ラル形述語文の研究

ラル形述語文の研究

川村大[著]

価格
5,400円+税
ISBN
978-4-87424-572-9 C3081
発売日
2012/11/1
判型
A5
ページ数
448頁
ジャンル
日本語学 ― 日本語学専門
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紀伊國屋書店 丸善・ジュンク堂書店・文教堂

受身など多様な意味を持つとされる「動詞+レル・ラレル形」について、古代語を主たる対象とし、学史見直し・精緻な記述を経て多義の構造の本質に迫る。古代語研究者だけでなく現代語や言語類型論の研究者にも広い知見を与える一冊。

関連情報

目次
序  

■第一章 本書の目的と課題
 一・一 本書の目的  
 一・二 動詞〔ラレル〕形述語文をめぐる諸課題  
 一・二・一 受身文の定義をめぐって  
 一・二・二 各用法の整理・再確認をめぐって  
 一・二・三 多義の問題をめぐって  
 一・三 三つの課題の関係  
 一・四 本書の構成  
 一・五 本書の資料、その他  
 注  
 
■第二章 受身文概念の再検討
      ―受身文研究の二つの立場をめぐる研究史から―
 二・一 本章の課題―受身文概念再検討の必要性―  
 二・二 受身文の下位分類をめぐる二つの立場  
 二・三 「下位分類への関心」の萌芽  
 二・四 立場A(「まとも/はた迷惑」などに注目する立場)の発生と展開  
 二・四・一 立場Aの確立以前  
 二・四・二 立場Aの成立  
 二・四・三 立場Aの展開  
 二・五 立場B(「被影響/無影響」などに注目する立場)の発生と展開  
 二・五・一 立場Bの発生  
 二・五・二 立場Bの“古典的”了解の確立  
 二・五・三 立場Bの展開  
 二・五・四 立場Bの“古典的”了解に対する修正  
 二・五・五 〈被影響〉の内実規定  
 二・五・六 「発生状況描写」タイプの位置付け  
 二・五・七 〈被影響〉の意味の出現条件についての補足―従属句の場合―  
 二・六 立場Aと立場Bの位置関係をめぐる議論  
 二・六・一 はじめに  
 二・六・二 佐久間鼎の松下大三郎理解  
 二・六・三 原田信一の国語学者批判  
 二・六・四 高見健一の益岡隆志批判  
 二・六・五 久野すすむの黒田成幸批判  
 二・七 受身文の定義問題と立場A・立場B  
 二・七・一 意味的特徴による受身文規定をめぐる二つの立場  
 二・七・二 「受身文」の再規定―研究史見なおしの成果として―  
 注  
 
■第三章 ラル形述語文の諸用法
 三・一 本章の課題と記述の方針  
 三・二 受身用法・発生状況描写用法  
 三・二・一 「受身文」をめぐる検討点  
 三・二・二 格体制  
 三・二・三 直接受身文  
 三・二・四 間接受身文、〈はた迷惑〉の受身文  
 三・二・五 非情物主語受身文の類型  
 三・二・六 「受身用法」の再定義  
 三・三 自発用法  
 三・三・一 「自発文」をめぐる検討点  
 三・三・二 定義  
 三・三・三 使用される動詞、格体制  
 三・三・四 〈自発〉の下位類型  
 三・四 意図成就用法・可能用法  
 三・四・一 「可能文」をめぐる検討点  
 三・四・二 「可能文」の表す意味の類型―〈可能〉と〈意図成就〉―  
 三・四・三 古代語における意図成就用法・可能用法  
 三・四・四 使用される動詞、格体制  
 三・五 尊敬用法  
 三・五・一 定義、格体制  
 三・五・二 尊敬用法の下位類型  
 三・六 まとめ  
 三・六・一 諸用法と格体制の関係  
 三・六・二 古代語ラル形述語文における「主語」  
 注  
 
■第四章 ラル形述語文諸用法の統一的把握
 四・一 本章の課題と構成  
 四・二 先行研究の検討  
 四・二・一 説明の仕方をめぐる二つの立場  
 四・二・二 個別用法の間に拡張・派生の関係を想定する諸説 
 四・二・三 個別用法とは別の次元に〔ラレル〕形固有の性格を想定する諸説  
 四・三 「出来文」説によるラル形述語文の統一的把握  
 四・三・一 はじめに  
 四・三・二 「出来文」説の概要―〔ラレル〕形述語の「事態の捉え方」―  
 四・三・三 諸用法が現れる論理  
 四・三・四 ラル形述語文と表現上の意味との関係  
 四・三・五 表現上の意味と格体制との相関  
 四・三・六 古代語ラル形述語文の統一的把握における「出来文」説の有効性  
 四・四 本書の見解と「出来文」説との関係  
 四・五 補説 動詞ラル形の成立をめぐって―自動詞語尾由来説との関連から―  
 四・五・一 自動詞派生語尾と出来動詞派生語尾との間  
 四・五・二 動詞の自他対応  
 四・五・三 語彙的出来動詞の成立  
 四・五・四 助動詞ユ・ルの成立  
 四・五・五 おわりに  
 注  
 
■第五章 見ユ・聞コユ・思ユ(思ホユ)をめぐって
 五・一 本章の課題と構成  
 五・二 語構成の認定をめぐって  
 五・三 出来動詞としての用法  
 五・三・一 検討の範囲  
 五・三・二 対立する動詞ラル形の存否―「見らる」の欠如について―  
 五・三・三 自発用法―〈知覚・認識次元でのモノの出現・存在〉―  
 五・三・四 意図成就用法・可能用法  
 五・三・五 受身用法  
 五・三・六 まとめ  
 五・四 格体制  
 五・四・一 問題関心のありか  
 五・四・二 自発用法  
 五・四・三 意図成就用法・可能用法  
 五・四・四 受身用法  
 五・四・五 まとめ  
 五・五 その他の用法  
 五・五・一 はじめに   
 五・五・二 〈結婚する〉(見ユ)  
 五・五・三 〈コトの視覚的描写〉(終止形接続のミユ)  
 五・五・四 〈申し上げる〉〈受け手尊敬〉(聞コユ)  
 五・五・五 〈似る〉(思ユ)  
 五・五・六 〈思い出す・そらで言う〉(思ユ)  
 五・五・七 まとめ  
 注  
 
■第六章 尊敬語補助動詞の待遇対象をめぐって
 六・一 問題関心のありか  
 六・二 現代語「出来文」における尊敬語補助動詞の待遇対象  
 六・三 受身用法の《被影響者》  
 六・四 自発用法・意図成就用法・可能用法の《行為者》  
 六・五 自発用法・意図成就用法・可能用法の《対象》  
 六・六 現代語との相違  
 六・七 主語認定の問題との関係について  
 注  

調査資料  

文献

あとがき

索引
著者紹介
1965年、新潟県生まれ。

東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了。同博士課程中退。

現在、東京外国語大学大学院総合国際学研究院准教授。

博士(文学)[東京大学大学院人文社会系研究科 2012年]