  1.1 坂原茂(1985)『日常言語の推論』
  1.2 小泉保(1987)「譲歩文について」
  1.3 本書における「論理文」
 2.「レアリティー」という観点の有用性
  2.1 条件文と理由文の関係
  2.2 条件と逆条件の類似的関係
  2.3 反事実的条件文と原因・理由文の関係
  2.4 原因・理由を表す「ために」と目的を表す「ために」
 3.本章のまとめ

■第4章 条件文
 1.条件文の意味と範囲
  1.1 条件接続辞の様々な用法
  1.2 「レアリティー」による条件文の分類
  1.3 条件文各論
   1.3.1 仮定的用法について―反事実的用法および仮説的用法
   1.3.2 事実的な仮定条件について
   1.3.3 多回的な条件文―一般条件文および反復・習慣条件文
   1.3.4 様々な状況を表す場合
   1.3.5 非条件的な用法について
  1.4 「なら」の特殊性
  1.5 「と」の特殊性
  1.6 語用論的意味による制限
  1.7 まとめ
 2.仮定的条件文における「ば・なら・と・たら」の使い分け
  2.1 先行研究
  2.2 使い分けの諸相
   2.2.1 仮定的条件文とは
   2.2.2 基本的な使い分けの基準
   2.2.3 4形式の用法の重なり
  2.3 まとめ
 3.非仮定条件文における「ば・なら・と・たら」の使い分け
  3.1 非仮定的条件文とは
  3.2 連続
  3.3 きっかけ
  3.4 発見
   3.4.1 発見の用法
   3.4.2 発見と連続・きっかけの関係
   3.4.3 発見の「と」と「たら」
  3.5 発現
   3.5.1 発現の用法
   3.5.2 発現の「と」と「たら」
   3.5.3 発見と発現、および連続・きっかけとの関係
  3.6 「と」に置き換えられない「たら」
   3.6.1 四つの基本用法の場合
   3.6.2 「と思ったら」の場合
  3.7 「ば」の非仮定的用法
  3.8 まとめ
 4.その他の形式
  4.1 「ては」
   4.1.1 「ては」の用法
   4.1.2 条件文を表す場合
   4.1.3 多回的生起を表す場合
   4.1.4 その他の複合的用法
   4.1.5 「ては」条件文の意味的な制約
   4.1.6 まとめ
  4.2 場合(に・には・は)
   4.2.1 条件を表す「場合」
   4.2.2 まとめ―「場合」の制約
 5.本章のまとめ―条件文と時間的状況文の相互関係

■第5章 原因・理由文
 1.原因・理由文の3分類
  1.1 原因・理由文の従来の2分類―「どうして」との関わり
  1.2 根拠を表す原因・理由文
  1.3 原因・理由を表すとは言い難い「から」文
  1.4 まとめ―原因・理由文の分類
  1.5 原因・理由を表す接続辞の分類
 2.「から」と「ので」
  2.1 「から・ので」の共通点
  2.2 「から」と「ので」の相違点
   2.2.1 形態論的な違い
   2.2.2 後節に現れる文のタイプ(モダリティ形式)の違い
   2.2.3 意味的な違い
   2.2.4 文のレベルにおける違い
   2.2.5 文体的な違い
   2.2.6 慣用的な用法の違い
  2.3 まとめ
 3.事態系の原因・理由文
  3.1 「ため(に)」
   3.1.1 「ため(に)」の特徴――「から・ので」との違い
   3.1.2 「ため」と「ために」の違い
  3.2 「だけに」
   3.2.1 先行研究と問題点
   3.2.2 「だけに」の意味
   3.2.3 後件の意味的制約
   3.2.4 「だけあって」 
  3.3 「ばかりに」
   3.3.1 先行研究
   3.3.2 「ばかりに」の意味
   3.3.3 後件のマイナス性
   3.3.4 その他の「ばかりに」
  3.4 「せいで・おかげで」
   3.4.1 原因・理由を表す接続辞としての用法
   3.4.2 述語用法
   3.4.3 「名詞+の」に続く形
   3.4.4 意味的な相補性
  3.5 「もので・ものだから」
   3.5.1 原因・理由を表す「もので・ものだから」
   3.5.2 統語的な特徴
   3.5.3 意味的な特徴
   3.5.4 終助詞的な用法
 4.判断系の原因・理由文
  4.1 「のだから」
   4.1.1 先行研究――意味的および統語的特徴
   4.1.2 「のだから」の用法――「から・ので」との違い
  4.2 「からには」・「以上」
   4.2.1 「からには」・「以上」の意味
   4.2.2 「からには」と「以上」の相違点
   4.2.3 「のだから」との相違点
  4.3 「からこそ」 
   4.3.1 「からこそ」の意味
   4.3.2 構文的な特徴
 5. 本章のまとめ

■第6章 逆条件・逆原因
 1.逆条件と逆原因の意味――「のに」と「ても」について
 2.「ても」
  2.1 「ても」文の従来の位置づけと問題点
   2.1.1 「条件の否定」説
   2.1.2 「条件のとりたて」説
  2.2 「ても」の用法
   2.2.1 「て」形の並列・とりたて
   2.2.2 並列条件
   2.2.3 逆条件
   2.2.4 並列・逆条件
  2.3 とりたて助詞「も」と「ても」の関係
   2.3.1 とりたて助詞「も」と「ても」の類似点
   2.3.2 とりたて助詞「も」と「ても」の相違点
   2.3.3 「ても」の特殊用法の解釈
  2.4 その他の逆接条件づけの形式
  2.5 まとめ
 3.「のに」
  3.1 「のに」文の位置づけと問題点
  3.2 形態論的な特徴
  3.3 「のに」の意味的な用法分類
   3.3.1 論理文としての「のに」文
   3.3.2 逆接の原因・理由づけとは考えられない「のに」
   3.3.3 「のに」の基本的な意味――「が・けれども」、「ても」との
     意味的な違い
   3.3.4 「のに」の非従属的な用法
  3.4 統語的な特徴
   3.4.1 後節のモダリティ制約
   3.4.2 後節の制限の例外(1)――疑問文が現れる場合
   3.4.3 後節のモダリティ制約の例外(2)――禁止文が現れる場合
   3.4.4 否定と「のに」文――原因・理由文と置き換えられる「のに」
  3.5 まとめ
 4.その他の形式
  4.1 「たって」
   4.1.1 逆条件を表す「たって」
   4.1.2 「たって」の特徴
   4.1.3 「たって」の用法
  4.2 「としても」
  4.3 「ところで」
  4.4 「ようとも」
  4.5 「ようと」
  4.6 「ようが」
  4.7 「くせに」
 5.本章のまとめ


◇第3部 結論
■終章 おわりに
 1.複文の分類
 2.論理文
 3.条件文
 4.原因・理由文
 5.逆条件文・逆原因文
 6.結び
著者紹介
前田 直子(まえだ なおこ)

1964年静岡県生まれ

東京大学文学部言語学専修課程卒業

東京外国語大学大学院外国語学研究科日本語学専攻修了

大阪大学大学院文学研究科日本学専攻単位取得退学

同大学より博士(文学)の学位を取得

東京大学留学生センター助教授を経て、学習院大学文学部日本語日本文学科教授