「言いさし文」の研究

「言いさし文」の研究

白川博之[著]

定価
4,180円(3,800円+税)
ISBN
978-4-87424-451-7 C3081
発売日
2009/6/17
判型
A5
ページ数
226頁
ジャンル
日本語学 ― 日本語学専門
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「『言いさし』ではない。完結した内容を持つ『言い終わり』である」と提言する著者による、「言いさし文」を分析した著書。複文の研究や話し言葉の文法の研究課題を共有する「言いさし文」の研究から文法研究の新しい地平を開く。

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目次
 ■序章 「言いさし文」の概観
   1. 本書の目的
   2. 本書の立場
   3. 言いさし文の類型
   4. 本書の構成

◇第1部 言い尽くしの「言いさし文」

 ■第1章 ケド節による言い尽くし
   1. はじめに
   2. 「言い尽くし」のケド節の類型
   3. 倒置的な用法
   4. 挿入的な用法
   5. 終助詞的な用法
   6. ケド節による「言いさし文」の機能
   7. まとめ

 ■第2章 カラ節による言い尽くし
   1. はじめに
   2. 理由を表さない「から」の様々
   3. カラ文のバリエーションと談話的機能
   4. 理由を表さないように見える「から」
   5. まとめ

 ■第3章 タラ節・レバ節による言い尽くし
   1. はじめに
   2. タラ節による「言いさし文」の用法
   3. レバ節による「言いさし文」の用法
   4. タラ節とレバ節の使い分け
   5. まとめ

◇第2部 関係づけの「言いさし文」

 ■第4章 カラ節による関係づけ
   1. はじめに
   2. 「からだ」の使用条件-久野説の検討-
   3. 「からだ」を積極的に使うのはどんな場合か?
   4. 「から」による理由の説明
   5. 同根の問題
   6. まとめ

 ■第5章 シ節による関係づけ
   1. はじめに
   2. 〈併存用法〉と〈列挙用法〉
   3. シ節による「言いさし文」の位置づけ
   4. 談話におけるシ節の機能
   5. まとめ

 ■第6章 テ形節による「言いさし文」
   1. はじめに
   2. 「て」の終助詞的な用法
   3. テ形節による「言いさし文」の文脈依存性
   4. まとめ

◇第3部 文としての「言いさし文」

 ■第7章 「言いさし文」の文法的位置づけ
   1. はじめに
   2. 「言いさし文」と独立文の平行性
   3. 「言いさし文」と「完全文」の従属節の異質性
   4. まとめ

 ■第8章 日本語教育における「言いさし文」
   1. はじめに
   2. 文型としての「言いさし文」
   3. 補足説明の必要のある「言いさし文」
   4. 誤解を招く恐れのある「言いさし文」
   5. まとめ
著者紹介
東京都出身。筑波大学助手、広島大学講師、助教授を経て、現在、広島大学教授。