日本語の格表現

新刊

日本語の格表現

木部暢子/竹内史郎/下地理則[編]

定価
4,950円(4,500円+税)
ISBN
978-4-87424-891-1 C3081
発売日
2022/3/24
判型
A5
ページ数
310頁
ジャンル
日本語学 ― 日本語学専門
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現代日本語書き言葉では、主語が「が」で、直接目的語が「を」であらわされるが、同じ日本語でも話し言葉、方言、古代語にはそれとは異なる多様な様相がある。日本語の格表現のシステムを、13章の論考から解明する試み。

■まえがきより
現代日本語書き言葉では、主語が「が」で、直接目的語が「を」であらわされる。しかし、話し言葉では「太郎 ・・・(全文を読む)本 読んでるよ」のように「が」や「を」をつけない文が頻繁に発話されている。このような文が「が」や「を」を任意に省略したものでないことは、いくつかの研究ですでに指摘されているが、では、どのようなときに「が」や「を」があらわれ、どのようなときにあらわれないのかについては、いまのところ、明確な基準が見つかっていない。
諸方言に目を向けると、ある方言では主語や目的語に助詞をつけるのが普通であって、助詞がないと不自然だと感じられる一方で、ある方言では助詞をつけないのが普通で、助詞をつけるとある特殊な意味が生じるというように、方言ごとに違いがある。方言の格表現は、じつは思っている以上に多様な様相を呈しているのである。
古代語では、一般に主語も目的語も助詞なしで表現されると言われている。しかし、実際には「が」や「の」や「を」がかなり使われていて、助詞が使われるときと使われないときの違いが何なのか、明確にはまだわかっていない。
本書は、このような疑問を出発点として日本語の格表現のシステムを、古代日本語から現代日本語・現代諸方言までを視野に入れて解明しようと試みたものである。本書は13の章からなるが、13の章は「第1部 古代日本語の格」「第2部 日本語方言の格」「第3部 日本語の格と言語類型論」といったまとまりをなすように配置されている。

関連情報

目次
第1部 古代日本語の格
第1章 古典語の格標示に関する諸問題
小田勝

第2章 古代日本語における「問ふ」を述語とする構文の格標示法の変化について
後藤睦

第3章 上代語の主文終止形節における格配列、相互識別、無助詞現象
竹内史郎

第2部 日本語方言の格
第4章 本州方言における他動詞文の主語と目的語の区別について―京都市方言と宮城県登米町方言の分析―
竹内史郎・松丸真大

第5章 富山市方言における格成分のゼロ標示―二重対格相当構文が可能になることに着目して―
小西いずみ

第6章 九州方言の格表現―熊本市方言と博多方言の基本配列を中心に―
坂井美日

第7章 宮崎県椎葉方言 格の諸相―与格を中心に―
金田章宏

第8章 宮崎県椎葉村尾前方言における形容詞述語文の格標示
下地理則・松岡葵・宮岡大

第9章 日本語諸方言の主語・目的語の格標示形式
木部暢子

第3部 日本語の格と言語類型論
第10章 日琉諸語の格体系―概観と類型化― 
下地理則

第11章 南・田窪の4段階説と格・焦点表現―談話情報との関連から―
金水敏

第12章 日本語方言の斜格
佐々木冠

第13章 言語類型論から見た日本語の格
風間伸次郎
著者紹介
小田勝(おだまさる)
國學院大學文学部教授

後藤睦(ごとうむつみ)
大阪大学大学院文学研究科博士後期課程修了

竹内史郎(たけうちしろう)
成城大学文芸学部准教授

松丸真大(まつまるみちお)
滋賀大学教育学部教授

小西いずみ(こにしいずみ)
東京大学大学院人文社会系研究科准教授

坂井美日(さかいみか) 
鹿児島大学総合科学域総合教育学系准教授

金田章宏(かねだあきひろ)
千葉大学名誉教授

下地理則(しもじみちのり)
九州大学大学院人文科学研究院准教授

松岡葵(まつおかあおい)
九州大学博士後期課程在籍

宮岡大(みやおかひろし)
九州大学博士後期課程在籍、日本学術振興会特別研究員(DC1)

木部暢子(きべのぶこ)
国立国語研究所特任教授

金水敏(きんすいさとし)
大阪大学大学院文学研究科教授

佐々木冠(ささきかん)
立命館大学大学院言語教育情報研究科教授

風間伸次郎(かざましんじろう)
東京外国語大学大学院総合国際学研究院教授