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言語コミュニケーションの多様性

窪薗晴夫/朝日祥之[編]

定価
3,740円(3,400円+税)
ISBN
978-4-87424-894-2 C3081
発売日
2022/3/15
判型
A5
ページ数
216頁
ジャンル
日本語学 ― 日本語学専門
オンライン書店
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本書はAI研究におけるコミュニケーションの現状や、様々なコーパス及び在外資料を活用したコミュニケーションの実態の把握と検討、また日本語学習者や発達障害児の言語とコミュニケーションの関係などをまとめた論文集である。

■「まえがき」より
中島氏の論考は「AI and 対話」と「AIを相手として対話する」の2つの視点からAI研究の・・・(全文を読む)歴史と現状を検討し、人間とAIシステムの違いを解説したものである。続く5つの論考は、国立国語研究所が構築してきた方言コ ーパス、歴史コーパス、日常会話コーパス、学習者コーパス、在外資料など言語資源を活用して、配慮の表現・行動の観点からコミュニケーションの実態を探り、そこに潜む問題点を検討している。
後半の4つの論考は、「健常な成人の母語話者によるコミュニケーション」を対象にした旧来のコミュニケーション研究から、外国語として日本語を学ぶ人(日本語学習者)や障害を持つ人、さらには外国語との比較などに視点を広げ、言語とコミュニケーションの関係を考察したものである。
本書の刊行を通じて、言語とコミュニケーションの研究がさらに深まることを期待したい。

関連情報

目次
第1章
AIと対話
中島秀之

第2章
丁寧表現形式「デス」の地域差―日本語諸方言コーパス(COJADS)から―
木部暢子

第3章
対人配慮の歴史をどう捉えるか―『平家物語』の〈受諾〉〈断り〉表現をめぐって―
高山善行

第4章
書き言葉・話し言葉における縮約形の実態―コーパスに基づく分析を通して―
小磯花絵

第5章
ハワイとカリフォルニアに渡った日本人女性たちによる敬語と女性文末詞
朝日祥之

第6章
日本語学習者の配慮の表現・行動から出発するコミュニケーションの対照研究
野田尚史

第7章
日本語学習者のフィラーの習得と評価―中国語を母語とする日本語学習者3名を対象にしたケーススタディ―
石黒 圭

第8章
自閉スペクトラム症の言語コミュニケーション
藤野 博

第9章
NPCMJを用いた文構造の出現頻度に関する調査―主語省略文と受身文を例に―
プラシャント・パルデシ、長崎 郁

第10章
プロソディーの多様性と音声コミュニケーション
窪薗晴夫

索 引
編者・執筆者紹介
著者紹介
窪薗晴夫(くぼぞの はるお)
エディンバラ大学大学院博士課程修了(1988年)。PhD(言語学)。現在、国立国語研究所理論・対照研究領域教授。著書に『一般言語学から見た日本語のプロソディー―鹿児島方言を中心に―』(くろしお出版、2021)、『通じない日本語』(平凡社、2017)、『アクセントの法則』(岩波書店、2006)、『日本語の音声』(岩波書店、1999)、『語形成と音韻構造』(くろしお出版、1995)などがある。

朝日祥之(あさひ よしゆき)
大阪大学大学院博士後期課程修了(2004年)。博士(文学)。現在、国立国語研究所言語変異研究領域准教授。著書に『新版社会言語学図集』(編著、ひつじ書房、2021)、『アメリカ・ハワイ日系社会の歴史と言語文化』(編著、東京堂出版、2015)、『サハリンに残された日本語樺太方言』(明治書院、2012)、『ニュータウン言葉の形成過程に関する社会言語学的研究』(ひつじ書房、2008)などがある。