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上方落語にみられる待遇表現

角岡賢一[著]

定価
4,400円(4,000円+税)
ISBN
978-4-87424-881-2 C3081
発売日
2021/11/18
判型
A5
ページ数
284頁
ジャンル
日本語学 ― 日本語学専門
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上方落語にみられる待遇表現について分析した書。待遇表現の言語化が求められた商いの地である船場の言葉遣いを中心に、今まで省みられることがなかった卑罵語や尊大語も含めて考察。龍谷大学国際社会文化研究所叢書として刊行。

◼︎「端書き」より
商いの中心地である船場においては、当主-番頭-手代-丁稚という職階が厳然としてあり、自ずから・・・(全文を読む)待遇表現の言語化が求められます。また尊敬語と謙譲語を分析してみると、尊敬語は上方言葉独自の語彙が多いのに対して、謙譲語は現代の標準的な日本語と共通している語が多いことなどが明らかになってきました。尊敬語と謙譲語を敬語として捉えるのは伝統的でしょうが、本書では卑罵語と尊大語を仮に「卑尊語」として括り、敬語と対置してみました。(中略)
本書の構成は、通常の言語学書と些か趣を異にしている面があるかと考えております。それは、船場言葉を中心とする上方言葉を対象にしている点、丁稚や女子衆が住み込みで店で働いていた時代などに起因するものと思います。言語学という眼鏡越しですが、本書が古い時代の船場言葉を記録に留めるという役割を果たすことも望みます。

関連情報

目次
第一章 はじめに

第二章 待遇表現
 第一節 はじめに
 第二節 日本語待遇表現の体系
 第三節 統語範疇別の考察

第三章 尊敬語
 第一節 はじめに
 第二節 尊敬語の語彙項目
 第三節 否定形式
 第四節 尊敬語の女性語
 第五節 纏め

第四章 謙譲語
 第一節 はじめに
 第二節 謙譲語の語彙項目
 第三節 纏め

第五章 尊大語
 第一節 はじめに
 第二節 尊大語の実例
 第三節 纏め

第六章 卑罵語
 第一節 はじめに
 第二節 音声的・音韻的変化
 第三節 形態素--接辞
 第四節 卑罵語の語彙
 第五節 成句
 第六節 反語形式
 第七節 二重卑罵語
 第八節 纏め

第七章 結び
著者紹介
角岡 賢一(かどおか けんいち)
神戸大学大学院文化学研究科 単位取得満期退学
龍谷大学講師、助教授を経て教授
主著『日本語オノマトペ語彙の音韻的・形態的体系性について』(くろしお出版)
『節音調の機能についての選択体系文法による分析』(成美堂)
『機能文法による日本語モダリティ研究』(編著、くろしお出版)
A Linguistic Study of Kamigata Rakugo (松柏社)
Japanese Mood and Modality in Systemic Functional Linguistics (編著、John Benjamins)